第6話
カク●ム投稿済み7話までアップします。ヨロシク
※ レッサリー国王 レッサリー王都近く裾野 盗賊団アジト
そうね、お腹が空いてるのは俺のせいかもね?「いや、おめえだ」みたいな目をこっちに向けながら、馬が高そうな果実を優先して食べている。ウマウマや
いや葉っぱはどうした?贅沢する時でもそこは野菜じゃないかな?干し草は無かったんですぅ。
「ああっ」
その辺に生えてる草ですかそうですか。果実は貰ったから食べてるだけ?しかも少食だったりする。
そうねそうかもね、何時でも貰えるとか思わないから食べ過ぎたりしないのね。
よし、俺も何かを作って食べよう。これ良く忘れるからな。
じっくりコトコトと麦を煮込んでから、ふやけた感じに見えたころへ適当な大きさに切った野菜と調味料をぷっ込む。味の主張をするのは麦だから問題なし。
何か麦粥っぽく成ってる感じ?求めてねえ。
けっこうな量の麦を見つけたけど麦殻状態が殆どで、脱穀されている・・食べる毎にしてた訳だろう、それを見つけた。
食べるの俺だけだから問題ないし、生き残っている盗賊達は水だけにしてある。馬以下ね。
「うぎゃ」「ぐげぇ」「うごぉぉ」「うんぎゃー」っと、気絶してます振りの奴等を何度も攻めといた。うん、目が死ぬまで何度も。
王都の衛兵に自分達が盗賊だと自白しないと、この場で死ぬ事に成ると言い聞かせながら。勿論、そのお手伝いは団長の首が担ってくれていた。
大変だよ、状態維持を掛けないと腐るだろうから。目でも転がり落ちたら、戻すのも大変じゃん。目でもいいなら食べさすって言ったんだけど、今はまだ限界に来てないらしい。
生目玉・・放置してたら崩れ始めてた。重力に負けたのか?でも状態維持で無事です。横にしたら奥に沈んじゃうかも?ぷすっと刺しても水風船みたいな破裂はしないね。
食われた。俺が作った麦粥らしき物が、集まって来たトカゲみたいな爬虫類に取られた。
遠慮なし!わらわら集まって来たから何だろって思ってたら、回りでわらわらと俺の様子を見てたのよ。
なのでふうふうして少し冷ました麦粥をちょっと上げたの。
その後がヤバかったわ。俺もそこそこ食わないとって、奴等と凄く争っちまった。だが負けた気がする。煮込みに使った鍋までしっかりペロペロしとる。
だが肉食って訳じゃ無いらしい。アジトの食糧に合った肉は食べない。もう面倒になったから、危険そうな固焼きパンと野菜の第2弾を振る舞った。
固焼きの金属音がなんだよこれって思ったわ。膨らみ拘らないから、いきなり焼くナンみたいのあれでも食べれるのに。堅くてイーっ顔は美味しくないって皆が納得しちゃうよ。煮込みスープでふやかして食べるとか言われても、トカゲに無理をさせんな!
あっ、俺の背に乗るのはなしな。忘れて横に成ったら潰しちゃうから。えっ、そんなに弱っちくないって?そんな事言われたって尻尾まで入れても30cmは無いよね?摘まむとぐにゅぐゅだし、間違って握ったら全部吐きそうだぞ。
もっともっそり太ったハムスターだって、気付かれずの圧迫死事故は多かったから。小鳥を飼う人が減ったから、ハムスター事故が吐出したんだなきっと。
小鳥に病気がとか噂が広まったけど、売りが頭打ちに成ってハムハムの切り替えの為のデマだったかも?
まあこの場限りのトカゲの心配より、王都に向かう時に共にする馬が問題だ。なんせ6頭ってどうなの?彼等が引く馬車が3台・・屋根付きの小ぶりで良さ気な少人数用は、この先用に状態維持を掛けて収納して置く。
そこそこ使えそうな屋根なし荷車っぽいのと、回りの枠が壊れた・・これほんとに荷車じゃね?
