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薬剤師の語る薬剤史  作者: つても
2/2

各論 ロキソニン

佐々木さんはロキソニン知ってる?


--!


まぁもちろん知ってるよね。

この薬局なら…そう、そこ。普通薬のラ行あたりだよね。

……あれ、違う?引き出しに?

あ゛~マジか、もうほとんどジェネリックに変更するから下げられたのか。ちょっと寂しいね。

と、そういうことを言いたいんじゃなくて、これって普通薬だよね。

じゃあセレコックスは?あ、ごめんごめん、セレコキシブのほうが新人さんには通じるだろうね。


----、-----。


そう、セレコキシブは劇薬だ。この違いってなんだろう?


---……----?


そう、乱暴に説明すると、たくさん飲むと危ないっていうのが劇薬だ。

でも…実際にたくさんってどれくらいかな?


-------、---------。

----?


偉いね、素晴らしい。劇薬か普通薬かっていうのにはある程度の基準がある。学校でそんな授業あったっけ?もう忘れちゃったよ。

急性毒性が300mg/kgとかだっけね?もしくは他の要素も込みで劇薬とされちゃうわけだ。


---、-----。


まぁグダグダと長い前置きで申し訳なかったね。オッチャンの話ってこんな感じだから慣れときなよ?おじいちゃんおばあちゃんの話はもっと長い時が…ってまた話が逸れた。

ロキソニンの話に戻ると、昔ロキソニンって劇薬だったんだよ。


-----!


お、そういう反応はオッチャン嬉しくなっちゃうな。これからもよろしくお願いします。

そう、ロキソニンって元々は劇薬で、市販薬化スイッチOTCとも言うね、されるときに普通薬に変更されたんだよ。

当時も思ったなぁ、劇薬って一体なんなん、って。

とまぁ、これ以外にも市販化されるから劇薬から外しますねって言う薬はたまに出てくる。

ちょうどこの春にも1つあったね、何の薬か調べてごらん?まだこの引き出しの中に赤文字で在庫してると思うよ。

加賀さんにこれは普通薬ですよ!棚換えしてください!ってドヤってみたら…嫌?

法的には劇薬と普通薬は区別しておかないといけないからね、恥ずかしいとかの問題じゃなくて薬剤師の責務だよ。頑張って!


--、------。


また次に来たときにどうなってるかは確認するからね、よろしく。

……あ、ロキソニンの話を続けとこう。

市販化されたと言ったけど、最初はそのまま調剤に使っていた60mgが入っているヤツが出た。薬剤師としては使い慣れた薬だし、万々歳だったね。変な成分が入ってないからとっても説明もしやすかった。

その次に胃に優しいっていう触れ込みでプラスが出たんだ。

それを聞いたとき、ちょっと期待したんだよ?胃薬が配合されたのか!って。

ところが中身を見てみたら、酸化マグネシウムが33.3mg配合!!……………うーーーん、どうよこれ?ってズッコケた。

せめてレバミピドとかさ。よくあるでしょ?ロキレバ。

あ、レバミピドがどれだけロキソニンの胃炎を予防できるかは色々言われてるから調べてみてね。

んでもって次に出たのがプレミアム。嫌な予感はしてたんだけど見事にやられたね。

余計なアリルイソプロピルアセチル尿素なんか入ってて、しかもそのせいで1回2錠飲むことになるんだよ。

まぁこうやって市販化するとブランディングして色々と販売展開するようになるから、もともとのロキソニンちゃんはどこ…?ってなっちゃったね。


-----、---?


おお、いい時間になってしまった。

また様子を見に来るから、頑張ってね!

くだらない話を聞いてくれてありがとう、ちょっとでも佐々木さんの頭にロキソニンのことが残ってくれると嬉しいな!

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