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出航

艦長たちがそれぞれの鑑に戻り、長門もドックに入渠して外された煙突やマスト、夜戦用の探照灯を設置しアメリカ軍のレーダーや通信機ボフォース 40mm機関砲などを装備して対空防御は格段に性能が上がり、アメリカ規格に部品を入れ換えたため最大速力も2ノットほどあがりなんとか駆逐艦についていけるかと言う速度になった。2ヶ月半で改修を終えると(今回は砲身の交換は間に合わず)残りの1ヶ月で集結した1300人(装備が変わり定員が減ったため)の訓練が始まり、相模湾の沖合で射撃や厚木航空隊の力を借りて対空戦闘を繰り返しまさしく月月火水木金金と土日が無いように繰り返し行い私も自宅へ帰ることも出来ず手紙のやりとりだけになった。私はバーク少将が現場に出てこず文句ばかりに終始しているのを知っていたがあえて改善せず訓練に集中した。

改修が終わった酒匂や駆逐艦も合流してきてふたてに別れて実戦さながらに夜戦を繰り返し、葛城も航空機を積み込み予備機は高速輸送鑑に積み込み横須賀へと回航されてくる。陸に久しぶりに上がるとバーク少将を訪ねず指定の日時までには完了する事を伝えると、「真面目だけが取り柄のお前らが足を引っ張るようにならない事を神に祈るだけだ」といい、出航3日前に乗艦をするので艦長室と幕僚のための部屋を開けるようにと副官から言われ了承していると幕僚の一人である大尉が部屋に飛び込んできて、

「ソ連領のバイカル湖畔東のイルクーツクにオーストラリアと同じような黒い霧が現れソ連は交戦状態でありスターリンから補給と救援をアメリカ合衆国政府に求めてきた」といい、バーク少将は

「スターリンの秘密主義で火消しが失敗したからと我々に援軍を要請するとは日本人と同じくぞじょやくにもたたん」そう私を見ながら言うと、GHQにいってくると出ていってしまった。


私は同時に2ヶ所でおこったこの状況に敵は何なのかなんの目的なのかと思いながら部屋を出て電話で外務省に電話をしてイルクーツクについて聞くと直ぐにはわからないが資料を明後日までに届ける事を約束して、ノール中尉にはアメリカ海軍で知っている情報を集めて報告してくれるように頼むと長門へと戻る。艦隊の乗組員は久しぶりの休みに近くの町へと繰り出し楽しんでいるようで長門の艦内は当直以外はおらず静けさに艦橋へとエレベーターで上がり周囲に停泊している日本やアメリカの空母、重巡洋艦、駆逐艦をながめながらハルゼー艦隊が半壊した相手に何れだけのことが出来るのかと考え、敵の情報が意図的にこちらには伝えられてなく、ハルゼー艦隊の戦闘状況の報告書を手に入れなければと思いバーク少将に申し入れようと思いながら艦橋から降りて今日は誰もいないので明け渡す予定の艦長室でカレーライスを食べると家族に手紙をかきおわると就寝した。


翌日は艦長室から機関長の部屋に移動すると、ノール中尉に少将の戻りを聞くと明日の夕方まで戻らず明後日の乗艦にあわせてくると言うので私も自宅へ戻ることにして横須賀駅に送ってもらうと汽車に揺られながら昼過ぎに品川の自宅へと到着する。家の中はにぎやかであり

「ただいま戻りました」そう言うと子供四人が大騒ぎしながら「おかえりなさい」と大きな声で出迎えてくれまことと母親が後ろから声をかけてくれる。父親は仕事に行っており明日までゆっくり出来ると言うと皆は喜んでくれた。


町中の様子を聞くと闇市がたち食料も中々手に入らず、我が家は土蔵の食料があるので助かっていると母親はいってくれる。今回は補給のチョコレートと酒そして肉を持ってかえっきたので子供たちはチョコレートの初めての甘さに喜び、母親とまことは久しぶりの肉に大喜びをした。

夜はノール中尉から習ったステーキを網焼きの木炭で焼いていると父親が帰宅してきたので大騒ぎをしながらご飯を食べ終わり、父親と母親とまことにあらためて座ると国家機密でこれから言うことは口外せず内緒にしていくよう言うと皆同意をしたので、

「終戦後にオーストラリアとソ連で人ではない不明なものと交戦になりアメリカ軍もかなりの被害が出ており日本からも長門以残存艦隊で出撃をすることになり私もアメリカ軍の大佐としてアメリカ軍の指揮下でむかう。どんな敵なのかもわからないが帰ることもなかなかできないだろう」と伝えると父親は黙って沈黙してしまい母親は泣きながら何でお前がといい、まことは私をまっすぐ見つめ泣くのを我慢しており私が見つめているとさらに我慢を重ねていた。

夜は両親が気を使ってくれ夫婦水入らずで過ごしながら必ず帰ってくる事を伝えなが夜は更けていった。


翌日朝早くに家族に見送られながら自宅を出ると電車を乗り継ぎ横須賀へと到着すると鎮守府にはオーストラリアとソ連の情報がきており、アメリカ軍の情報部からも同じ様に情報を貰った。

