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金木犀の香る頃  作者: 彩華 (あやはな)
2/14

2.

 「早速のお返事をありがとうございます。


 とても嬉しいです。

 どうぞよろしくお願いします。


 お名前はラッキーさんなのですね。

 幸運が舞い込みそうな素敵なお名前ですね。


 では初めに、ラッキーさんはどんな本を読むかお聞きしてもよいですか?

 私はサスペンスが好きです。あと、恋愛ものも好きです。どちらもドキドキして、楽しくなるからです。

 ラッキーさんは好きな本はありますか?」



「スマさんへ


 僕はあまり本を読まないんだ。ごめん。

 でも、周りの友達は読んでるね。友人は歴史や伝記ものを読んでたな。そんな本は5ページくらいで眠くなるんだよ。


 そうだな。読みやすい本があるなら教えてくれる?できれば楽しくなるようなものがいいかな?」





「ラッキーさんへ


 もちろんです。

 私のおすすめは、『エミールの事件簿』です。シリーズものですが、一冊で完結するので読みやすいです。毎回主人公の「僕は探偵さ」という決め台詞が笑いを誘います。

 同じ作者様ので短編もあるので、そちらから読んでみてもいいかもしれません。


 そうそう、ラッキーさんは好きな食べ物ありますか?

 私は魚料理が好きです。でも骨を取るのが下手なので、よく口の中を取り残した骨で刺します。喉を詰めることも・・・。でも、美味しいからやはり魚を食べたくなります。

 親からは猫みたいと言われます。もしかすると前世は猫だったのかもしれません


 あと、スマでいいですよ。

 プライベートな情報はなしにしましょうね」




「ありがとう。

 じゃあ、さっそく、スマ。


 勧めてくれた本を早速借りて読んでみるね。


 僕の好きな食べ物・・・。

 フルーツかな?その中でも梨が好きだね。短い期間しか出回らないから、梨の収穫時期になると、侍女に言って、ものすごく買い占めに行ってもらうんだ。みずみずしいのがいいね。

 あとはやっぱり肉かな。

 レアが好み。野菜はちょっと苦手だね。ついお皿の端に避けて、最後に嫌だと思いながら食べるてるんだ。とくにミニトマト。なんであんな小さいのに、独特な味がするんだろう。


 君の前世が魚好きの猫だったなら、僕の前世は肉好きの犬かな」







 「クロード、何を読んでいるんだ?」


 幼馴染で親友でもある王太子であるカインゼル殿下が声をかけてきた。


 僕は読んでいた本を閉じる。


「お前が本を読んでるなんて、信じられないな」

「別にいいでしょう。勧められて読み始めたら、意外に面白いんです」



 僕は、勧められた本を読んでいた。

 しかも今読んでいるのは『エミールの事件簿』シリーズの二冊目である。


 読むのも面倒だし、活字を見続けるのも苦手なため今まで敬遠してきた。だが、読み始めると面白くはまってしまった。

 主人公のキザな決めゼリフに笑える。


 いい本に出会えたと思っている、ら


 これも、それもスマのおかげ。


 スマとの手紙は楽しかった。

 だわいない内容。

 

 ダラダラしたものではなく、短い内容ばかりだった。


 気軽な文通が楽しくなっていた。

 


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