7 ポンコツ令嬢学校へ行く
7 ポンコツ令嬢学校へ行く
「ではノヴァンシュタイン公爵令嬢。私の後に続けて読んでください。
Nel 1658, l'Impero Nandeca e il Regno di Andalusia firmarono il Terzo Trattato di Pace. Con questo trattato, il Regno di Andalusia concesse l'indipendenza al Regno di Nandeca.」
エリザベートの家庭教師であるサウス夫人が教科書を読み上げていく。
「ねるいーれ、みーれせん…。」
後ろで見ていたカミーユはこれはまずいと思った。
カミーユ嬢は今日もエリザベート令嬢の家に呼ばれて来た。カミーユが学校でもトップの成績であると聞いたエリザベートはちょっと勉強を教えてほしいと言われたのだ。
王国では義務教育で15歳まで学校に行くことが定められていたが、慣例として学校の代わりに家で家庭教師の授業を受けることが認められている。
従来、貴族たちは家庭教師で勉強を受けてから、15歳で王立学園の試験をうけて初めて学校に通っていた歴史があり、今も貴族たちは優秀な家庭教師を子供につけるのが普通であった。義務教育用の学校は貴族以外の子供たちが行くものだったのである。
カミーユはまず貴族が受ける授業ものがどういうものか知ってから、エリザベートの勉強のアドバイスをしてみようと思った。
もし、エリザベートの成績が悪いのが続けば、萌え活などやめなさいとエリザベートが親に言われかもしれない。萌えを布教する仲間のためにカミーユは人肌脱ぐことにした。
そして、家庭教師のサウス夫人の許可を得て後ろで見させてもらっていたのである。
カミーユは思った。何これ、帝国語で書かれた教科書をずっと一緒に読んで覚えていくだけ?ずっと同じとこを繰り返し読んでいる。
カミーユは元々勉強できる方で教科書を読むだけでほとんど理解できる方ではあったが、この授業がエリザベートに合わないことがすぐ理解できた。
前世で勤めていた病院には病気の子供のために授業を教える教師が来ることがあった。その教師は子供たちの理解度に合わせてわかりやすいプリントを作っていた。その教師が「ただ、教科書を読ませるだけではダメなんですよ」と言っていたのを思い出す。
「コンフローネさん。」
「は、はい」
口を出さないならと授業を見ていいと言われていたので、急にサウス夫人に話しかけられたカミーユは慌てた。
「あなたはここの部分読めるかしら?」
サウス夫人の持っている教科書を渡された。
「はい。Da allora, il regno si è sviluppato con una propria cultura. Nell'industria, ad esempio, gli orologi e…」
「まあ。綺麗な発音ですね。ノヴァンシュタイン公爵令嬢のお友達としてふさわしいですね。」
「ありがとうごさいます。」
カミーユはああ、そうかと思った。サウス夫人は王宮から送られてくる家庭教師。エリザベートの様子を王宮に報告しているのだろう。だからエリザベートの平民である友人も報告事項なのだろう。
誉められたのは嫌味でなさそうだったので、サウス夫人は基本中立的な人なのだろう。
「さあ、ノヴァンシュタイン公爵令嬢、同じところを読みましょう。」
「だのーら、いっるれ…」
カミーユはエリザベートが苦労して読んでいるのを見ていた。
授業が終わった後、サウス夫人が帰るとノヴァンシュタイン公爵が入って来た。
「パパ、どうされましたの?」
「エリザベートがコンフローネさんに勉強見てもらいたいと言ってたからね。パパも気になったんだよ」
ノヴァンシュタイン公爵はカミーユの方を見て言った。
「どうでしたか?コンフローネさん。授業の方は?忖度無しに言っていいですよ」
怖いなとカミーユは思った。前にエリザベートには別に公爵の契約取れなくてもとか言ったけど、実際にお取引先の社長に忖度なしに言えるわけがない。
