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君の名は?

誤字脱字あったらすいません。

読みにくかったらごめんなさい。

 

「あの~ガイザーさん、そろそろ僕帰っていいですか?」



「あ、あぁ。。またな……」



「やった♪ じゃあまた明日依頼を受けに来ますんで!」


 と言い残してソウマはギルドの試験場を後にした。





「ちちちちっちちょ、ちょっと何なのよ、あの子!!!」


「あああい、いやその前に”” お、おい!ゼスト!!しっかりしろ!!」


「完全に遊ばれた。。。」


「ねぇ!!マスター!!! 何なのあの子”” ゼストが子供扱いじゃない!」


「お、俺だってこれほどとは……… 底が知れん…」


「ゼストの攻撃が全く当たらないばかりか、姿が見えないなんて。。」


「お、俺、、、自信なくすわ~。。。。」


「ゼスト、最後はどうなったんだ? もう俺たちではソウマの動きを目で追えなかった。。。」


「最後は、、俺もわからない。。苦笑 

 あいつ一瞬で消えたと思ったら、後ろから声が聞こえて、、、気づいたら空を見上げてた……」


「それだけじゃないわ。。ゼストの剣も折られてる。。笑」



「・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、凹むわ~~~」



 --------------------------------




 トタタタタ



「結構時間喰ったな」


 商店街を走りながら時間を見返す。もうすぐ酉の刻だよ。まだあの子は宿屋の前に居てくれるだろうか。。宿だってまだ取ってないし、完全にゼストさんが原因だね。俺だって最初は本当に面倒くさかったんだよ。やる前ってのは何でも面倒くさいもんだよね。でもやり始めると誰よりも楽しんでる自分ww きっとその気持ちわかる人多いと思うww ゼストさんとの勝負に思いの外楽しんでしまったのは誤算だった。最後はゼストさんの剣折っちゃったけど俺が弁償しないとダメ? でもまぁ勝負仕掛けてきたのはアッチだから見なかった事にしとこう!



 考えてみればゼストさんとの勝負は、俺にとって初めての対人戦だった。初体験ってやつw ゼストさんってそもそも戦いが好きなんだな。とてもいい経験だったと振り返る。



 ***************************

 まずギルドマスターが審判という立ち位置で判断してくれることになった。相手にケガをさせないようにっていう条件で勝負は始まった訳だが、ゼストは勝負が始まったらそんな事お構いなし。

 ニーナとジェイドはかなり焦っていた。やはり加減知らずのようで踏込み方が半端なかったから、何か身体能力向上のバフでもかけてたんじゃないかな。ズルいわ~。

 でもそんな猪突猛進の攻撃に当たる俺じゃないよ!

 剣を持って突っ込んできたゼストの勢いに合わせて回転するように回避。通り過ぎるゼストの後頭部に一撃を入れると、そのままヘッドスライディングで倒れていったw 回避から一撃を入れるまでの間、約0.3秒。 もう何が起きたかわからないよね。


 笑いながら立ち上げるのを待っていると、


 ガバッ!!  


「お前、今なにした?」


「ただ回避しただけですよ。一発入れさせて貰ったけどw」


「マジか。素早さは俺より上って事か。一瞬で決めてやろうとしたのに。。。

 ソウマ、お前ってすごい奴だったんだな。

 だけど、ちょっとムカついたぞ!! 

