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戦艦

私はその長門とは比べ物にならないほどの戦艦を見上、なんで大和級戦艦がここにいるのか、武蔵も大和も次々と沈められたはずであり空母に改装された信濃も戦う前に沈められており、四番艦は記憶にない。

ドルツ中佐に、

「記憶に間違いがなければ大和級だがみんな沈んでいるはず。なんなんだこれは、」

そう聞くと、

「これは大和だ、沖縄特攻を成功させ砂浜に乗り上げ大分手こずったが乗組員を掃討してようやく決着がついたということだ、本来なら浜辺であのまま解体だが今回のことでこいつが味方になればと思い浮きドックにのせ呉まで回航させた、そしていま擬装の最終段階で10日後にはドックから下ろされる。」

そう言いながらドルツ中佐は鼻唄を歌いながら歩き始め、私は後をついていきながら大和の事を考え始める。

歴史とはかけ離れた現状であり、本来途中で米海軍が魚雷で仕留めそこからヤマトが発進するはずだろと思いながら目の前の鋼鉄の壁を見上げた。


たしか主砲は46cm、副砲は15.5cm速度はたしか27ノット、バルジがせりだしており防御は長門よりも格段に上だ、しかし一番問題なのは誰がこれを操るのか沖縄戦で殆ど亡くなっておりこれを戦線に並べるには半年以上はかかりそれはアイクが許してくれるとは思えない。


私はドルツ中佐にその点を聞くと、

「それについては大丈夫だただし新人もまざるが期待しているとアイクが言っていたよ少将殿。」

そう言いながら肩を叩きエレベーターで第一艦橋へと上がる。

そこには技術大佐の平賀が部下に指示をして通信なども米海軍仕様に変更し、主砲の砲身も交換が終わっていまはエンジンの補機類を米軍提供の者と交換していると言うことであった。


単装対空機銃はすべて取り払うように伝える。

レーダーも米軍装備のものに交換しており全てが良好で平賀技術大佐も嬉しそうにしている。

艦内をドルツ中佐と見廻り、ラムネを作る設備のとなりに米軍では普通にあるアイスクリーム製造用の施設も併設され、アメリカ士官も十数人乗船するためその改造もドルツ中佐から造船所の方に指示を出していた。


一通り艦内を巡回した後は旅館に入ると山のような書類がありそれを読んだりサインをしまくったりしていた。

私は船籍はどこになっているのかと聞くと

「日本政府では大和は沈没したことになっており文句は出ることはないので安心しろ。」

そう笑いながら答え事務処理を続け、従卒がついて「ここにサインを、ここが抜けております。コーヒーをお飲みになられますか」と色々サポートしてくれるので安心して事務処理を続けられ何とか5日目にはすべて終わり、乗組員が輸送船で到着すると言うことを知らされ港まで出迎えることにした。


輸送船が到着して次々と兵を吐き出していくと懐かしい顔が降りてくる。下士官をまとめる砲兵科の伊藤曹長であり、私を見つけると駆け足で前まで来て敬礼をして私も返す。

「素行の悪さで長門を追い出されたか伊藤曹長、よければ冷暖房完備の大和ホテルに乗り込んでこい」

そう嬉しそうに手をさしのべると、

「艦長が長門を降りられて次の艦長の下では物足りないので転属を希望しました。腐れ縁ですがよろしくお願いします。少将殿」

そう手を握り返し私の襟首の星に驚きながら嬉しそうにしている。

「所で大和を任せるのにどのくらいかかるか、新兵もまあ古参兵だろうが元々の乗組員は沖縄で亡くなっているからな」


真面目な顔になった伊藤曹長は、

「私が理解するのに三日はください、その後は最低1ヶ月猛訓練で何とかですね艦長。」

そう言われ訓練の計画書と補給についての書類を提出してもらい申請を早めにしようと考えた。

そう考えてる前を下士官や兵が次々と乗り込んでいく2400人は必要だが現状長門からは1000人程で残りはさらに1週間ほどで来る予定になっており先に長門の下士官や兵が兵器の転換を行う。