相手は貴族でも最も位の高い貴族であるし。
しっかし、エリザベートの父ちゃんは若くてハンサムだなー。
「そうですね。まず、こちらからお聞きしたいんですが、貴族は帝国語で授業を受けるのが普通なんでしょうか」
「そうだよ。義務教育用学校では違うのかな?」
「サウス夫人はこのやり方の方が必要なことも覚えられるし、帝国語も勉強できて一石二鳥だからと言っていましたわ」
これが普通なのか。エリザベートにはこのやり方は全く合っていない。どう見てもエリザベートは帝国語は苦手なのだ。
しかし、伝統ある教育法はお宅のお嬢さんには合ってませんよと伝えるのは貴族のプライドを逆撫でするかも知れない。
「そうですね。一般市民はまず帝国語が子供の頃からできる子供はほとんどいません。なので授業は王国語ですすめます。もちろん、帝国語は共通言語なので帝国語ができるようになるよう外国語教科として習います。」
「学校入る前から帝国語ができないのに、授業で帝国語ができるようになるのか?5歳までにある程度できてないと難しいのでは?」
なるほど。貴族は早期教育でないと外国語がマスターできないと思っているのね。
「確かに子供の時から帝国語にふれていたほうが発音などで習得に有利ではあります。
でも、成人してからも外国語は習うことができるんです。
特に学校という場は様々な子がいるので、文字の発音から文法までとても分かりやすいように教科書がつくってあります」
あなたの子は帝国語初心者ですとかとらわれてないよね?とカミーユは心配であった。
「そんなに学校の教科書は分かりやすいんですの?」
と興味をもったエリザベートがカミーユに聞いた。
「ええ。子供の興味を引くように、文字だけでは絵や図を用いていますし、読みやすいと思いますよ」
「しかし、王立学園をトップで卒業したサウス夫人の授業だぞ。学校の教師に劣るとは思えないのだが。」
おそらくノヴァンシュタイン公爵は貴族式の勉強でも困らなかったのだろう。
「勉強ができることと、教えるのが上手いことは別なのです。学校の教師は授業の教え方を高等学校で習います。何度も何度もプレゼンしあって、どの教え方が分かりやすいか議論しています。」
「うーむ」
公爵はまだ納得できないようだった。大体勉強できる人は勝手に勉強する。だから勉強する方法に問題があると言っても分からないのだ。
「お父様。私、学校というところがどういうところか見てみたいですわ。今まで身分の高い貴族とばかり交流していましたけど、いつか王妃になるならそれではいけないと思いましたの。一般市民がどのように授業受けているか体験してみたいんですの」
いくら娘に甘い公爵でも、貴族の令嬢というのは本来なら人前にそんなに出てはいけないとされるので、許可は難しいだろうとカミーユは思った。結婚まで屋敷からほとんど出たこともない令嬢もいるのだ。
しかし、公爵がすぐ駄目だと言わないところをみると、公爵も娘のやる気をなんとかしたいのかもしれないとカミーユは思った。
「私の学校はどうでしょうか?ジェントリが通う私立学校で女子校なのです。平民ですが、医師や地元の名士の子女が通うところです。」
「まあ、女子校なら。」と公爵は言った。
「ありがとう、パパ!」
こうして、エリザベートは親のコネと寄付金で学校に通うことになった。
カミーユの学園は制服はないため、生徒たちは皆私服である。裕福な子女が通うこの学校の中でもドレスのエリザベートは目立っていた。
学校に転入したエリザベートは感涙していた。
「分かりやすいわ。この教科書。私でもあっという間に読めてよ」
「泣くほど?」
とカミーユは聞いた。
「そうですわよ。カミーユも見たでしょ!帝国語で羅列された文字しかない教科書を。文字も小さくてぎっちり書かれているし見にくいんですもの。」
カミーユは先生にお願いして、数学年分の教科書の貸出の許可をもらって良かったなと思った。
「カミーユ、その人転校生?」
級友に聞かれたカミーユはエリザベートを紹介した。
