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国際連合

「本国はのんきなものだな」

ワシントンに到着して日本と違いクリスマスを盛大に祝っておりハルゼーが車内から呟く、今回は大統領と面会後ニューヨークにむかうことになっている。

戦地はソ連とオーストラリアなので直接影響もなく大戦の特需が終わりと言うところで新たな敵に向けての特需が発生しておりアメリカ国内は潤っているようだった。


「我らの生まれた場所へ戻るために受け入れましょうだと、誰だあんなことを言ってるくそは」

看板に大きく標語が書かれており反戦を呼び掛けているようで副官が恐る恐る新興の宗教団体で信者を次々と増やしているようだった。

「そんなに好きなら輸送船を準備してやるあいつらを乗せて好きなところに突撃させてやるぞ」

何時もの直線的な言い方に副官は苦笑して同意した。


「ホワイトハウスに到着しました」

ドアが開かれハルゼーを先頭に降りて中へと入る。

大統領補佐官に出迎えられ執務室へと入った。

「大統領、途中で見つけたあのバカ野郎の宗教はなんだ、挙国一致しなければならんときにふざけるのも大概にしろ」

そう言われ大統領は机の向こうで椅子に座り、

「我が国には言論の自由が認められているとわからんでもあるまい、こないだの戦いで物的被害以上に人的被害が大きく国民も他国の事に自国民が多数被害にあっているのに疑問を持ち始めているのだ」

「そんなことを言っている暇があれば戦艦を建造して一刻も早く奴らを殲滅すべきでしょうが」

ハルゼーは机に拳を叩きつけ怒鳴るが大統領は顔色も変えず、

「来年には大統領選が行われる。このまま被害が大きくなれば私の再選も危うい」

「そんなことを言っている場合か」

大統領は鋭い目でにらみ、

「私が破れれば軍縮になると言うことも考慮してくれ、これも民主主義なのだからな」

そう言うとホワイトハウスの庭でシドニー奪回の式典が行われプロパガンダとは言え国民の支持を集めるにはこうするしかなかった。


「こんな勲章嬉しくもないわ」

ハルゼーはニューヨークへの移動の電車の中でも怒りは収まらず駅に降りても機嫌がなおる様子はなかった。


「国際連盟か前次大戦前に日本は脱退しており敗戦国として未だ加入は認められてないはずだな」

私がつぶやくとハルゼーが、

「マッカーサーが早急に復帰させようとしているらしいぞ、俺は認めんがな」

それを聞き流した副官が、

「地球規模での統一した軍をと言うことで、我々には直接敵と戦ったのでオブザーバーとして出席をと司令部からの命令です」

「ふん、アイクも悩みすぎてそのうち頭がハゲるぞ、まあ良い腰抜けの代表に活をいれるぞ」

そう言って建物へと入った。


会議が始まったがいきなり紛糾する。

アメリカは他の指揮下に入ることを拒否してアメリカ主体の国連軍を提案して、それに対して他の国は抗議をしており、ソ連や中国は大反対しており拒否権を発動するとアメリカを牽制していた。


4日目、ハルゼーはすでに我慢の限界を越えており別室で待機していたが机を壊しかねない状況であった。

その時ようやくマッカーサーが到着して会議場の雛壇に立つ、

「我々人類は未曾有の危機に直面をしている。我々大国だけでも勝利は危ういしましてやいがみ合っていればなおさらだ、そこで国際連盟を解体し新たに国際連合として国際社会を同じ目的のために協力するという道を作りたいと思う」

そう言うと根回しが効いているのか大国以外が拍手をする。

「アイクめ根回しもお得意ということか、いまいましいが認めなければなるまい」

ハルゼーは鼻で笑いながら戸惑うソ連大使をみる。

「装備は統一したものを大量に生産する。航空機は我々アメリカがドイツの技術を使い新型を、陸軍はソ連とイギリスを中心にドイツの技術を、そして海軍はアメリカの技術にジャパンの技術を加えて戦う」

アイクはゆくりとみまわし、

「この戦いに先ずは勝たねば人類は滅亡しかねない、敵はすでに二次大戦の技術で次々と送り出しており、航空機はロケットとジェット、陸軍は100mmを装備したMBT、海軍は40か46cmクラスの戦艦を用いて勝利を掴もうではないか」