4輪だけど俺が望んでる物じゃない。人が引っ張る感じの引手の部分があるし。そうか実用車は1台・・馬6頭、まあそこは御者が俺一人だから仕方なしだな。
引馬2頭にお共4頭?馬車脇に連れて行くと幅を取るから後方に配置しよう。何かが襲って来たら、後ろ脚で蹴散らして貰おう。
「ウゲェ!」
汚い声は落下死したおサル、今更ざまあだ。なんたってこいつら、俺達全員をこの洞穴に閉じ込めてる訳だから。
俺の昨日の機転を褒めてあげたい、6頭の馬達をこっちに移したのは正解だったわ。馬糞臭い?気にしたら負けだ。糞用の場所に横穴を広げたし、ここから移動する前に処理しとこう。
今日の出発は日の出と共にの筈が、馬鹿サル達が立ち塞がる・・ぶら下がり塞がりだったけど、洞穴のずっと上だったから対処も不可能だった。
燻した?燃やした?朝食を作ったとも言う。馬は勿論トカゲにも不人気な肉を、どんどんと料理し洞穴の前へと押し出した。
そこに群がったのが洞穴共生の虫達、やつらに空気読め!は通用しない。だが細切れ肉を増産してあったので、お持ち帰り専門の虫達は臭いを巻き散らして運んで行く。
感知圏外のはしのはしに微かに掠った最初の一匹へ、目掛けジャンプしながら
「・消失」座り込みで料理してた俺は、突然跳ねるアホな子の姿をトカゲ見られてしまった。
筈いけど再ジャンプ!数度で又一匹と地味攻撃を加えて居たら投擲スキルをゲット。
3匹目の落下死で獲得したらしい。
いざ投擲!手頃な石を握って外に飛び出し見上げれば、サルの残影もなし!トカゲ達の視線が痛い。
落ちている8匹のサルが、今回の騒動の群れってとこか。サルなのに顔が赤くないけど、憎たらしいから熱湯ショック死の刑にした。
目を剥いてじゅうじゅう音と共に死亡し、経験値加算で死んだ事を理解した。軽業スキル・・木登り予定は当分ないな。
出発が遅れに遅れトカゲに最後のご飯を配り、盗賊のアジトから移動を始めた。馬車引き用の馬達の鞍が合ったので、引く馬に問題は無かったが共馬はロープで我慢して貰う。
挙動不審の馬達に不信を思いつつ、何かの閃きから鞍の荷物に混ざっていた馬用の仮面を見つけた。ああ、視野を狭くして心配を減らすためだ。小心者の馬心臓は、何でも怖がるからな。俺を齧る事は平気らしい。
お尻から鼻で突っつくのは止めなさい!どっきりびっくりでお尻の穴がキュンとしちゃうから。
割愛!割愛!割愛!って事でどんどん進めると思ったのに、何度もゴブリンの襲撃に合ってたりする。多くね?でも3匹~5匹くらいだと、でっかいグループって訳じゃ無いのかな?でも持ち持ちだよ、現在の在庫が30匹以上なんだぜ。
過剰在庫は値崩れ間違いなしだ。いや、そうでもない?アルアルの世界じゃ、常時討伐が推奨されてたし、取引価格は銅貨数枚だもの。
耳切って持ち込み価格がそれか!視線が刺さったら死んで欲しい。
「ウギャギャ!」出現をそこで土下座プス、ぐるっと刺し回ったら血の噴射が終わったのを確認しつつ収納。耳切り面倒で進み優先。業務ロボット爆誕。
馬の白眼視が俺を抉ってくる、だがゴブリンに慈悲など無い。2日間の移動で王都に到着出来ると聞いたが距離を消化した感じがしない。
そんな不安を払拭しそうな、山間?移動中にそれらしい幅の川を見つけた。遮る木々の無い川の向こう先に何かの建造物がちらちらしている。
ほんの一部に大きい建物の上部らしき物が見え、延々と横広がっている壁はきっと城壁ではなかろうか?
目指していた王都、そこが最初の目的地でもある。どう見ても2日で辿り付けそうではないが。
密集して生えている木の根元の周りに、拾い集めた石や壁やらで防波堤を作り野営を熟す。拾い集めた資材を初日に捨てて来たら、2日目の野営は無理だった。だって、あれから3日も朝を迎え、もう直ぐ城門らしき物が見える場所に到着です。
※ レッサリー国王 レッサリー王都入検問所前
「おい、お前!その荷台に乗っけている奴は何だ?」
「何だと聞くお前こそ何だ?こいつ等は盗賊だ、城門の兵士の所で素直に自白するから命だけ助けてくれってよ。死に残りだけど、逃げてる盗賊の面が知ってるから使えるんだよ。こいつ等の事で言い掛りって事は、口封じにでも来たのか?」
「はっ、馬鹿!ちげえよ」
「なら近寄んじゃねえ!逃げてる奴等のせいで盗賊団の壊滅にならねえんだ。お前等なら2人ほど多いけど、間に合いに出来るから盗賊に成っとけ」
「知るか!ふざけんな!」
ちっ、逃げやがった。盗賊だが冒険者だろうがたいして変わりゃしねえのに拘りやがって。
つてかさ、門までの行列が長い・・しかも3列もあるし。まあ、ちょっとずつしか動かないから、共の馬達の世話が出来て悪い事ばかりじゃないけどな。逃げた冒険者は何処に行ったのかと探せば、中に入るのに簡単な検査で済む入り口へ向かっている。
最初にここで並んだ時に、あの門は身分証持ちじゃないと使えないと商人達に教わった。見た目?冒険者登録した奴等は、持っているタグが身分証明の代わりなんだと。
未成人を舐めたらいかんぜよ!並び直しが侘しかったけど泣くもんか。俺の頭の上にあごを乗せる馬さん?優しくしちゃダメな時もあるからね。
慌てて俺のステータス・・うん、身長に変わりなし!ほんと信用出来ないから、勝手に変わらないようチェックしないと。おっ、レベルが47まで上がってる。何か強そうな熊もプスっとしたし、ゴブリン三昧にサルも仕留めたからかな。
あんまり覚えてないけど熊のレベルは50の後半だった筈だ。相手の2割ほどがこっちにバックなのかもな?盗賊の返還がしょぼいけど。
先ずは王都の中に入って一息しなきゃ。これからイベントの開始に成るだろうから、自分の能力も再確認しとかないと。
ああっ!目の下にクマ的な認識阻害も施さないと。身バレは厳禁!誰も知られてない俺だけど。