守護者側から見た戦争1
なぜか今になって作品が作りたくなった……
ここは私が守るべき森であり、私は生まれた時からこの森を守ることが仕事なのだとはっきりと自覚していた。
だが暇である
人が開拓しようとここへ来ることもあるが、その時は浅く入らせて戻るようにする結界を張っていて軍隊を率いて開拓しようものならもれなく海の中へ転移させている。そして、私はこの結界を維持するとともに無理やり破壊してきた者への罰を与える存在でもあった。
他にも霊獣がいたりするのだが、好戦的なのもいれば静かに自分の役目を遂げようとするものもいる。私はその中で後者に属する。
姿は霊獣であるなら自由に変えれるため気に入った姿であり続け、私たちはその姿で呼び合っている。私は黒馬の姿をしている
森に棲んでいる獣たちを見守り悠久の時を経る・・・それが私たちの存在である
それでもその仕事に飽き遊ぶときはある。それは・・・
「第114回霊獣大戦争の始まり始まり~~」
「今回は人が仕切るのか・・・猿はどうした?」
「猿は蟹にボコされてからしばらく出たくないってさ」
「猿は前回の大戦争で臼と蜂と栗とかいう霊獣でもない奴らにやられて散々だったからね~」
「そうだな~、そういえば人は今回化けてるお前以外に介入してくる人間いそうなの?あの餓鬼ども100年毎にやってるからってやってる間に開拓しようとしてきてうざいんだけど」
「それは同感だな、というか蟹前回結界破壊されたんだったな」
「馬のところは平和でいいよね、魔族からも人からも宣戦布告されたことないでしょ」
「それはそうだな。馬は立地的には人間からも魔族からもおいしいところにいるはずなのになんで戦争起きないんだ?」
「前にもこんな感じの話があった気がするが・・・もしや猫と蟹に酒飲んで酔っているのか?」
「「この瓶なら振って浴びたがどうした?」」
「それが原因か・・・」
「今回招待したのは馬、犬、猫、鳥…は忘れてるな。亀、竜、キメラ、ゾンビ、ウサギ、龍、
ゴーレム、吸血鬼、後は気になったので来ましたっていう見知らん奴じゃな」
「え~、人の私は~?」
「お前は仕切りやるから送らぬわ!!ギルドなるものを経営しているのであればそれぐらいわかっていてほしいものだったじゃ」
「耳が痛い話は聞きません~、それより今回やる内容は馬の平和ぶりが羨ましいので馬vs人間で~す」
「何!?」
『よっしゃあああああああああああ!!!!!』
「あ、霊獣の出陣はNGなんで」
「・・・人間の軍隊の規模は?」
「平和すぎて五千万人くらい増えちゃったんだよね・・・・」
「よし、問題ないな」
そのくらいだったら奥に食物連鎖を繰り返して強くなりすぎた猛者が大量に虐殺するだろう
「今回は勇者や賢者がいっぱいいるから気を付けてね~」
ふむ・・・・勝てるな
「んじゃそろそろみんな飽きてきたところだし始めるよ~」
霊獣大戦争が始まって一週間が経った
状況は人陣営が若干不利になっているようだ。どうやら人陣営は未知の生物たちの攻撃手段を知るために突撃させ地道進軍しているようだ。
私の陣営は突撃して既に千万人を殺戮していたようだが疲れたところを狩られたり捕獲されたりして今のところ有利ではあるがまだわからないな・・・
三週間が経った。
現在では人陣営は勇者等の強力な人材を一人たりとも欠けさせないように戦っているが残りの兵士は半分を切っていた。
私の陣営は最初に突撃した獣はほとんど狩られたようだ。だが最初に突撃したのは知能がそこまでないため痛手ではない。
私としては獣使いという人陣営の戦力が気になっている。使役している獣は弱いものばかりかと思っていたがたまに竜を使役してくるのもいてなかなか面白くなってきた。
一か月が経った。
今私はとても興奮している!どうやら私の陣営の獣が寝返ることもあるだろうとは思っていたのだが、それを上回ってすべての古龍が人間を助け始めたのだ!!
「おい人!これは私も参加してよいのではないか!?どうやらお前は古龍たちの好むことを人間に教え、古龍たちに気に入るであろう人間がいるだろうと教えていたようだからな!!」
「まあいいんじゃないかな~。私も古龍たちがぜんぶ寝返るとは思わなかったからね~。ただ戦闘していいのは勇者たちだけでお願いね~」
「それだけでは却下だ!古龍が協力した人間たちとも戦わせろ!」
「馬がこんなに戦いがるとは珍しい光景じゃな、面白そうなことは大歓迎じゃ!!皆はどうじゃ?」
『賛成も賛成、大賛成で~~~す!!!』
さて、顕現したのはいいものの、古龍たちはどこに・・・・・・む?
「前方に魔獣発見!一体だからと思って侮るな!奴は未確認の獣だ!」
「黒馬・・・?だがこの威圧感はなんだ・・・?」
ふむ、この慣れた対応は見事なものだな。ただここで戦闘になったら面倒だな・・・
「こちら第114偵察部隊、未確認魔獣と接敵。外見は黒馬。キングホースと類似する点はあるが威圧感はそれ以上、至急支援頼む」
『こちら指令局支部、了解。二組の支援部隊を送る。危険と判断した場合すぐに撤退するように。支援到着まで15分』
「支援感謝する。これより戦闘に入る」
「どうやら敵さんは待っていてくれたようだが・・・」
「敵対しなければいい魔獣もいるみたいだが未確認の場合確実に狩れって指示だからなぁ・・・」
「古龍様のように味方してくれないもんかねえ?」
「やめとけやめとけ、急に近づいてみろ。敵対行動とみなされるかもだぞ。やるなら全員でだ」
「わかったよ」
・・・戦っていいのが勇者と古龍たちのみというのも難儀なものだな。盛り上がるような戦闘しなければ後でぐちぐちと言われるのは目に見えている。面白い状況なのはいいのだが面倒なのはごめんなのだ。
「あの黒馬逃げようとしていますがどうします?」
「捕獲するか」
「「了解」」
面倒事はごめんなのだっ!!!
ばたっ
む、威圧で気絶させてしまったようだ
激戦区へ移動するか・・・
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!
GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!
その場所は常に戦力が維持され、周りには多くの死体が見られた。
その戦場では金の髪を靡かせ敵を屠るもの、屠るものを守るために弓を放ち支援するもの、傷ついたものの傷を癒すもの、矮小な小物を食い殺したり踏み潰そうとするものなど、多くの種族が入り混じっていた。
どちらにも大義はない。人はまだ見ぬ資源を求め、獣は血に酔うために戦う。
ここは地獄、死をまき散らす場所