「細かい事や利権を置いておくためにえらい言い方だな、だがそうしなければという事か」

士官の誰かが呟く、

その場で成立を宣言するとソ連大使が、

「それは我々にもドイツの技術をアメリカが保有している分を開示すると言うことか」

「そのつもりだ、当然ソ連のもだがな」

そう言うとソ連は休憩を求め3時間の休憩が決まった。


「マッカーサーもアイクのおかげで原爆を使うと言い切れなかったようだな、一度使い始めれば歯止めがきかなくなるからな、全く大統領といい愚者だな」

ハルゼーがこちらを見て吐き捨てる様にいい私も同意する。

「しかしオーストラリア戦域は今回かなりの地域を取り返したのでよろしいのですがソ連は」

「ああ、あの能無しのスターリンが優秀な将校を自分の地位が揺るがされると粛清しおったおかげで無能な作戦しかたてられん、報告書を読んだかやみくもに突撃させ押しきっていたがパンター戦車が出てきたとたんうろたえ泣きつきやがる」

ハルゼー言葉にドルツ中佐は、

「しかし赤が防波堤になっているおかげでヨーロッパは戦火を免れているのもじじつであります」

そんなことを話していると休憩の終わりが来て会議場へ戻った。


「ソ連は国際連合に加入をします」

技術もだが補給を維持しなければいつ戦線が崩壊してもおかしくない状況でありソ連としてはそれが無条件で供給されるという事を確約されたことで参加を決めたと言うことだった。

「後は誰が司令官となるかだが」

ヨーロッパはアイクことアイゼンハワー元帥がドイツ戦の勝利を踏まえて就任することが発表される。

オーストラリア方面はマッカーサーかと思われたが、

「ハルゼー大将を元帥に昇格させ司令官として任命する」

マッカーサーは原爆を使うことを大統領に直訴していたため大統領が退役を命令したということらしい、

「金谷中将、第36任務部隊の指揮官に命ずる。おれの期待を裏切るなよ」

ハルゼーから星を追加してつけてもらい現状の戦艦を預け出てこようとする敵のせん滅を命じられた。


「イリノイ、ケンタッキー、バンガード、シャンパール、イタリア、サウスダコタ、ミーズリそして大和か」

現状戦う事ができる戦艦群であり主力をすべて預けられたと言うこと、改装と修理が終わり次第順次出港させポートモレスビーへと向かうことになっていた。


休暇中だが司令官として忙しいなか太平洋総司令部より呼び出しがかかる。

「新造戦艦についての意見はあるか」

現存の艦艇の改装か、設計図がある艦艇の改良か、設計からやり直すかと言うことなのだが、

「現状建造を始めても2年以上必要になるがその頃には終わっているのではないか」

「報告書にあった通り近距離の場合、水中で跳弾が突き進み魚雷と同じ効果を生むと日本の研究からもわかっておりバルジを大和のようにする事を希望する」

「それは戦術で遠距離に限定をすれば良いかと」

「例の黒い霧もだが、レーダーでの砲撃も出来ず夜間と同じ状況で日本海軍に苦しめられたのを思い出す」

太平洋で行われたソロモン海戦ではレーダーではなく探照灯と肉眼で戦われ日本海軍が圧倒的に優位で終わったので前回でも残存の日本の駆逐艦が日本の酸素魚雷でかなりの戦果をあげており長期戦になるかどうかもオーストラリア戦域は不明で統一ができなかった。


「駆逐艦は防空はアメリカ、雷撃は日本のを、巡洋艦は防空を重きにおくのでアメリカのを、空母はジェット機が運用可能なミッドウエイ級を順次就航させる。戦艦に関しては中止されたモンタナ級を急ピッチで建造しており空白の期間に対応させる」

時期戦艦は結局モンタナをさらに改装していくという案に落ち着きアイオワ級よりも速度は落ちるが防御面は上であるということだった。

私はハワイ経由で東京に戻ると駆逐艦乗りを中心として召集をかける。政府は特需での好景気もあり国際連合に協力するという吉田内閣が成立しており各ドックでは魚雷特化型駆逐艦やアメリカ仕様の輸送艦を送り出していった。


