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第11任務部隊

翌日ノール中尉がジープ出迎えに来ると私は横須賀には戻らず厚木飛行場へと向かうように頼んだ。艦隊には空母葛城がいるが乗せる艦上戦闘機と艦上攻撃機そして何より空母に着艦できる飛行士がいないため海軍では一番と思われる厚木で召集をかけられればと思いながら到着する。厚木飛行場は以前とは違いプロペラを外された戦闘機等が無造作に並んでおり墓場と表現するのか分かりやすい状態であった。

私はただちに飛行場を管理しているアメリカ軍の将校に面会を求め飛行士と整備員を早急に集めてもらうようにお願いして、燃料やプラグ、配線など日本製とは月とすっぽんのアメリカ製を集めてもらえるように頼み揃い次第横須賀へ連絡をお願いして、ジープに飛び乗ると一路長門の待つ横須賀へと帰って行った。


横須賀に入るとまず横須賀工廠に向かい長門の修理と改造のため設計局の人間と工員を集めるように指示し準備ができ次第長門をドックにいれる事を伝えた。責任者である日本人の大佐はいきなりの申し出にあっけにとられた顔をして一緒にいたノール中尉の顔を見て頷き返されたのでようやく手配などを始めてくれ、1週間後にはドックに入れてくれる事を約束をすると戦中何度も修理や補給の陳情をした補給部の大佐に長門の41cm主砲の船相手の鉄甲弾と陸上相手の榴弾と空中相手の三式弾そして交換用に呉鎮守府にある主砲の砲身の輸送と副砲弾の準備を至急に手配すること、輸送はアメリカ海軍が担当するのでノール中尉に頼むように指示をするとようやく長門に戻る。


長門の乗員30名を集め「貧乏クジを引かせた戦いに戻ることになった。乗員が戻るまで受け入れ準備を始めてくれ」


そう言うと伊藤曹長を含めた下士官は嬉しそうな顔をして各部署に散っていき威勢のいい声が久しぶりに長門に響き渡り、私は艦長室に入るとノール中尉と長門の補修と改装について希望をGHQに伝えてもらうように頼んだ。


そしてこの一週間で日本にいたアメリカ海軍は次々と出航していき、長門の乗員の再集結を行いながら厚木飛行場からの要請によりノール中尉と共にジープに乗り向かう。厚木飛行場に到着すると航空機の墓場ではなく並べられて整備が始められており活気がみなぎっておりバラックでできた作戦室に入ると飛行士が揃っているが人数が足りない横にいた飛行隊の副長菅原中佐が終戦時の降伏によしとしなかった指揮官が青年将校と反乱を起こし収監されていると説明を受け、私はノール中尉に青年将校を戦いに参加することと階級降格を引き換えに元隊復帰できるように依頼した。菅原中佐は私に礼を言うと皆を着席させる。私はオーストラリアでの現状の説明と長門を旗艦に空母葛城を随伴していくので戦闘機と攻撃機そして偵察機を定数50+2と本来日本海軍の運営ではなかったが上甲板にも20機のせて運用することを告げ空母の離発着出来き腕も経験もある飛行士を推薦するように菅原中佐に頼み、使用する航空機はどうするかと言う問題になったが零戦52型では私は古すぎることで反対し、艦上戦闘機烈風が物になるかもわからないのでアメリカ海軍のコルセアを使うことも考慮していると私が名古屋から呼んで貰った人物が丁度到着したと知らせてきたので、私はすぐにきてもらうように言うと、グレーの背広を着た民間人で眼鏡をかけて気難しそうな印象の人が案内され入ってきた。


菅原中佐は知っているのか顔を見た瞬間に嬉しそうな顔をして、

「堀越さんお久しぶりです。貴方も呼ばれたのですね」と言いながら互いに握手して私に気がつき「すいません、つい嬉しくて」と言いながら私の後ろへ下がった。

私はこの人が零戦の設計技師であり烈風の設計者なのかと思い握手をしながら

「始めまして責任者の長門艦長金谷です階級は日本海軍の軍服ですが立場上アメリカ海軍大佐になります」そう言うと堀越さんは目を丸くし周りの士官と下士官はどよめいた。私はきにせず

「今回来ていただいたのは終戦直前まで開発が進められていた烈風改の生産をアメリカ海軍からの資材提供により予備機を含め40機を4ヶ月で準備してもらいたい」と言うこと、

堀越さんは「量産は終戦の前日に完成はしており、資材などがあれば名古屋の三菱工場で準備をして間に合わせます」

そう約束してくれたので菅原中佐に厚木飛行場の飛行士と整備員そしてその他の基地の古参の整備員を名古屋に集結するように伝えて、ノール中尉にはブルドーザーを手配して三菱工場に隣接する場所に飛行場を設営することと呉で修理費入る空母葛城を