 じゃあ、、、俺が使える一番の魔法をお見舞いしてやる!!」



 ゼストを包み込むように眩い光が広がっていく。


「ソウマ、これは俺が魔物の群れと戦うときに使う広範囲魔法だ。どんなに早くても広範囲なら回避出来ないだろう? ただ、、少し時間をくれ」


「ゼストッ!!! あなたバカなの!? いくらソウマが速いって言ったってそんな魔法使う場面じゃない!!」 

「そうだ!!少しは考えろゼスト!!!」

「あなたソウマを殺す気!??」



 焦って止めようとしている2人にゼストは、



「大丈夫だよ。ここは強力な防御結界が張られてるだろうが」 なんて言ってる。


「本当バカ!! 誰が自分たちの心配したのよ! ソウマの心配をしてるのよ!!!」




「じゃあみんなが心配しないように、俺も魔法で対抗しますよ」と言い放ち、闇魔法を展開させる。



 といっても俺はすぐ魔法放てるから、準備することもないんだが。。。




「お前は闇属性だったか。俺たち相性悪いなw」

「違うよ、俺は全属性扱えるから」 


「「「「・・・は????」」」」



 いや、みんなでハモるなよww



「何言ってるソウマ、それはあり得んぞ。」

「そうだよな。多く扱えても2つの属性ぐらいだよ」

「大きく出たなソウマ、ぬははは」

「アホ2人!! そんな事よりも! 逃げなさいソウマ!!」




 え~~~マジでか。俺すっげー奴じゃん、それ。

 ニーナさん心配してくれてありがとう。でも大丈夫だから。苦笑




「ねえ、そんな事よりまだ魔法打たないの? 俺魔法を打つのに準備いらないからいつでもいいんだけど」



「な!? それも俺を動揺させるためか? 今からだと俺の魔法にはついて来れないだろ! 動きが早くても避ける場所がなきゃ意味がない!行くぞ」



 そう言ってゼストは剣を頭上へと突き上げた 『ブレイブランス!!』



 その瞬間、強い光塊が槍のように俺に向かって降り注ぎ始めた。 

 眩しいし、、剣を突き上げるとか恥ずかしいだろw

 



「そもそも避ける前提なんだなw」


 そんな独り言を言いながら静かに魔法を展開させる。『ダークネスウォール…』


 前世での記憶だと、宇宙空間にある物の全てを飲み込むブラックホール。そんなイメージで更に作り上げた俺のオリジナル魔法だ。広範囲魔法を放ってくるなら、広範囲防御で迎えないと。



 ゼストの光と俺の闇によってどこか違う世界へ誘われて(いざなわれて)いるように試験場は包まれていた。そして段々とゼストを纏う光が小さくなっていくのを確認し、魔法の維持を解いた。

 そしてもう一つ魔法『シャドー』を施して上空へジャンプした。



「何でいつもの爆炎が出ないんだ? いやその前に、いつの間にか空間が暗い?」



 ゼストの『ブレイズランス』は無数の光の槍が降り注ぎ、着弾すると爆炎を起こして広範囲にダメージを与える凄い魔法だ。そんな強力な魔法に絶対の自信をもっていたゼストだったのだが、どうにもいつものような効果が出ないことにゆっくり剣を下す。



「なぁ、ソウマ」

「・・・・・・・」

「おーい、ソウマ!」


 周りは薄暗いが、ソウマの影は見て取れる。



「おいっ!! ソウマ!! 返事をしろ!!!」

「はい!何ですか?」

「は?」


 トンッ



 

 気づくと、ゼストは試験場の地面に寝ころび空を見上げていた。

 目の前に居たはずのソウマの影が消えて、その瞬間後ろからソウマの声が聞こえた、、、


 そんな光景を場外で見ていた3人は言葉を失っている。何に絶句してるかわからないけど、姿は見えなかっただろう。

 種明かしは『シャドー』で自分の偽物を残して上空に飛んだだけ。更にゼストの後ろに降り立つタイミングでシャドーを消せば、周りは消えたように見えたかな?ww プラス剣を折っておくサービス付き。

 まぁ純粋に剣術勝負なら神速スキル使ったけど。


 ****************************




 振り返った勝負に笑みを浮かべながら宿屋への道のりを急ぐ。過ぎていく商店街に目を見やると飲食店以外は閉店しているようだ。お酒を飲む人の夜はまだまだこれから。。。




「ちょっと急ごうかな」  なんて『月夜の光』までちょっとスピードを上げようかと思っていると


「おーい、坊主ーー!」



「あ、串屋のおやっさんだ!」トタタタタ


「お前さっきからあっち行ったり、こっち行ったり何してんだ?」

「あ~ちょっと野暮用w そーだ、おやっさんもう一回この串を温めてくれよ」

「おう、もう店仕舞いだがそれぐらいならいいぞw」



 おやっさんに袋を渡して温め直してもらう。もしあの子がまだ宿屋の前に居てくれたら食べさせてあげるんだ。きっとお腹を減らしてると思うから。食事は温かいのが美味しいからね♪ 

 おやっさんに串を温めて直してもらいお礼を言って急いで宿屋へ向かう。もうすぐ看板のある十字路だ。あそこを曲がれば宿屋の前ぐらい見えるはず。。。



(いた!あ、でも帰ろうとしてる”” スキル使えば間に合うか)


 そう言って手で印を結ぶ。そんな必要ないんだけどねw 前世からの憧れってやつww

 忍者と侍とかカッコイイよねw


 『神速!』

 シュッ!!





 キュッッ!


 着地した地面には足跡が残り、俺たちの周りにはどこか焦げくさい匂いが広がっていた。

 

 ミサンガを片付けて帰ろうとする所にいきなり現れたもんだから、さっきまで無表情だったその子もさすがにビビったみたいww

 


『キャッッ!!』


(あ、女の子だったんだ。)



「驚かせてごめんね”” 僕はソウマ。君、名前は??」


 

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