「そう、本物の貴族、エリザベート様だよ」
「おーっほっほっほ。エリザベート・ノヴァンシュタインですわ。よろしくお願いしますですわ」
「わー、すごい。貴族と初めてしゃべったー」
「エリザベート様、こちらユミエラ・マルコスです」
「ユミエラです。貴族って本当に扇子持っているのね。」
「そうですわよ。貴族の女子はみんな持ってますわ」
「へー。」
「ねえねえ、ノヴァンシュタイン公爵家と言ったら王子様の婚約者なの?」
「そうですわよ。私、レオナード王太子殿下の婚約者ですわ」
「きゃー、すごい!」
「エリザベート様、そろそろ行きませんと。」
とカミーユは言った。エリザベートは学年が一つ上なのだが、カミーユが以前からの知り合いだから先生から学校の案内を頼まれていたのだ。
「カミーユのお友達たち、ご機嫌よう」
「ご機嫌よう。エリザベート様」
思ったよりエリザベートが学校に馴染みそうだとカミーユは安心した。エリザベートの高飛車キャラがクラスメイトたちに面白いのかもしれない。
エリザベートも貴族なのにくだけた口調で話しかけられても気にしないし、結構寛大だなとカミーユは思った。
学校に通いだして数ヶ月後。
「Il regno ha avuto attriti commerciali con i Limbers a causa dell'equilibrio tra importazioni ed esportazioni.」
「まあ、ノヴァンシュタイン公爵令嬢。滑らかに言えるようになりましたのね」
とサウス夫人がエリザベートを褒めた。
「頑張りましたわ、私。」
とエリザベートは自慢げだ。
それを後ろで見ていたカミーユは心の中で拍手していた。
エリザベートは本当にこの数ヶ月頑張っていた。
特に苦手な帝国語を一から勉強しなおしていた。
ウワサって当てにならないな。とカミーユは思った。
エリザベートは勉強もせずに遊んでばかりとウワサされていた。でも、本当はがんばっているけどやり方が間違っているせいで結果が出ないだけだったのだ。
笑顔でサウス夫人の質問に答えるエリザベートを見て、カミーユは自分自身が教えるより、学校や教師に頼る方法を選んで良かったと思った。
ある日、カミーユはノヴァンシュタイン公爵家の晩御飯に呼ばれた。
最初は貴族とのディナーなど失礼があるといけないのでとカミーユは断ろうとしたが、家族の食事なので気にしないでと言われた。おそらく、エリザベートの成績が上がったお礼だろう。
今日はノヴァンシュタイン公爵、エリザベートの義兄エストワール、エリザベートがカミーユを出迎えた。公爵夫人は用事があるとのことだ。
緊張する。本物の執事が公爵にワインを注いでるよ。今の身体が大人なら飲めたのにとカミーユは思った。
「サウス夫人が褒めていたよ。エリザベート。」
「カミーユが学校紹介してくれたおかげですわ、パパ」
「私は何も。エリザベート様ががんばったからです。」
「教育の方法が違うだけでこんなに成績が違うとは思わなかった。貴族はみんなあの勉強法だから、コンフローネさんが言うまで分からなかったよ。改めてお礼を言うよ」
と公爵は言った。
「最近、学校はどうだい。エリザベート。」
「クラスの皆さんも色々教えてくださりますわ。みんなで授業を受けると色んな意見が聞けて面白いんですの」
と言った。
「それで、カミーユ聞きたいことがらあるの。」
「なんでしょうか?」
「カミーユはお父様の商会を大きくしたのでしょう?何か経営のコツとかあるのかしら」
「エリザベート、食事のときに話す内容じゃないぞ」
とエストワールは言った。
「いいじゃないですの。今はママはいないんですもの。今の王妃様は領地の経営されてたんでしょう?私も予算管理とかいつかはしないといけないんですもの」
カミーユはエリザベートはこっちが本題なのだと思った。最初に会った時雇ってやると言ってたのは、勉強でなくて、経営についてだったのだろう。
でも、まずい。
超まずいんですけど。エリザベートさん!
