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王都の街並み

誤字脱字があったらご指摘お願いいたします。

(お腹減ったな。。。)


 ギルドマスター/ガイザーさんからの色々な問い詰めを上手く?躱して、やっと解放された。

 さらにギルド内の冒険者面々に見つかるとまた面倒くさそうなので、裏口から出させてもらうことにした。

 もう馬の刻後だ。日本時間でいえば午後6時程かな。〈前:AM/後:PM〉

 たぶん話を聞いてると十二支が時間ってことだろう。



 昼食も食べずにギルマスに捕まっていた為、そりゃあ腹の虫も鳴るわ。

 空腹からか色々なところからいい匂いがする。

 本当なら『マールの瞳』で食事したかったけど、今日は色々と面倒くさそうだ。




「何でもいいから何か早く食べたいな」 そんな独り言を呟いて裏口を出る。




「はぁ~~~♬」


 そんな気の抜けた声を出したのも、この街並みだ。



 ギルドの裏口とは言っても、流石は王都。

 商店が所狭しと建ち並び、人々の活気さが街の中心だと感じさせる。

 さらに石畳みに街灯といった組み合わせがまた良い雰囲気を漂わせているのだ。

 普人族がほとんどだが、他種族もチラホラ居るし、カップルや酔っ払い・老若男女問わず人々が行き交う。



 今度チャンスがあれば、自分も美女と腕を組んで歩く!という目標を一つ掲げるソウマ。

 が、何よりも今はメシだ!!!!!




(うーん、レストランなんかも気になるけど今日はちょっと冒険者に会いたくないし、第一お店の相場がわからない。手持ちのお金もさっきギルドで貰った分しかないからな。 やっぱりここは屋台だろ!)



 討伐したギガボアは解体所に預けたが大型の魔物は当日中の査定は無理だと言われてしまった為、ギルドから銀貨10枚ほど借り受けたのだ。まぁギガボアの素材は高額になるから査定から差し引けばいいだろう。屋台なら手持ちの心配をする必要もないし。

 そんな賑わう人混みをすり抜けながら、ひと際いい匂いを追っていく。

 誘惑されそうなお店もチラホラあるが、店の中には入らずに屋台を探していると


(見つけたっ!)



 行違う人たちに迷惑にならないよう注意を払いながら、身体能力だけで一瞬にして屋台にたどり着く。

 大丈夫。周りの人たちには見えないからww””


 屋台に着くと、手当たり次第に食べたくなる程いい匂いを振り撒き、周りの人々を引き寄せる。思い描いていた通りの串焼き屋台だ。たまらん。


(うわっ!何の肉か全然わからないけど絶対ウマいはず!間違いない!!)



「おやっさん!何でもいいからすぐに出来るやつを!」


「お!坊主、腹減ってんのか?w ちょっと待っとけw」



 おやっさんから串焼きを貰って、かぶりつく。

 う、うまい.... いや、もう何だってウマいはずww

 ハグハグハグハグング


「食べっぷりいいな、坊主ww 次のこれはどうだ?」



 ハングッ!


 うおぉぉお!さっきのよりも食い応えがあって、俺はこっちの方が好きかもしれない。肉汁もとめどなく溢れる。。。 超肉厚な豚バラみたいだな、これは。

 さっきのは鶏肉っぽいな。歳を重ねたらさっきの方がいいかもなw


 あぁ、これを食すだけで覚醒できる気がする。

 カロリー = 旨味 ・・・・ カロリー最高ww





「おやっさん! この肉は?!!」



「ハハ、初めて食べんのか?w それはケープオークだな。最初の串はコカトリスだな」



「ああ、こんなウマいもの初めて食べた気がするよw」



「大袈裟だな坊主ww 

 しかし親御さんが見えねーがお前一人か? 金は持ってんのか?」



(あ、そうか。周りから見たら俺はただのガキか。金額も確認してねーや)



「串1本…ングング……いくらだ?…モグモグ」



「コカトリスは青銅貨5枚。ケープオークは一番人気でな銅貨1枚だ」



(安い!!これならいくらでも食べれる。。。モグモグ)