終わり次第名古屋に回し機種変換訓練と習熟を行えるように手配を頼んだ。

そして艦上爆撃機として流星が長崎県の大村市で生産されていたと堀越さんから教えられたので生産再開の手配と爆弾はアメリカ製品を使用するように伝え30機を納めるように伝え受領のための厚木からの飛行士の手配を頼み、後は偵察機も中島での生産を8機頼むことにし、特に問題がなければ機銃などもアメリカ軍の規格であるブローニングM2機関銃に設定するように言うと堀越さんは少し考えたあと搭載する数を増やして対応してみる事で了解した。

私は「4ヶ月間は忙しく寝る暇もないと思うがたのむ」そう言うと、皆は「戦うしか脳がない我々に生きる場所を与えてくれるのだからむしろ感謝します」と言ってくれた。

GHQからは後日連絡員(監察官)を派遣することを伝え堀越さんにそれとは別に九州で震電と言う局地戦闘機が開発されていたのでよければ物にしてほしいと欲を伝えると横須賀へと戻る。


横須賀では今回上官となる第11任務艦隊の指揮官と幕僚が到着しており私は急ぎ打ち合わせをするため面会を求めた。横須賀鎮守府の司令官室にフレッチャー中将は幕僚たちとおり私が敬礼をし挨拶すると軽く頷き座るように言った。

私はソファーに座ると早速報告をと言われたので戦艦長門・空母葛城・軽巡酒匂・駆逐艦は9隻そして戦闘機は烈風改40、爆撃機流星改30、偵察機彩雲8が第11任務艦隊の兵力になりますというと、フレッチャー中将はやはり少なすぎると言うと自分の指揮下にあった艦隊から戦艦2空母2軽空母7軽巡3駆逐艦18を中心としてそこに金谷の艦隊を組み入れ第11任務艦隊とすると言われ私も頷き同意した。

そのまま今度は各艦長が集まっておりその説明を行うため敬礼をし出て1階の会議室に向かうと途中海軍大臣である米内大臣と司法大臣の岩田殿がおられすぐ横の貴賓室に引っ張りこまれてしまいそこで米内大臣に

「貴官のしていることは法律を無視し国民を危険にさらすことになるいかながことか」

と詰め寄られたので、現状はGHQが最高位の司法でありそれに従い行動しているし私は今はアメリカ海軍の大佐なので問題はないと思われるがと言うと、それを知らなかった大臣二人は青い顔をして「それはおかしいではないか、そんな事は許されないはずだ」と言うので

「私は終戦間近に米内大臣が長門などをソ連に売り渡し燃料等を対価として受け取ろうとしたのは法律に引っ掛からないのですか」そう言うと青い顔をして「それは」と黙ってしまったので、「後付でもよろしいのでアメリカ軍の指揮下で平和維持のため派遣する臨時法案を内閣としてつくってほしい、給料は自動的にGHQから請求されると思いますからよろしくお願いします」そう言うと言いたそうな大臣二人をおいて会議室に入っていった。


会議室には空母葛城艦長宮崎大佐、軽巡酒匂艦長大原大佐、そして各駆逐艦艦長が揃っており今回なぜ出撃するかと言うことと、敵がレーダーに映りにくいと言うことでレーダー抜きでの夜戦で期待されていると言うことを駆逐艦艦長は皆嬉しそうな顔をしており、今日から3日間アメリカ軍からの情報の提供と指揮官の紹介指揮下での注意点などを行うこととし長門へと皆を連れ出し長門で酒宴を行い親交を深める。

翌日は指揮官の挨拶があると言うことで待っていると入ってきたのはフレッチャー中将ではなくおでこが広くこちらに敵意を撒き散らした大佐であり立ち上がり敬礼をすると

「何でおれがお前たちと一緒に艦隊を組まなければならないんだ戦争に負けた奴等に」といきなり言葉であり副官が慌ててアーレイ・バーク大佐であり戦時階級で少将に任命され分艦隊司令として着任したと言うことであった。

私は同じ名前の駆逐艦があったなと思いながら嫌日本派のアメリカ将校かと思いながらフレッチャー中将が宛にせずお荷物と思っておりニミッツ提督からの命令にかなり不満なのだとわかり、これからの補給などにかなり制限がつけられるかなと思いながらバーク少将の言いたい放題を聞きながら最後に「私は日本海軍など何にも期待していない、我々の邪魔をせず大人しくすることを願う」そう言うと出ていってしまい、我々はしばらく何も言わずに座っていたが宮崎大佐が「我々の力を見せるまでは致し方ない、臥薪嘗胆で結果をだしこの屈辱をかえそうではないか」そう言うと皆頷き闘志を新たにした。

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