まだ艦内で食事も作れないためドックのすぐ近くの小学校をGHQが占有してそこを残り5日間の宿泊施設にした。

本来大和は帝国海軍の時は厳重に秘匿されており一般の市民は連合艦隊の旗艦は長門と思っており今回の弾薬以外の補給物資の搬入も住民を徴発して当たらせていて、始めてドックに入る市民は驚きさらにそれが長門よりも新しく大きく旗艦だったことに驚きを隠せないでいた。


缶詰等の保存食を船体に飲み込んでいき、艦橋から見下ろすと人の列がアリのように見える。

艦内を巡検しながら本来は左官や尉官からの報告を見るのだがそこの層が薄いので出港までは下士官に艦長へ直接話しかけることを通達した。


現場からの意見が上がってきておりすぐできることは造船所で手直しを、それ以外は出港しながらになると思うが自分達の艦にするために最大限の努力は惜しまないようにする。

それから5日経過してドックに注水して船台から浮き上がるとタグボートで岸壁に移動を始め、機関始動と共に冷房をフル稼働させ弾薬類の搬入が始まる。

人より大きい砲弾をクレーンで一つづつヤマトへ移動させていると、新規に配属となる古参兵が到着したようで岸壁からタラップを昇り上甲板に整列していく。

尉官か下士官が申告を確認して次々と分隊へ振り分けていく。


これから三日間で1400人を順じ受け入れていき定数をようやく艦として動かすことは出来るが、戦うにはまだ無理なのをどれだけ練度をあげていくかは下士官に任せるしかなかった。


私はようやく動き始めた艦内を目的地まで下ると目の前に列ができておりドルツ中佐が私の前で並んでおり私が肩を触ると、

「艦長お疲れさまです。」

そう言いながら右を指差すと『アイスクリームは階級関係なし並ぶこと』そう書いてあり米海軍での暗黙の了解と言うことであり頷くと後ろへ並んだ。

何度か古参兵が並んでいる兵の横入りをしようとするが私が咳払いをすると後ろへ並ぶ、そうして大和での暗黙の了解が米海軍のルールで決まった。


私はラムネにアイスクリームをのせるが気に入り特に忙しくなければ朝昼夜の食事の後に顔を出して担当下士官に呆れさせ笑顔で差し出してくれる。


出港の準備が整うと米海軍士官が10人ほど乗艦して来る。各部署の上官でありその下に日本人の副官がつく、実際は副官が部署の管理であるがめんどくさいとは言えずドルツ中佐に任せる。


離岸をして掃海艇を先頭に紀伊水道を通り大平洋へと出る。

途中で機雷に6回も遭遇して機関砲で爆発させながら進む、進んでいる間も戦闘配置や米巡洋艦に曳航させた標的艦を砲撃をしたりして1ヶ月の基礎訓練を終えると横須賀へと帰港した。


ソ連側の戦いは、二号戦車から敵はドイツ陸軍のパンター戦車に変わったようで苦戦をしており東側は元満州まで広がり、西側はノヴォシビルスクでスターリンは抵抗して西側の物資をくれなければ支えきれないと騒いでおりヨーロッパ各国はソ連で押さえきれるようにと鉄道と船で送り続ける。


オーストラリアはシドニーまで達してしまいブリスベンまで迫っておりポートモレスビーから連日B-29で爆弾を落としてP-51ムスタングで敵零戦と戦いを繰り広げ、戦車は敵も味方もM-4シャーマンだが米陸軍はM-26パーシングを投入したが動力の故障によりシドニーを失ってしまいマッカーサーは激怒し急ぎ新型戦車の投入を本国に指示した。


海軍は終戦で建造を止めたイリノイそしてケンタッキーを建造を再開して就役させそこにイギリスのヴァンガードとフランスのジャンパールそして戦後賠償でイタリアから取ったイタリアをイタリア人で出撃させた、そしてイギリスからトラック島にデュークオブヨークとアンソンそしてハウがイギリスより回航され整備されており、旧世代のフランスのロレーヌも入港したらしいが速度などに問題がありマッカーサーの指揮下に入ったと言うことだった。