「中将か日本人がな」

GHQは解体されたがアメリカ軍のアジア方面司令部が市ヶ谷におかれており司令官であるフォレスタル大将であり戦時中は海軍長官を勤めておりマッカーサーの後日本の統治を監察しながら中国やソ連を牽制していた。

「再編のため日本人の再召集と駆逐艦の受け取りにまいりました」

「すでに手配させている。しかし敗戦国だが日本人は呆れるほどの勤勉なのだな、中将にも期待する」

挨拶実そこそこに三菱の堀越技術士が面会を求めてくる。

「アメリカの工業力といい今回攻撃機としてこちらに送られてきたADー1スカイレーダーですが何もかもスケールが大きいです」

後年のベトナム戦争でも使われたプロペラ機で爆弾は3tも搭載できあのBー17とほとんど変わらず日本の双発爆撃機の比ではない、その力の差を見せつけられて落胆しているようだが私が頼んでいた件になると目を輝かせる。

「あれは次世代の航空機としては素晴らしいです。試作はプロペラ機でしたがドイツの技術提供を受けることになり急ぎ試作機を作るためにアメリカへ向かいます」

「ジェット機はドイツのがありますが震電は将来性はあると思います。それと音速を越えるには機体中央をしぼりこむと突破しやすいです」

「その技術は何処でと聞きたいのですが我々で検証していきます」

握手をして私は品川の自宅へと久しぶりに戻った。


「お帰りなさい」

家は建て直され知らせていたので皆が総出で出迎えてくれる。

まことと息子の正勝が出迎えてくれるが正勝は初めて会う私に戸惑い泣いてしまい皆に笑われる。

「空前の好景気で立ち上げた会社も倍々で工場を拡張している」

父親も私のドルの仕度金等で工業事業を立ち上げており笑いがとまらないのだろう、利益は土地を買わせておりいずれ来る特需の終わりを見越しているようだった。


「この戦いはいつ終わるのか」

子供たちが寝て父親とさしで酒を飲み始め聞かれる。

「オーストラリアは数年で結果をだしたいけれどバイカル湖畔はすでに飲み込まれておりこれ以上進攻されるとモンゴルそして中国にいずれ日本もとなりかねないです」

「安全なのはアメリカということか」

「でも移民を直ぐにはおすすめしません、反日感情が田舎にいけばいくほど大きいですから」

士官は表立ってはないが下士官そして兵はまだ反日があり今回の任務部隊司令官として悩むことにもなった。

「お前が戻るなら後を継いでほしいが」

「勝利しないことには、家族をよろしくお願いします」

そう言うとまこと正勝と川の字になり翌日横須賀そして呉等に向かいアメリカへと戻った。


大和の改装も終わりポートモレスビーへと出港する。

15.5cmの副砲は防御力で難があるので取り去り高角砲もアメリカのに交換されている。

砲も46cmは交換を終えておりアメリカの工業力に今更ながらに驚かされながら訓練を行いながら入港をした。

「ようやくきたな、揃い次第出撃する。奴等の姿をこの地上から消してやれ」

ハルゼー元帥はまだ揃わぬ艦隊に待ちきれないようで大和より長いミッドウエイ級空母が配備されADー1スカイレーダーを満載して訓練に明け暮れていた。


他の戦艦も合流すると有視界戦闘と夜戦の訓練を続け日本から3ヶ月で進水と艤装をおえた新雪風型駆逐艦であり魚雷を4連装×3を装備して高圧タービンで45ノットまで速度を出して肉薄していく、