それによると敵が現れた時季は同じのようで、ソ連のスターリンは直ちに貴下のドイツにいた戦車をシベリア鉄道で送り込むと同時に、降伏したドイツ軍を強制的に徴兵して次々と送り込んでおり抵抗を継続しているが敵はその範囲を広げており隣接するモンゴルにも被害が出ていルということだが、それ以上の情報はスターリンにより隠されているようで不明であった。

オーストラリアも範囲を広げておりアリススプリングやメルボルンそしてタスマニア島が黒い霧に飲み込まれており、首都であるアデレードには各大平洋方面にいたアメリカ陸軍も上陸して反撃に備えており、アメリカ海軍やイギリス海軍も集結し反撃をするためグランドクロス作戦を発令し我々の出向の頃に作戦が始まる予定であった。


夕方にバーク少将は横須賀へと戻ってきたようで明日朝には予定道理乗艦するので館長を集めるようにと指示があり、私は各艦長に明日朝には長門に集結するように伝えその日は報告書を読みつつ就寝した。

翌朝軍楽隊の演奏と共にバーク少将は幕僚と共に乗艦すると集まった艦長と共に作戦会議と言うよりはバーク少将の日本嫌いな演説に終始しており、私はこれからの作戦について頭が痛いと思いながら聞いている。

バーク少将は満足したのか幕僚たちと自室へ引き上げていくと私は昨日のオーストラリアとソ連での状況を話しているとノール中尉が書類をもって入室してきて私に渡してくれ、それにはハルゼー艦隊の戦闘報告書であり私は感謝しつつ艦長に読み始める。

ハルゼー艦隊はシドニーへ護衛した陸軍を揚陸させたあと南下しはじめ、タスマニア島とメルボルンの間にあるバス海峡へと入り進むと偵察機から敵艦隊発見の報が知らされる。

ハルゼー提督は喜びながらただちに航空隊を差し向けた。

敵艦隊の上空に達したが上空は黒い霧がかかっており航空機が中に入ると視界が悪いのとエンジン出力低下に見舞われてしまい攻撃は失敗してしまう。

それを聞いたハルゼー提督は空母群をシドニー方面へと引かせると旗艦ミズーリや戦艦サウスダコタを率いて敵艦隊へ突撃する。

敵艦隊より先に砲撃を開始しサウスダコタを先頭に攻撃を始めレーダーでの砲撃がうまくいかず目視での砲撃にきりかえて攻撃を始める。

敵に先制攻撃があがるとハルゼー提督ははしゃぎだし沈めまくれと騒いだぐらいであり、このまま押しきれるかと思っていたが敵の砲撃が開始されサウスダコタに次々に命中したときに戦況がかわった。

命中を食らった戦艦サウスダコタが急に面舵をとりはじめ急減速したため慌ててミズーリは取り舵で回避をはじめたため隊列はバラバラになりミズーリの右舷へ戦艦ウエストバージニアが衝突してしまい、その後方でも衝突が起こり大混乱を起こしてしまう。

サウスダコタは集中砲火を食らい大破してしまい、ミズーリは横に穴が開いてしまったが耐えており退避を試み成功したが艦橋に数発砲撃が命中してしまいハルゼー提督は重症を負ってしまい、ウエストバージニアもミズーリを守るため破損した船首をものともせず戦ったが敵の砲撃を船首に命中するとさらに速度が落ち何発もの命中弾を食らってしまい沈没してしまった。

後方のコロラド等も次々に撃沈されてしまいミズーリと数隻の駆逐艦だけがようやくシドニーへと退却したと言うことであり、敵はトレッドノートなど旧式と思われる鑑で編成されているようでそれでなぜ新鋭と言われたミズーリなどが敗れたのかと言うことであり、陸軍もメルボルンに移動して防衛任務についたが海戦があった翌日の夜攻撃にあった。

照明弾をいくつも上げたが霧にのみこまれ前方がわからず次々と黒い人形をした兵士と戦車が突入してきており、対空用のサーチライトを水平に当てて辛うじて重機関銃で数度撃退したが次々と襲いかかる闇の軍団に劣勢は否めず放棄し首都であるアデレードに退却を余儀なくされ、兵員十万ほどが半数になり辛くも退却を行い陣地を構築して首都防衛に入ると共に援軍を本国に求めたと言うことであった。


艦長たちは私の話が終わったあとも沈黙してしまい各自目を閉じたまま考えにふけってしまう。私はため息をひとつつくと航空機が有効でなくレーダーもダメと言うことで兵士一人一人の能力が重要でありソロモン海戦の夜戦での我々の能力が重要になると伝えた。

各艦のアメリカ軍のレーダーや対空砲等の様子を聞くとTVヒューズによる対空能力の高さに皆驚いており、艦隊に近づくのも困難な状態での雷撃に次々と僚機を落とされた我が航空隊の無念に沈黙してしまう。

とにかく先ずはアメリカ海軍の艦隊の後方に別動隊として輸送艦隊の護衛任務と共に先ずは進むことを伝えた。

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