大和は弾薬などの補充を行い出港した。

トラック島へ進みながらも日夜励んでおり少しずつ人も兵器の一部となり米陸軍の士官はここまで訓練をするものかと

「クレイジーだ日本人は」

と繰り返していた。

暴風の通過があり大和はびくともせず大和ホテルの面目をたもち、周りの輸送艦と米駆逐艦4隻は木の葉のように揺られており艦橋から心配そうに見ているしかなかった。


暴風の後は真夏のかんかんでりラムネとアイスクリームはフル回転、冷房が利いている中は涼しくたまに艦橋の一番上にある防空監視所に上がると暑さが身に染みてきた。


ようやくトラック島に到着すると各国の戦艦がおり壮観な眺めであり、大和の大きさに他の艦艇から乗務員が飛び出してくるのを見ながら浮きドックに入るといくつかの不都合点を修理することになる。


南大平洋指令部へと向かいハルゼー提督の執務室にドルツ中佐と共に出頭すると、葉巻を吸いながら

「長門はあいつに取り上げられたがあのでか物はお前が艦長だ、あそこでわめき散らしているやつらにみせつけてやれ」

そう私にいたずら坊主のような笑顔で言うので、

「サルの勤勉さを見せつけましょう、各国の水兵に見せつけてきますよ。」

そう軽口を叩くとブル(ハルゼー)が大笑いして頷いた。

その夜は歓迎会が開かれ各戦艦の艦長が一堂にかえしてハルゼー提督の威勢のいい発言に笑いながら過ごした。


1週間で浮きドックから出ると戦艦は一斉に出港し艦隊行動を確認しながら相手の戦艦の癖を見ながら艦隊行動を続けており、大和は舵が利いて曲がり始めるまで少し間があり先手をとって動かないときつい。


イタリアは練度不足なのかうまくいかずハルゼーの怒った顔が思い浮かぶ、

マッカーサーはフレッチャー提督の指揮下の戦艦と長門やその他旧世代の戦艦を並べブリスベンに迫る黒い軍団を砲撃させ、B-29で爆撃をさせるとシャーマン戦車を先頭にシドニーへと反撃を開始した。


我々もそれの援護のために出港して南下を開始する。

ブリスベン沖を通過して目標地点まで到達したがマッカーサーは更なるペースで南下を続けておりハルゼー提督の罵りが聞こえてきそうでドルツ中佐と苦笑いするしかなかった。

半日後どうやら敵戦艦と遭遇したらしくひたすら援軍をと送信してくる。


最大戦速で進み、速度は大和の27ノットにあわせ進み続ける。

地平線に黒い煙が立ち上ぼり徐々に見えてきており、煙突も見えてきたが敵はまだ見えない

陸ではシドニーまで約300km勢いに乗る米陸軍は数で押し込んできたが海での敵の反撃により進撃が停止中、マッカーサーはGHQ指揮官命令でハルゼーに再度海での進撃を申し渡したらしい。

私は零式観測機をカタパルトから2機出射して砲撃の着弾観測をさせる。


ようやく地平線に見えてきた敵に向かい最大射程で46cmを砲撃するべく距離のカウントを聞く。

42kmの射程をほこるが訓練の中では300mほどばらけ、さらに着弾まで80秒になるため命中は望めないが先行している艦隊に援軍を知らせるための先制打のため42kmを切った所で射撃を命ずる。


轟音と共に一番二番砲塔が射撃を開始する。

ハルゼーから怒りの言葉でも来るかと思ったが、

「よくやったガンガン射ちまくってくらわしてやれ」

そう通信が入りストレスの塊で火の玉親父の異名を持つハルゼーからのストレートな言葉を貰う。

カウントを続け着弾の時間になり艦橋の望遠鏡をのぞく。

「80」

そうカウントがされた瞬間黒い姿の敵戦艦のまわりに水柱が上がり奇跡的に1つ着弾したようで火柱が上がり速度が落ちたように見える。


「次弾装填」

そう言われ砲術長に発射を一任する。

轟音と共に射つとイリノイ等も最大射程で砲撃を開始しておりハルゼーの闘志が伝わってきそうだ。

後方のヴァンガード等はまだ射撃はできない。

後方の敵戦艦を狙った次弾は狭叉しており修正を砲術長がかける。

ようやく長門が見えてきたので確認すると艦橋に命中しており沈む危険は無いが破壊されており砲撃は続いていた。


敵戦艦は見えるだけで19隻そのうち大和が2隻にダメージを与えている。先遣の護衛の旧戦艦は14隻いたはずだが9隻しか見えなかった。

30kmを切ると私は右舷に変更して敵戦艦と先遣艦隊の間に割り込もうと変更する。

レーダーは敵戦艦を映し出さず目視での砲撃になり、大和以外は砲撃の散布が広く荒れている海で安定がしていないようで、大和はバルジが大きく張り出しており安定性は格段であり今も命中弾を与えて水柱が収まると敵戦艦は誘爆を起こして波間へ消えていった。

