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悪役令嬢は反省します  作者: 秋乃 透歌
第二章 魔力測定試験
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一番は誰?

 魔力測定試験、当日。

 マノン王立学園高等部の生徒は、学年に関係なく男女に分けられ、男子は体育館に、女子は運動場に集められた。一般的に魔力は女性の方が高いとされている。万が一のリスクを考えれば、屋外が女子生徒の割り当てになることは自然なことと言えた。

 一年生から順に名を呼ばれ、魔法陣によって浮かび上がった的に目掛けてそれぞれが魔力を放出するのだ。

 一年生であっても才能に溢れる者は工夫もなく大きな数値を記録し、研鑽を怠らない者は効率を上げた記録を残す。それとは別に、例えばエリカ=フランジパンの光魔法のような珍しい魔法には歓声が上がった。

「では、行ってきます」

 名前を呼ばれたベラが、若干の緊張の面持ちで前へと進み出た。

「――水よ」

 自身が時魔法使いであることを隠しているベラは、偽りの呪文を唱えた。

 ベラの魔力に応じた現象として、雨が降り出し、的を濡らした。

「記録はあまり伸びませんでした」

 クローディア達のところへ戻ってきたベラが可愛らしく舌を出した。

「ベラは、本当は時魔法使いですわよね? 今の水魔法はどうやっているのです?」

 クローディアの素朴な疑問に、ベラが頷いて答える。

「時間を、先週の雨降りの日まで戻しているんです。時魔法は、こういう放出系の測定には向かないし、秘密にしたいし、丁度いいんです」

 それから三年生の順番になり、まずクローディアが呼ばれた。

「次はわたくしの番ですわね」

「クローディア様、平常心です」

「クローディア様、ファイトですわぁ」

 取り巻き二人の声援を背に受けて、クローディアは所定の場所へとたった。

「――氷よ」

 クローディアは、溢れ出る魔力を呼吸に乗せて打ち出す。冷気の余波が、白い霧を立ち上がらせた。

 空気中の水分が急速に冷やし固められ、巨大と言って良い程の氷の鏃が空中に形成される。ふわりと浮かんでいたそれは、クローディアの魔力により一瞬で運動エネルギーを与えられ、射出された。

 それだけで大きな風切り音が発生した。衝撃が大気を震わせるほどの振動が、命中と同時に伝わってきた。

 まさに熊をも倒す一撃と言った様相であった。

「まずまずですわね」

 謙虚な自己評価ではあったが、これまでの最高記録を残した。この記録であれば、火の魔法を操る王太子のニコラウス=マノンを考慮に入れても、まず破られる事はないだろう。

 残すはいよいよアビゲイルの番ではあるが――。

 そこで、小さくアビゲイルが悲鳴を上げた。

 ぶつかっておいて謝罪もなく立ち去る誰かの制服が、すぐに人混みにまぎれて消えてしまう。

「クローディア様ぁ」

 クローディアに手を借りて立ち上がるアビゲイルが、情けなく声を上げた。

「あっけなく持ち去られてしまいましたわぁ」


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