会計と注文は先陣を切ることにしました
放課後、俺は帰る準備を終えて廊下に出るととそこに仁が待ち伏せしていて「今日どっか遊びに行かない?」と遊びの誘いを受けた。今日は帰る気満々だったが久々に誘われたため、誘いに乗ることにした。
「それでどこ行くんだ?」
「ん~カラオケとかかどう?」
「俺なにも歌えないけどいいのか?」
「大丈夫、大丈夫!賢人の出来ないことはある人がやってくれるから、ね、唯ちゃん?」
仁はニヤニヤしながら廊下の曲がり角に身を潜めていた唯に声をかけた。
「チッばれていましたか、そして、なんですか?そのニヤニヤした顔キモいですよ」
そういいながら唯は不満そうな顔をしてこちらに来た。という仁は何故気づけた?いつも通りどこかしらで俺を付けてるだろうとは思ったが位置までは俺も分からなかったぞ。
「で唯ちゃんは行くの?行かないの?」
「もちろん行くに決まってるじゃないですか、貴方みたいなキモ陰キャとお兄ちゃんが2人でいたら腐ってしまいますから」
「はいはい」
「そういえばあいつは誘わなかったのか?」
「なんかバイトらしいぞ」
「なるほど」
そんな他愛のない会話をしながら歩いていると目的地のカラオケ店に着いた。
カラオケ店の中は凄くきれいで、西洋の城の一部を想像させるような内装だった。
「きれいだな」
「でしょ?なんかホテルの一部を改装して作ったらしいぞ、じゃ俺カウンター行ってくるわ」
なるほど、だからこんなにきれいに見えるのか。俺が感動して店内を見ていると、その隣にもっと目を輝かせてみてる唯がいた。
「唯は昔からこういうの好きだもんな」
「そ、それは昔の話しでしょ!!今はもう違うもん…」
やっぱりまだ好きだったらしい、だけどこれ以上この件に突っ込むといじけてしまいそうだからやめておこう。
その後2、3分待っているとカウンターからぐったりした負のオーラをまとった仁が帰ってきた
「た、ただいま」
「どうした、なんかされたか?」
「いや、今日こそは店員とまともに会話して部屋とることができると思ったがやっぱダメだった」
「ぷぷぷ、そんなことも出来ないんですねやっぱ低俗なキモ陰キャはダメですね」
唯が小ばかにしながら言うと仁は負のオーラがさらにでかくなり
「確かにそうかもしれないね、もうヤダ何もかもヤダ俺の存在意義とは一体
そう自虐気味に仁は言葉を発した、それを見た唯は焦って
「緒そんなに落ち込まないでくださいよちょっとからかっただけじゃないですか」
と普段は言わないことを言った。非常に面倒くさい展開だ、今度から仁がいる時はカウンターに行ったり、店員さんに聞いたりするのは俺がやろう
「ほら仁なんかお前が好きそうなゲームのキャンペーンやってるぞ、帰りにコラボ商品もらえるらしいが帰るなら貰えないし俺も上げないぞ」
「へっ?」と情けない声を出しながらコラボ商品が宣伝されてるのろしを見て、その瞬間仁は目を輝かせて、
「あ、あれは!ヨウスト!!今流行ってるゲームじゃないか」
と、興奮気味に早口で語った。
「キモオタですか?キモいですね」
「おお、それは良かった、さ、行くぞ」
「えちょま、もうちょっとのろしを!」
「帰りにでもまた見れるだろ、それにこっちは結構待ったんだ早くいくぞ」
そして、のれんを惜しそうに見ている仁を引っ張りながら俺たちは部屋に入った。
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今回はまあ僕がちっちゃい頃あったカラオケ店を思い浮かべながら書きました。
その店は本当にゴージャスで2階建てのカラオケ店で入ったら真ん前にゴージャスな階段があって、ちっちゃい頃すごく感動した覚えがあります。そして、その階段の隣にあるチュッパチャップスマシーンをやりたくて駄々こねて、母親に引きずられながら帰ったこともいい思い出です。