ようやく横っ腹を敵に向け第三砲塔も砲撃を開始する。


大和にも命中するが大きな音と共に砲弾を弾いていく。

お返しはすぐに行い水中弾を見込める八八式徹甲弾に切り換え攻撃を続けていく。手前で水柱が上がり一呼吸後敵の水中バルジ部分で水柱が3つ上がると左に傾斜して横転し始める。

大和に命中した一弾が大きな音と共に後部の副砲に水平方向から命中したようでひしゃげて使い物にならず、誘爆を防ぐために弾薬庫に注水を行い砲撃を続ける。20kmを切ると兆弾でバルジ上部に命中するが弾き返す。後方のヴァンガードやジャンパールそしてイタリアは命中弾は少ないが上部構造にダメージを受けた。


始まって二時間は経過して大和も高角砲等が破壊されたが問題はなく、敵は全てが波間に沈み、私は目標を変更して三式弾で陸上の敵戦車への砲撃を開始した。

黒いシャーマン戦車の上に子爆弾を破裂させ広域を凪ぎ払い、後にはスクラップしか残らず見える範囲の敵を駆逐していく。

マッカーサーもハルゼーもシドニーを取り返すことには意見を一致させており、長門等の修理を必要としている戦艦以外はそのままさらに南下をしていった。


どう言う物なのか敵が引くと黒い霧も引いていっており、海岸から見える木々は枯れており人の気配はない。

私は情報がほしいと思うが開示はされないだろうと思いながら霧を追ってシドニー湾内へとイリノイを先頭にして入港する。

マッカーサーより先に入れたことにハルゼーは満足しており、無人となったシドニーは歓喜の声もなく寂しく迎えられた。


主砲などの弾薬の補給を始め、外洋では機動艦隊が補給の間警戒に当たっていると偵察機から敵P-51そしてB-29の編隊がこちらへ向かっていると言う話でありその数百機になると言う。

補給と副砲の修理をあきらめ燃料補給も中途半端にしかできず他の艦と共に湾外へ次々と退避をはじめる。

北方へ輪形陣を組むこともできずバラバラに進んでいく。

最大戦速にしたいが燃料も少なく遅々として進めず私は防空監視所にあがり南から迫っているB-29の機影を見つめるしかなかった。


シドニーは黒煙が上がり死者は出ていないとはいえやりきれず、空軍も必死に迎撃をしているが敵機が多すぎてそのまま突破してきた。

私は第三砲塔に三式弾を装填させ最大仰角にさせる。

こちらへじょじょに迫っている空飛ぶ要塞、味方なら頼もしいが敵で来るには暗い気持ちにさせた。


最後尾の駆逐艦が対空砲を打ち上げはじめ大和も砲撃を開始する。

3000mの高さなので次々と撃ち落とされていくが爆弾の命中率も当然あり次々と後方の防空駆逐艦や防空巡洋艦が爆弾をくらい水柱の中へと消えていく。

第一艦橋へと皆で戻ると艦橋からも黒い空が近づいてきており命中したのか振動で揺れる。

副官が

「蛇行させ回避させた方がいい」

というが何処に切れ目があると言うのかわからず、燃料も心配なので直進させる。


最後部のカタパルトやクレーンなどが破壊されていき報告が上がってきており艦橋にいる米海軍士官は顔を青くしていた。

次第に艦橋をかすめ爆撃機が前方の海面に落ちていき爆弾の雨が着弾して、高角砲等にもあたり煙と炎を吹き出し副長が

「ダメージコントロール」

そう叫ぶ、しかし爆弾の雨はやまず主砲塔に落ちるが跳ね返され爆発し目の前の視界をふさがれ、なにがどうやらわからなかった。


どのくらいたったかわからないがようやく攻撃が終わり大和を見てみると、砲塔は健在だがそれ以外は煙をあげており不発弾と思われる爆弾も転がっている。

私は第一第二砲塔に三式弾を射つように指示しながら他の艦艇を確認すると随伴の艦艇は跡形もなく、ヴァンガード、シャンパールそしてイタリアは黒煙をあげながら徐々に速度を落としており上部構造は無惨で艦長以下乗組員が生きているとは思えない状況である。


