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中古屋探偵  作者: 小田川アキ
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探偵事務所 その4

「あと、これはまぁ次いでなんだが、ここに君の店の

案内も載せておいたから」

そう言われ、改めてチラシに目を向けると下部3cm程の

スペースに"リサイクルショップ タイラ"の文字と丸く切り取られた平良の顔写真が印刷されていた


「なに勝手に人の写真を載せてんだよ!誰もこんなこと頼んでねぇよ!」

「君の母上にちゃんと許可は貰った。その写真だって

喜んで提供してくれたよ」

「何でお前はいつもうちのババァに聞くくせに、俺には何も聞かねぇんだよ!まず最初に俺に聞けよ!!」

「それは君の母上が、自分はこの辺りのまとめ役の様な存在だから何か困った事があれば直ぐに相談するようにと言われているからだ」

「何がまとめ役だよ!あのババァはこの商店街に住みついてる噂好きの強欲ババァだぞ」


平良の両親はお喋り好きで世話焼きの母親が店に立ち、その尻に敷かれた手先の器用な父親が近所にある自宅兼倉庫で売り物になる商品の修理やメンテナンスを行っている


「母親に対して、その様な言い方は感心しないな」

咎めるような瀬尾の台詞に、思わず家賃半額に目が眩みお前の世話を二つ返事で引き受けるような人間なんだぞと叫ぶ衝動を何とか飲み込む

「あのぉ~お取り込み中すいません~いいですか?」

不意に掛けられた聞き慣れない女の声に、言い争っていた2人の動きがピタリと止まる。

声の聞こえてきた事務所の入り口へ首をひねると、派手な化粧をした女が顔を覗かせていた。


見たところ、20代前半といった感じだが黄味がかったベージュ色の長い髪の毛は大きく波打ち、サイドに流した前髪の隙間からこちらを見詰めるシルバーの瞳は外国人にも見えた


「はい…えっと、ご依頼ですか?」

「悩んだんですけど~ちょっとだけ、お願い出来たらなぁ~と思って来てみました」

見た目を裏切らないその軽い口調に、瀬尾は能面の様な笑顔を張り付かせた


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