「奴等はクレイジーだ、訓練で闇夜の中肉薄してきやがる」

アメリカの士官は呆れるほどのもう訓練を続け警戒しながら1年でようやく戦力が揃った。

その間も小規模な進攻があったが早期に迎撃して最小限の被害にとどめていた。

「ソ連側はウラル山脈を要塞化して防いでいるがモンゴル側が中国の機械化が思ったほど進まないため敦煌までひろがった」

情報士官が説明していき今回の作戦を説明する。

空軍が先鋒で海軍があの黒い霧の発生地点を砲撃してパーシング陸軍大将が機甲師団を率いて制圧をするのだが、

「前回の進攻でアイオワ級が認められており、サウスダコタとミズーリと大和以外は難しい、大和を前面に進ませ引き付けつつ撃破するしかあるまい」

モンタナが完成するまでまだ1年以上であり厳しい戦いになると皆が考えていた。


順次出港をする艦船、私が乗艦する大和は先頭で左右に防空を受け持つアメリカの駆逐艦であり、その外に日本の駆逐艦艦隊が隊列を組んで進む、

「警戒艦軽巡ボルチモアが敵艦を視認したと、アリゾナ級14隻が視認できたと言うことです」

その数に驚かされながらもスカイレーダーを順次発艦させ先制攻撃に向かわせた。


「撃沈はないがこちらの損害も数機か、さすがアメリカの航空機だな」

前回空母葛城の艦長だった宮崎大佐が大和の副艦長として乗り込んでおり軽巡洋艦酒匂の大原大佐が准将に戦時階級で昇進して駆逐艦艦隊を酒匂で率いる。

宮崎大佐は兵学校では先輩なのだがアメリカ軍に組み込まれているので気楽に話す、

「もう少し減らさなければ大和が耐えられるとは思えませんが、アイオワが40cmなのでどれだけ耐えられるかと言うことですな」

今回の改装は装甲をアメリカのに一部変更しており同じ厚さでも被害は軽減できると考えておりいきなり試すことになるのを楽しみにしているようだった。

「潜水艦が待ち伏せから攻撃を開始したようです」

本来なら海中から音波で方位を確認して魚雷を放つのだが、電波同様黒い霧の中では音が乱反射しており、ボルチモアからのアクティブソナーで潜望鏡震度まで浮上して攻撃を行う事になっており魚雷を発射すると航跡でばれるのか40cm砲弾が落下して損害が多数でており今回も潜水艦をかき集め飽和攻撃を行い後は神に祈りながら必死に潜航していった。


「あれは何でしょうか」

スカイレーダーが数機発艦する。

翼のパイロンには遠目にも化なり大型で長いのをそれぞれ1発ずつ下げており宮崎大佐が、

「あれは広島で使われた物ですか」

そう言われ双眼鏡で見たが弾頭は大きくなく後ろに大型の翼が見えた。

確かドイツがイタリアの裏切りから滑空タイプの誘導爆弾を使った事を記憶から思い出して説明をする。

ドイツの技術で新兵器を色々投入し始めており国力のあるアメリカの本領発揮だなと言いながら水平線の向こうに消えていくのを見送った。


「攻撃隊から連絡、敵は12隻に減っており今から攻撃を開始するとのことです」

潜水艦の攻撃で2隻撃沈と聞き士気が上がる。

スカイレーダーからの攻撃も見事誘導を行い5発命中で2隻轟沈で3隻が前の攻撃と含め中破と判定され無傷は7隻で中破は3隻となり生き残れる可能性が増えたと思いながら第一戦速にあげZ旗をあげた。


ボルチモアかなりのダメージを負っている模様で足の速いアリゾナから逃げ切れずにおり、あまり正確でない着弾だが確実にダメージはおっていた。

「もう少しだがんばれ」

その声もむなしく船尾に命中して速度が落ちると次々と命中していく、

「砲撃を未だですか」

士官の一人がそう口に出してしまうほどに徐々に沈み始めた姿を目に焼き付けながら水平線の向こうにいる敵に最大射程で砲撃を開始した。


「酒匂最大戦速で突撃開始、ミズーリも両艦を従え追い抜きにかかります」

大和よりも6ノットは速く作戦通り大和の砲撃と共に射程内へと急ぐ、

「電波障害発生、直接目視に切り替えます」

さほど黒い霧は発生していないがレーダーのディスプレイはノイズで判別がつかず光学式に切り替えて砲撃を続ける。

光学式に切り替えるととたんに命中率が上がりアメリカ軍の規定を変更してもらわないとと思う、規定ではレーダー射撃を優先して行いレーダーが使用不能になった場合に始めて光学式にと言うことである意味合理的な個々の能力に特化しない運用が行われていた。


