VRゲームで興奮しない男子はいない
アイスを食べた後家に帰ろうとしたら、ショッピングモールの出口の途中に何か体験会がやっていた
「あれなんだろう?」
「少し見て帰るか」
体験会の場所にはデカデカと『日本初最先端VRゲーム!』と書かれていた。VRか、そう言えば最近ニュースや新聞で最先端VRの体験会が始まったとかあった気がする。少し興味が湧いた
「VRかーあんま興味湧かないな〜やっぱ帰ー」
「いや、やろう」
「もしかして、お兄ちゃんVRに興味深々ですか?」
「ああ少しな」
「へ、へえーストレートに言うとは思っていなかった…」
何言ってるかあまり聞こえなかったが、とにかくVRがあるコーナーに早く行きたい
「こんにちは〜あ、カップルですか?」
「はいそうでー」
「兄弟です」
「い、一緒に買い物に来るなんて仲が良いですね〜」
「はいそうでー」
「勝手にストーキングされただけです」
「あ、あはは、そ、それではこちらにどうぞ」
「むーお兄ちゃんのバカ〜」
スタッフさんは笑顔を引き攣らせながら俺たちを案内した。
会場は机と椅子が大量に並んでおり、とてもショッピングモールでやるような会場には思えないほどの広さや綺麗さだった
「それではこちらに座ってください」
スタッフの指示で俺と唯は向かい合うように座らさせれた。
「今回お二人にやってもらうのは新型シューティングゲームです」
シューティングゲームか、サバゲーみたいに動くのだろうか、それにしては会場が狭い、ならVRMMOみたいにゲームの世界に入るのだろうかー
「お兄ちゃん!説明してるから聞かなきゃ分からなくなるよ?」
そう1人で考えていると唯が少し大きい声で俺に呼びかけた
「すまない、頭の中で色々と考えていた」
「そ、それではもう一度説明しますね、移動方法は頭で考えるだけで良いです、銃も前に撃つだけで当たると思います」
頭で考えた行動ができるのか凄いな、銃も前に撃つだけで当たってシンプルで良いな
「それではこのVRゴーグルを付けると始まるのでお楽しみください」
VRをつけて前を見るとそこには世紀末みたいな街が見えた。
「じゃあお兄ちゃんとりあえず前に行ってみよう」
お、本当に考えただけで前に進んだ
「あ、早速きた!えいや!」
唯は前に来たゾンビを見事に銃で撃ち抜いた、
「よし俺も」
スカ
俺の撃った弾はゾンビの横を見事に通り過ぎた
「あ、あれ?たまたまだよ!どんどん撃ってみよ!」
その後も何発も撃ったが一発も当たらず挙句唯にサポートしてもらったにもかかわらず開始2分でゾンビに食われてゲームオーバーになった。自分がゲームが下手ということは知っていたがここまでだとは……少し凹んだ
「あ、あれ?もう終わっている?あ!す、すみません、こんなに早く終わったのは初めてで、あ!また、すみません!バ、バグかも知れないので調べてみますね」
「あ、あはは、お兄ちゃんもそ、そういう日もあるよ!」
唯と店員さんにめっちゃ励まされた、もっと凹む
「ありがとうございました…発売されたらまたやってみます…」
「あ、ありがとうございました」
散々な一日だった家に帰って買った本でも読もう、楽しみだっただけに残念だった…自分のゲームセンスを恨む
「マ、マリトッツォでも食べに行きます?」
「ああ」
唯本当にすまない、そして慰めてくれてありがとう
-------------------------
今日は後二本か、まさか熱出るとはなー