魅力的なキャラクターの作り方
どうも皆さんこんばんは、茂樹修ことああああです。周囲からはよく「『話はともかく』キャラがいいね!」とお褒めいただく機会が多々ありましたので、個人的にキャラクター作りではこういう所を気にしてるよ、というのをつらつらと書いていこうと思います。
「なーんか俺の書くキャラ、パッとしないんだよな……」と思っている方の参考になれば幸いです。自分もよくそうなります。
1.なにはなくともわかりやすさ
エンタメ系の作品であれば、これが一番大事だと思っています。割と乱暴な言い方になりますが、知らん奴の過去とか葛藤とかどうでもいいですからね。キャラクターを決める時は「こいつはこういう感じだよ」と読者の方に一言二言で説明できるよう心がけています。
やれやれ系勇者だよ、庶民派お嬢様だよ、正統派アイドルだよ、捕まってないだけの性犯罪者だよ、などなど。属性+役割で説明出来るのがベターかもしれませんね。キャラクター的なテンプレもガンガン使って良いと思います。
……って書くと、「違う! 俺の好きなキャラはもっとこう単純なわかりやすいキャラじゃない! もっとアレがソレでナニが……こうなんだ!」という意見が出ると思います。そして僕自身、それは最もな事だと思います。ではどうやってキャラを深掘りしていくか? というわけで次の話です。
2.得意不得意と個別の課題
「アレがソレでナニがこう」なんて書きましたが、キャラクターの魅力的だと感じるのは作中で活躍している時だと思います。
作中で活躍している=キャラクターの能力が活かせている=読み手が魅力的だと感じる
みたいなイメージです。設定だけ「剣の達人」と言われても「ふーん」で終わりますが、その辺の棒で手練れをボコボコにするシーンなんかがあると「おっ」ってなる訳ですね。
なのでキャラクター毎に「何が出来て、何が出来ない」「作中で何をしなければならない」は決めておいた方がいいと思っています。得意な事で大活躍させてもいいですし、逆に不得意な事で困らせてもいいですね。また不得意な事を頑張って乗り越える様はまさしく王道展開ですね。
「よっしゃ! じゃあうちの子最強だからどこでも活躍させたるわ!」と思った方、残念ながらまだ話は終わっていません、続きます。
3.キャラクター毎の「マイルール」を決めよう
私事ではありますが、僕の作品にはよく変質者が登場します。厨二病的な『変質者†カワルモノ†』とかではなく、ガチで警察呼んだ方が良い方の変質者です。
さて、この変質者達ですが欲望の赴くままに行動している……と思われがちですが、それぞれのルールに則って行動しています。
今から最悪な例を出します。
「露出狂だけどネクタイだけは紳士の嗜みだからつけている」
「足フェチだから女性と会話する時は膝を見て会話する」
二人とも刑務所に入った方がいいですが、ただ露出狂、ただ足フェチと説明されるより、グッと信憑性が増しますね。こういうルールを日頃から目撃していると僕らは胸を張って言えるわけです、「いつか捕まると思っていました」と。
この話をしたのは何も僕が飽きて変質者大喜利をしたかった訳ではありません。「キャラの決めたマイルールから逸脱するな」という話です。
1のわかりやすさが即効性の魅力だとすれば、マイルールを守り続ける=キャラクターとしての実績を積み上げていくというのは遅効性の魅力だと思っています。
そのルールを破ってどこもかしこも登場からの大活躍なんてらやったら、「何だこいつ」ってなりますからね。
さて、いきなりですが実はこのマイルールは破ってもいいです。急に手の平返すなと言われそうですが、ここで僕が言いたいのは「出来るだけ大舞台でドラマチックに破れ」ということです。
やるならそれはもう徹底的に。博愛主義者で虫も殺せないキャラに、百人を救うため一人を殺させましょう。ネクタイはあの子の涙を拭ったから、全裸で強敵の前に立ちはだかりましょう。涙で濡れたあの子の目を、今際の際で直視しましょう。
こういうシーンで2に書いた「得意不得意と個別の課題」が絡んでくるとグッと来ますね。ジェンガは積み上げたブロックが高いほど崩れた時に美しいのは言うまでもないですからね。
ただまぁ、このルール破りをサブキャラまでやると話全体がとっ散らかる気はしますのでやるなら主要キャラあたりで留めておくのが良いのかな、とは思ったりもします。お話全体の構成や文字数と相談です。
この辺りが個人的に気をつけている、キャラクター作成時の注意点でした。1.2.3全てがピタッとハマると結構いい感じのキャラが出来るんじゃないかなって思っています。まぁ自分の場合はそれが変質者な事が多いですが……。
何はともあれ、何かの一助になれば幸いです。