敵もようやく射程に入ったと言うことで砲撃を開始してくる。

初弾はかなり離れたところに落下しており苦笑させるが何せ数が多く水柱で次第に周囲を囲まれそして命中した。

第2砲頭に真上から命中する。しかし見事に弾き何事もなかった様に砲撃を続けた。

「ミズーリ砲撃を開始、予定通り左へ回頭します」

射程ギリギリで敵の標的になるように進路をとり第3砲頭もようやく敵に向け射撃を行う、酒匂率いるの駆逐艦隊はまだ射程内に入れず真っ直ぐ敵へと進んでいた。

「敵襲、航空機200以上」

黒い中から烈風や流星を真似た敵が出現しており複雑な気持ちでアメリカ軍のF8F戦闘機と交戦する。

「2番と8番高角砲に命中、ダメージコントロール急げ」

かなりの数が命中しておりアンテナは吹き飛び被害は増えるが艦体は跳ね飛ばしており囮としての役割は果たしており、敵は3隻が沈んだが中破の3隻が射程に入り大和に雨あられと言うくらいに砲弾が落下して命中した。


「駆逐艦が酸素魚雷を発射、命中まで4分」

酒匂を含め必殺の魚雷を発射する。

敵航空機からの攻撃に傷ついてはいるが沈んだが艦はおらず時計を見ながら敵の水柱を待った。

その時大きな轟音と共に前部砲頭辺りで爆風がおきて倒れる。どうやら角度が悪かったのか跳ね返さずに爆発したと言うことがわかり状況の報告をさせた。

「第1砲頭が基部に敵の砲弾が命中、旋回出来ません」

船首に向け90度横に向いた状態で動かなくなり攻撃も半減に近くなりさらに、

「艦橋基部に命中、CIC(戦闘指揮所)の人員が振動により昏倒したため第2第3砲頭の個別照準に切り替えます」

主砲はCICからの制御で同一目標に一斉射できるのだがそれが使えないとなるとさらに戦闘力が落ち命中がおぼつかない、人員をまわすように宮崎大佐が命令をしながら砲撃を続けた。


「命中、触雷12以上」

酸素魚雷は見事に命中しており数隻が消えハルゼーからは激励の電文が送られてきて苦笑する。

しかし敵アリゾナから副砲での攻撃が続いており酒匂以下駆逐艦は全力で離脱しているものの次々と沈没していった。

「敵艦残り4隻」

イタリア等も砲撃をしているが38cmではアリゾナに有効なダメージを与えられず、大和も第1砲頭が使用不能で驚異でなくなったと判断されたのかサウスダコタに砲撃が集中しており足をいかした高速回避を必死に行っていたが、中射程からさらに近づいた時に一番恐れていた事が起きた。

転舵して横を敵に見せた瞬間敵の主砲が手前に落ちて水柱をあげ次に瞬間に船体を持ち上げた。

上部構造には被害はないが水面下の爆発は艦のバルジ部分にひどいダメージを与えたのかそのまま旋回を始め砲撃も沈黙する。

その間にミズーリがもう一隻を沈めるとサウスダコタが危険と知らせを聞いたハルゼーから航空機で叩くと言いスカイレーダーが魚雷と急降下爆撃で残りを沈めた。


「サウスダコタから、スクリューと舵が破壊されバルジからの浸水も多数、ただし沈没は免れるとのことです」

ダメージコントロールはアメリカ軍のお家芸でありかなりの被害を耐えたというのは称賛される。

「各艦に被害状況を確認させ酒匂にサウスダコタを引かせてこの海域から離脱させろ」

戦艦で引っ張りたいが作戦は続いているため上部構造が破壊された酒匂に引かせる事を決め編成をし直して南下を続けた。

「各艦は応急修理を終えており、大和も第1砲頭以外は使用可能なので引き続き旗艦として突入します」

ハルゼーに報告をすると陸軍もこの勝利を聞いて奪回作戦の最終章に向け進攻を開始したと知らせてきて私も任務部隊と共に敵の本拠地へと突入した。

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