1+1 MISS
初めまして。Kキです。読むのは自己責任でお願いします。
誤字脱字、感想などあればお願いします。
もう今ではいつのことなのか確認が不可能なとある日のこと……
「おーい。つながってる?」
「あ、来た来た。敬って今どこにいる?」
「優の方からきてくれ……ほかの2人は?」
「翔と凛花だよね。まだ来てないけど、あと少しで来るはずだよ。まあいいや、そっち向かうね。」
一瞬会話が途切れた後、目の前に優の操作しているデフォルトキャラクターが現れる。
今プレイしているゲームは R というシンプルなタイトルのゲームだが、ストーリーなどが一切無く基礎だけあるゲームで、自らの手で作るところがそこそこ受けており、敬達は同級生ということもあり4人で同時に始めたゲームである。
「まだ来ないのか。あの2人。」
「あ、来たっぽいよ!」
と優が指を刺した方向を見てみると2人がこちらに歩いて来るのが見える。
「敬、優と合流できたっと。もう準備は終わってるのか?」
「僕がまだ終わってない。あと3つずつ回復アイテム買ってくる。」
「早く済ませてこぉい!」
と翔が言い凛花が町へとワープする準備を始める。
「今から行くのって、難易度高いんだよね?」
「いろいろ制限されるしな。でもクリアできればアバター自由に変更できるし、ダンジョン制圧できていいこと尽くしだからいいだろ?」
「まぁ準備していれば負けることもないか。よし!やってやる!」
意気込んだ直後、凛花が帰ってくる。
「ただいま。行こうか。それで担当はどこだっけ?」
「敬が火のダンジョン。俺が風。優が土だからお前は水だな。」
「わかった。また後で合流しよう。」
と言って再び凛花はワープの準備をする。その後凛花に続くようにしてワープの準備をし始め、それぞれがダンジョンに向かっていった。
―――――しばらくして―――――
「勝てたぁぁぁぁぁ!」
「余裕」
「嘘つけ!お前回復アイテム使ってないだろ!ところで敬。お前はどうだった?」
「2回ぐらい回復はしたけど勝てたよ。」
「だよなぁ……お前だけ強さが桁違いな気がするんだよなぁ……」
そんな話をしている間に敬は時刻を確認するが、PCの時計が19:00を刺しているのにもかかわらず、カーテンから漏れる光から外が妙に明るいことが分かった。カーテンをめくり外話確認しようとすると、
ガオォォォォンという音が鳴る。
音だけのはずなのに、直に振動が伝わってくるほどその音は大きく、低く響いた。
その直後、連絡を取ろうとするもすべての電子機器が使用不可になり、再び音が響き渡る。少しづつ揺れが大きくなりながらも2階にいた自分の部屋から出て、1階にいるの父と母の姿を確認する。
「母さん!父さん!無事か!」
「おいおい敬、どうしたんだ?そんなに慌てて。」
「敬、部屋で何かあったの?慌ててくるもんだからびっくりしたけど。」
父と母は言葉を繰り返すかのように冷静にそう言った。しかし妙だった。
「どうしてそんなに冷静でいられるんだ!早く状況を確認しないと!」
「……」
今度は返事すらなかった。うなずく様子もなく、2人とも真っ黒の画面が表示されたテレビを見つめて止まっていた。この光景を見ているだけで自分があの音に対して焦燥感を覚えたのが馬鹿らしくなるほどに、異様だった。
「父さん!母さん!早……く……」
父と母に呼びかけると同時に、手を引こうとするも、まるで強力な磁石に引き寄せられているのかのように重く、動く意思も、体温でさえも、その父と母の容姿をした何かは持っていなかった。
再び音が鳴る。先ほどより大きく強く。彼は家を出る。先ほどからなり続ける音に対して反応を示さない親を置いて外に出る。わずかな希望をもって友人を探しに。
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8/9少し更新。番外編書いてから1+2に行きます。