先行している戦艦も次々と黒い波にのまれていき黒煙と爆発の光だけになっていった。

先の3隻は12ノット程で後方から追ってきており前方からはイリノイとケンタッキーも黒煙に包まれておりイリノイは舵にダメージを受けたのか左側へと回りはじめてしまう。

イリノイはそのまま回ると直進しているイタリアに接近していき艦橋から悲鳴が上がるがそのままイタリアの側面に衝突し金属の悲鳴が聞こえる。


私は駆逐艦や巡洋艦はおらず助けられる艦は居ないので反転を指示して衝突地点へと向かう。

大和クラスは止まるまで何kmもかかるのでゆっくりと近づいていき、ようやく止まり無事な内火艇を下ろすと状況の確認に向かわせた。


手旗で航行には問題なしと言うことで損傷を応急措置すると出発する。10ノットも出せずにゆっくりと航行するとポートモレスビーに数日後に到着すると浮ドックをアイクがまわしてくれており被害が少ない大和とケンタッキーを優先的に入渠させた。


陸上にある司令部へと出頭すると包帯を巻いたハルゼーがこちらを見て黙っている。

椅子へと促され座ると今回の報告をハルゼーの副官が読み上げる。

敵機は7割は撃墜したと言うことで戦艦も全滅、戦車も壊滅させメルボルンも黒い霧から解放され後はアデレードだけという状況であり今回の作戦はこれだけなら成功という事だが損害を聞いていくうちに暗い気持ちになる。


まず陸軍だがシャーマン及びM-26戦車隊は9割の被害、兵員も7割は死傷しておりマッカーサーはシドニー壊滅の時にはBー17に乗ってからくも逃げ戻ってきた。

空軍は迎撃に出した戦闘機は半数の被害でおさまっている。


海軍は壊滅的で、補助艦艇は数隻のみ空母は軽空母を含めこの海域には一隻もいなくなり、戦艦は一番ましなのは大和とケンタッキー、残りは中破以上で戦線に復帰するにも3ヶ月はかかると言うことでイタリアはもっとかかるかと言うことであった。

艦長以下も艦橋ごと破壊され動けるのは私以外おらずハルゼーの沈黙もそういうことであった。


沈黙して時間が過ぎていくが誰もなにも発せず目の前の床を見つめるしかなかった。

廊下で誰かが走っているのか大きな音が響き渡り私をと言うか室内の人全てをイラつかせる。

ドアの前で止まるとノックがされ士官が入って来ると敬礼をして副官に書類を手渡す。

中を読む副官は固まりハルゼーを見る。


ハルゼーは顔を真っ赤にして書類を引ったくり内容を読むと両手でテーブルを叩きつけ、

「あのくそやろうの元帥は狂ったか恐怖にかられ勝ちを急ぐために愚かなことをするなんて、アイクに連絡を取れKKKのばか野郎のトルーマンに日本のようにサインさせるな。」

そう顔を真っ赤にして部屋を出ていき私は書類を拾うと、マッカーサーがポートオーガスタとアデレードに原爆を落とす事を本国に打診していると言うことで、ハルゼーは原爆の使用は日本の時でも反対をしており止めに走っていったようだ。


私は浮きドックに入った大和に戻るとレーダーや通信アンテナ、副砲や対空砲など壊れてないところを探す方が大変であり、煙突も半壊している。

アメリカ海軍のドック責任者が修理はどうすると聞かれ、かわりのない副砲は取り去り鉄板で上を塞ぐように、レーダーと通信は修理を頼み煙突を修理できるぶんで頼んだ。


日本でなら一年はかかりそうな修理も1ヶ月で終わらせると言われアメリカの工業力に感心しながら乗務員の休息と負傷者の移送を確認するとハルゼーと共に雲の上の人となった。

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