140字小説12.13.14.『愛読書』『人の蜜』『黄昏時』
『愛読書』
真空色の本と茜色の本がある。
私の愛読書。
朝は真空色の本を読み、夕方以降は茜色の本を読む。
真空色の本はまだ1周目の途中で、
茜色の本はもう2週目の終わり。
いつの間にかこんなに差がでてる。
真空色の本は長編小説で、茜色の本は短編集だから?
いや違う。
単に、私の朝が少ないだけだ。
『人の蜜』
人の不幸は蜜の味とはよく言ったものだ。
どの時代においても、人は他人の不幸を目の当たりにすると、
自分の劣等感が薄れ優越感に浸る。
他人の不幸を利用し自分の快楽にする。
それ自体は何も悪いことではないし自然の摂理だ。
人は神ではない。
完璧でないからこそ蜜を求める幸せで残酷な生き物なのだ。
『黄昏時』
空に焼き色がついていく。
最初はゆっくりゆっくりと。
そして、どんどんどんどん加速する。
三駅だけの帰り道。
電車の窓から見る景色が『今日もお疲れ様』
と言ってくれている気がする。
子供の静かな笑い声、大人の静かな話し声。
車内にアナウンスが流れる。
気づくと辺りは焦げて暗くなっていた。
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最後まで読んで頂きありがとうございます。
蜜は甘いんですよね。。。私は黄昏時の方がいいですけどね。
それはそうと、、すみません!!
最近投稿できてませんでした。
ちょっと出せなかった分、一気に出します!
泉ふく