0話 何処じゃい此処は
なんか滅茶苦茶になった…
…おい!
うーん。
…おい!目を覚ませ!
んー…あと5分…
…たのむから、目を覚ましてくれ!
ちょっと待ってよ…まだ5分経ってないって…。
「いいかげんに起きんかーーーー!!!!」
「あぁ!!??」
「どんだけ寝るんじゃ御前は!」
「うるさいな!起こすんならもうちょっと耳に優しく_______へっ?」
「あ?なんじゃ?」
目の前には白いワンピースを着た赤いリボンの子供がいた。
…えっと…
なんで幼女が俺の部屋に?
てかここ俺の部屋じゃねえ!どこだここ!?見渡す限り白のだだっ広い空間だ…
「え、あの…誰、なの?」
「おお、そうじゃ状況を説明しておらんかったの。わしは神様じゃ。神。」
…あー!ナルホド、神かー!ならこの白い空間もナットクー!
寝よ。
「あ!おい御前なに寝ようとしているのじゃ!さては信じておらんな?!」
グー…
「なっ…本当に寝おった…このクソガキが、そんなに神の力が見たいなら特と味あわせてやるわい!」
その幼女は、何処からか取り出した杖を男(俺)に向かって振りかざした。
「アビャビャビャビャビャビャビャ!!?」
「ふはははは!どうじゃ!神から放たれるEX級の雷は!安心しろ、死ぬ事は無い。」
な…なんなんだコイツは…
俺を得体の知れん部屋(?)に誘拐して雷を浴びせるとか…
あの痛みは、到底夢で味わえるものではない。
「えー…なになに、お主は…
17歳 駒井 将。高校2年生か。身長175cm。たっかいのう…!友達 60人 ぼっちではなかったんじゃな。てっきりオーラがもう…恋人 0人 …ハッ(笑)。死因 脳梗塞。寝てる途中にか。
えーっとそんなとこじゃろうか。」
何処からか取り出した紙を見ながら(自称)神は言う。…なんかところどころクッソ失礼な事言われた気がした。
ってかそこじゃねえ!
「ちょっとまて、説明しろ!ここはどこなんだ?それにさっきの雷…俺の個人情報…あげく俺の“死因”だと!?ふざけるのも大概にしろ!俺はただ明日の宿題を済ませて布団に横になっただk…」
「うるさい!」
ゴッ。鈍い音が俺の頭から聞こえる。クソ痛い。舌も噛んだ。
見るととても大きいハンマーでぶっ叩かれていた。
「……!!……(余りの痛さと衝撃で言葉がでない)」
「ふん、説明すると言ってあろうに。神に向かって怒鳴るとは不届きな奴め。よいか?1度しか言わぬぞ。」
何だこいつマジで…
だが、何も無いところからハンマーを出す…只者じゃない。夢?その可能性はまだ否定してない。
「よいか、御前は死んだ。それは事実じゃ。とっとと受け入れろ。通常では地球での輪廻の輪に再び加わってもらう。それだけで終いじゃが…」
「駒井 将。御前は前世では沢山の善行をしてきた。」
お、おぉう…別に良いことを率先してたわけじゃないんだが…
「なので、それに免じて少し“ご褒美”をやらないかん。」
え?
「ふっふっふっ…お主、生前は漫画を好んでいたな…?ではもう察しとる筈じゃ。
異世界への転生権があたえられた。まあ、つまり二度目の人生を送る権利じゃ。し、か、も、その世界はなんと数値化されたステータスがあり、魔法…スキル…どれも存在するぞ?ついでにその世界で便利な能力もオマケじゃ。
…どうじゃ、転生、してみないか?」
…
シー…ン…
「…」
(あ、あれ?おかしい…今までの人間はホイホイ転生していったのに…)
「コホン。ではもう一度言おう。
お主、転生するつもりはないか?」
「…だが断るッッッッッッ!!!!」
「なん…じゃと…
って、おかしいじゃろ!」
「うるせー!とっとと地球に戻しやがれ!早く学校に行かなきゃならねぇんだよ!だいたいもう一回人生やり直しなんて面倒くさすぎるんだよ!生き返らせろー!!!」
「おまっ…もういい!最初からこうしとくのじゃった…」
「ああん?…って、なんだこれ!?」
地面からイバラが数本生えてきた。そのイバラは俺を拘束しはじめ、またもや何処から出てきたかわからない椅子に縛り付けられた。
「ちょっ…いたいいたいいたい!?!?!?!?何しやがった!?」
「普通は皆ホイホイ転生するのじゃがな…お主は絶対に転生しない未来が見えてしまった。なのでわしが少々無理やりに転生させる事にした。よいか?異世界に転生するには、まずステータスの設定をしなければならん。普通はな、転生者にはステータス記入用紙に好きな種族とかを書くとかのボーナスがあったんじゃ。」
「…しかしお主はわしに反抗的な態度しかとらん。神は忙しいのでな、いちいち人間1人納得なんてめんどkゲフンゲフン、時間がかかるのである方法で転生時のステータスを決めてもらうぞい。」
「いま!いま面倒くさいって言った!!」
「さあ、さっさと投げるがよい。」
「は?何を投げるって?…って、え?」
いつの間にか右手の拘束が解けており、俺の右手にはダーツの弓矢が握り締められていた。
そして、クルクル回っているルーレットが5つ。
「ちょっとまて?ある方法ってこれのこと?」
「そうじゃが?」
「じゃあ俺はこのクソみたいなゲームで人生決まるの?運で?」
「なにをいっておる。お主の今の顔。体。才能。全部運で決まったものじゃろう。たいして変わらん。」
「いやいや、そりゃそうだけど…」
「ええい、焦れったい。ならわしが代わりに投げてやるわ!」
「わーーー!!!まてまてまてどうせ投げるんなら自分で「えいっ」
「マジかよ…」
幼女が投げた矢が一つ目のルーレットにささり、それと同時にルーレットが止まり始める。
「ちなみにいまのルーレットは種族が決まるぞ。」
「人間以外の種族あんの?!」
「さっきも言ったろ、魔法、スキルが存在する、いわゆるファンタジーの世界なのじゃ。別種族があってもおかしくない。当たりは…そうじゃな、エルフかドラゴニストかな?お、そろそろ止まるぞ。期待しておけ。」
「ああ、もう…」
とはいえ、俺は少し期待していた。俺は漫画が好きだ。男なら誰しも、一度は想像したことがあるだろう。ファンタジーの世界の、主人公になれたらって。
もう高校生になって、受験に向け頑張んなきゃいけない。だから子供じみた考えはもつ無かったんだが…
これは、ワクワクする。
「よし。お主の種族は…」
おおっ!?