いくら王妃の真似しようとか言っても、公爵も跡取りもいるのだからエリザベートが経営する必要がない。つまり、本当は公爵家の経営が大変ということだ。
家族の食事の時は、特に婦人の前ではビジネスの話をするのはマナー違反。エリザベートは公爵夫人がいないから話してもマナー違反ではないということをカミーユの手前で言ったのだろう。
おそらく公爵家の経営状態は後者夫人に秘密なのだ。
エリザベートはカミーユをご飯にさそいつつ、本心は経営のコツを家族の前でちょっと教えて欲しいのだろう。
これ、私のお礼のディナーでしょう?!なのに何で公爵の前で試されるようなことをするの!いや、本人なりに公爵家の状態は悟られずに簡単なアドバイスをもらおうとしたのだろう。
でも、経営とは簡単ではない。公爵と跡取りがいるのに素人のエリザベートが下手に経営に突っ込んだら大変だ。どっかで聞きかじった儲け話をやってコケた話は五万とあるのだ。
公爵の経営状況について気づかないふりして、あとは何と答えるべきか。カミーユは頭をフル回転させた。
領地経営と商会経営だと色々違うだろうし…
「そうですね…。私も経営についてはまだ父から習っている身なので教えるのは難しいんですが。
経営は色んな視点で見るのが大事です。
例えば、従業員の給料を増やすのはお金の損ですが、長い目で見ると退職が減って、退職金や新たに入った人の教育費がかからない分、得になります。」
「あら、じゃあ私がこの前したみたいに待遇を上げるのも長い目でみればお得なのですね」
よし。つかみはオッケー。
「私たち商人は安く買ったものを高く売ることで儲けています。」
「それは良いことですの?」
「遠くからものを運んだり、物を作るその手間賃としてです。それには馬車台や運ぶ人、作る人の給料も含まれています。そして儲けたお金でまた人を集めて商売するのです。」
「コンフローネさんの言うとおりだよ、エリザベート。人を雇ってくれるところが増えれば、それだけ領地も栄えるんだ」
と公爵は言った。
「そうです。そうやって商業を発展されていくんです。そして一番大切はお金の流れですね。」
「お金の流れ?」
カミーユは人材育成や商品開発も大事だとは思っている。しかし、それを言ったところでノヴァンシュタインの経営状況がすぐ変わるわけではない。
経営者はいつも同じ悩みを抱えている。どんなに利益を出していてもだ。
「そうですね。例えば…お皿。一枚のお皿の原料は50フニエルで売ったときの値段が100フニエルとします。儲けはいくらでしょうか」
「簡単ですわ。50フニエルですわ。あ、もしかして作る人の給料とか考えないといけませんの?」
「なかなか良い線言っています。
では材料を買ってからお皿を作り、売るまでどのくらいかかりますか?」
「ええ?すぐにできるわけではないですよね。焼いたり模様をつけたりするから。」
「はい、陶器の皿ですと作るだけでも1ヶ月以上かかる皿もあります。それに作ってすぐ売れるとはかぎりません。
ではその間のお金の支払いはどうしましょうか。原料を買ったお金も払わないといけません。
エリザベート様がおっしゃったとおり、職人たちにも給料を払わないといけません。」
「どうするってそれも考えてお金を貯めとかないといけないということかしら。」
「それが近いです。手元にお金がなくなったら経営者も従業員も生活ができなくなってしまいます。
それに借金で原料を買っていたら銀行に毎月お金を返さないといけませんね。」
お金が入るまでのタイムラグ。これはいつも経営者を悩ませているものだ。
横で聞いていたエストワールが言った。
「そうか。利益が出せても支払いが間に合わなくなることがあるんだ。不渡を二度とだしたら銀行取引ができなくなって倒産してしまう」