「…」
おおっ?!
「…いい話をしてやろう。」
おおっ?
「今から転生する世界はな、キーラという世界なんじゃが、生まれ付きの才能は個人によってかなり差があるんじゃ。」
…おい。
「例えば、勇者とかな。それは選ばれし者じゃないと出来ない。だがな、その世界は一応努力をすれば、才能に勝てるように調整しておる。」
「おい、まて何の話だ?冗談はよせ…」
「最弱のマモノ、ゴブリンが魔王になった例や、ドワーフが賢者に魔法で勝った事がある。つまりじゃな、あー。ようするに、才能によって変わるのは、努力する量だけなんじゃ。だから…。
…がんばって生きろよ。」
「おい!なんだこの空気!!まだ4つ残ってんですけど!何だったんだ俺の種族は?」
「…」
「スライムじゃ。」
「へっ?」
「そう、最弱の代表、スライムじゃ。」
「…」
「…ま、まあ、元気だせ。」
「…」
「!?ちょっ…ちょっと待て!泣いておるのか!?悪かった悪かった!だから泣きやめ!なっ!?」
「うおおおおおお!!!」
「きゃあああああ!!!」
「こうなったらもういいよ…残り4つで!!挽回してやる俺の人生を!!矢よこせ!」
「はっ、はい!」
(おかしいぞ、こんな筈じゃなかったのに!くそっ…というかスライムの確率は300分の1じゃぞ?どんだけ運悪いんじゃわし…神なのに…)
「次のルーレットはなんだ?」
「あっ、つ、次はな、Nスキルのルーレットじゃ。3つスキルが貰えるぞ!」
「じゃあ、3回投げれるって事だな?よし…」
「まて、その前にこの拘束外してくれ。座ったまま右手だけで投げれるわけねーだろ。」
「あ、う、うむ…」
体に巻きついていたイバラが一瞬のうちに消えた…。これで投げやすくなった。
椅子から立ち上がり、ルーレットへ狙いを定めた。
「そいっ!」
ヒュッ トン。
「N」と書かれたルーレットが速度を落とす。
矢が止まったところは…
「!すごいぞ将!【硬化】だ!」
「…それって凄いのか?」
「いったじゃろ、努力が肝心じゃって。スキルにはレベルがある。その硬化、レベル5になると何十kmから落下しても無傷じゃぞ!」
「ほう、それは凄い!」
「では、二発めじゃ!」
「おう!」
ヒュッ トン。
矢が止まったところは…
「!【回避】じゃ!」
「おっ、スライムみたいな雑魚には便利なスキルだな。」
「よう気づいたな、回避は実はかなり役立つスキルの一つじゃ。」
「よっし、この調子でやるぞ!」
…それから全てのルーレットを止めた。
「…神から言わせてもらうと、このルーレットかなり良い方じゃ。派手なスキルはないが、役立つスキルが沢山ある。スライムの結果を裏返すようにな。」
「それは良かった。」
「では、今からお主に転生してもらうが…大丈夫か?」
「もうここまで来ちまったんだから、心の準備は出来てる。いつでもいい。」
「それでは、転生させるぞ。…スライムじゃが、申し訳なかった。わしが出来る事はここから送り出した人間、お主も含め見守る事ぐらいしかできん…じゃが、幸運を祈っとるぞ。」
「ああ、ありがとう。」
「ああ。さらばじゃ!幸あれ!」
!光が…
暖かい光が俺を包み込む。それと同時に意識が無くなる。
…こうして俺はスライムに転生した。
「ふう。あやつで最後か。…頼んだぞ、私の子ら。お主らの力で、この世界を救ってくれ。」
名 ショウ・コマイ
Lv.1
種族 スライム
職業 無職
称号 憐れなる地球人
スキル
N 再生Lv.1 吸収 Lv.1 酸液 Lv.1 回避Lv.1 硬化Lv.1 夜目Lv.1
R 水魔法・初級 Lv.1 鑑定Lv.1
S 石化の魔眼Lv.1
EX
拙い作品ですが、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
てか最後らへんヤケクソですねクォレハ…
落ち着いたらまた直します。