「え、お義兄さま。儲かっていても倒産してしまうなんてことありますの?」
カミーユは頷いた。
「公爵令息の言う通りです。支払いができなかったら倒産してしまうんです。だから、いつも手元に支払えるだけのお金がないといけないんです」
「ずっと気にしないといけないんですのね。」
「そうなんです。建物とか土地などの資産があっても、すぐにはお金にかえられませんし」
「それでは、お金持ちでも倒産してしまうことがあるってことですのね。」
公爵が
「ではエリザベート。建物や土地を借金の担保にしていたらどうなると思う?」
と聞いた。
「担保とは何ですか?」
「お金を貸すかわりに、もし払えなかったらこれをあげますというのが担保なんだ。担保がないとお金を貸してくれないんだよ。」
「ええ?それでは借金していて倒産したら建物も土地がとられてしまいますの?もう、私めまいがしてきそうですわ。」
「フフフ、経営者って頭の中は今月の支払いが払えるかということでいっぱいなのです」
とカミーユが言った。
「わーお、カミーユの目が死んでいますわ。軽くホラーですわ。」
「商会の経理を手伝った時は毎日次の支払いのことばかり考えて大変でした。今は支払う日と支払ってもらう日をそろえてもらったので管理が大分楽になりましたね。」
今のは苦労話に見せかけた経営のヒントだ。
「なるほど、よくわかりましたですわ。勉強せずに始めたら大変なことになると。
今の私には無理だとよく分かりました。」
よし、これでエリザベートは今は経営など諦めたし、ノヴァンシュタイン家のアドバイスにもなった。
「私、すごい商品を発明すれば儲かるとばかり思ってましたわ」
「みんなそう思っていますよ。私だって何か一山あてたいと思ってます」
とカミーユは笑った。
「これだけ難しいなら経営の学校とかあればいいのに」
とエリザベートが言った。
「経営の学校ですか?そういえば簿記会計を教えるとこはありますが、そういった学校はないですね。どこかの商会に入ってそこのやり方を習うか、独学しかないですね。
それならうちの商会で経営セミナーをやってみようかしら。うちはかなりマニュアル化されていますし、教えるのが上手い社員も多いんです」
「あら、良いですわね。私受けてみたいですわ」
「コンフローネさん、それは他の貴族向けもできるだろうか。」
と公爵が話に入ってきた。
「商会から貴族が習いたいと思うでしょうか」
「貴族限定の会員制とか言ってプレミアをつければいい。実は経営に困って没落する貴族が増えているんだ。一次期、投資ブームや副業ブームで慣れないビジネスに手を出したものが多くてね。国の問題にもなっているんだよ。なんならうちの公爵の名前を出してもいい」
もし、税を徴収する人がお金に困ったら。カミーユは善良な人でもお金に追い込まれたらどうなるか見てきた。
公爵が言うように貴族たちは結構困難を抱えているのかもしれない。
貴族を束ねる立場の公爵が言うのだから、本当に深刻なのだろう。
「分かりました。父に相談してみます」
とカミーユは答えた。
エストワールが
「でも、エリザベート。そんなに勉強して大丈夫か?
王宮のマナーレッスンに家庭教師、学校も行っているだろう?それに経営のセミナーなんて勉強のしすぎではないか?」
と言った。
「おーっほっほっほ。いつも勉強しなさいと言われるのに勉強しすぎと心配されるなんて。王妃様がマナーレッスンと家庭教師の方は減らしてくださいましたの。学校がんばってとおっしゃられたわ」
「ははは。確かにエリザベートに勉強しすぎなんて言うなんて今までなかったな。あんまり無理しないようにな」
「はい。お義兄さま。」
最初はお礼のディナーなのにと冷や汗かいたカミーユだったが、新たなビジネスができそうでエリザベートに感謝したのであった。