「俺は一人だけど、金は持ってるから問題ないよ。。。ハグハグ」 と言って銀貨を一枚おやっさんに手渡した。



「おぉ、坊主から銀貨が出てくるとはなw もしかして冒険者か?」



「そーだけど、おやっさんわかるのか?」



「あぁ子供から銀貨なんて出てくるのは、冒険者か8番街の子供ぐらいだ。

 しかしおめぇさんには、ただモノじゃねーってオーラ出てる気がするってわけよw」



「ハハハ、買い被りすぎじゃない?」



「オーラは嘘だがw 格好がボロボロじゃないからな、何となくそんな気がしただけだ」



「しかし8番街ってのは金持ちでもいるのか?」



「知らねーって事は王都は初めてか? 逆だ。あそこは無法地帯だからな、坊主も行こうなんて思うなよ。追いはぎに会うかもしれんし、命があれば儲けものだ。もし貧相な子が銀貨を持ってるとしたら盗んだ金かもしれんな」



「なるほどね。親切にありがとうな、おやっさん」



「何てことねーさ。初めて王都に来たなら右も左もわからんだろうからなw」



「ありがとう、おやっさんいい人だなw あ、そーいえば俺まだ宿探してないから行かなきゃ。何本か包んでくれよ」



「そーだったか。じゃあまだ食べてない種類も入れといてやろう。先にそれを差っ引いたおつりだ」



「サンキューおやっさん。絶対また来るからさ♪」



「おう。ウマい串を用意して待ってるぜ!!! 

 そーだ坊主、宿屋ならこのまま真っすぐ行って一個目の十字路を右に行った『月夜の光』なんかがデカいから当日でも入れるんじゃねーか?」



「わかった!ぜひ行ってみるよ!」





 おやっさんから串の袋を貰って店を離れる。


(めっちゃ気に入った!! 串焼きもおやっさんの人柄も。あそこを行きつけにしようw)




 ------------------------------------



 串の袋を大事に抱えながら、商店街をウインドウショッピングしながら歩く。

 活気ある街並みはそれだけで気分を高揚させる。



 しかし。

 宿屋が見えない。。。

(やっべ!串が旨すぎておやっさんの言葉、話半分だったかなw)



 気付いたら商店街の外れにきてしまったようだが、まだまだを道行く人もそれなりにいるようだ。(道行く人に聞いてもいいけど)なんて考えていると十字路の一角に案内板を見つけた。



 ↑7番街南 【平民街南地区】

 ←7番街西 【平民街西地区】【8番街】

 ↓6番街北 【商店通り】【冒険者ギルド】       

 →6番街東 【5番街北地区】


 

(あれ?5番街だと思ってた。商店街って6番街だったのか。

 アチシの宿屋はいずこへ。。。)


 早くベッドにダイブしたい気持ちを抑え、来た道を戻ろうとしたが東方面も賑わってるのが見て取れる。結構出入りしている店もありそうだから情報収集も兼ねてと思い、賑わう方面へ足を向けて10分ほどだろうか、ひと際デカい建物が目に入る。



 『月夜の光』



 商店街を歩くのも楽しかったが、ギルドでの気苦労もあってか宿屋を見つけてドッと疲れが込み上げた。(これで泊まれなかったら本当に気持ちが病むw)という気持ちからか足早に宿屋に入ろうとするが、目を背けられない問題が発生する。


 どんな問題かって? だってさ、宿屋の前にとても裕福とは言えない服装の少年?少女?がいるんだもの。よくあるでしょ?男の子か女の子かわからない感じ。。。恐らく噂に聞く8番街の子かな、俺より歳は下っぽい。その日暮らしもままならないようで、自分で編んだであろうミサンガを売り物にしているが1つも売れていないようだ。


(俺こういうの弱いんだよなぁ~。。。)




 同情ってやつ?子供とはいえ気分良くないだろうけど、生きるために文句は言ってられないだろう。

 ってな訳で俺が初めてのお客様になってあげる♪

 とか思って声をかけようとしたら、



「おい。。。やめとけよ」



 声をかけられたほうに視線を向ける。

 そこには通り掛かりだろうか、3人の冒険者グループが僕とミサンガ売りの子に険しい視線を送っていた。男性2人に女性1人。


「なぜですか?この子が頑張って作ったであろう品は評価できるでしょう」



「そういう事を言ってるんじゃない。お前の気持ちがわからないわけでもない」



「ならどうして」



「…お前の名は?」 



「ソウマ」



「そうか。ソウマも見た目からすると成人には達していないな。教えといてやる。当たり前だがここは王都だ。もちろん王都は華やかで夢抱く場所でもある。しかしだ。現実はすべて実力主義だ」



 何が言いたいのかわからないが、黙って耳を傾ける。



「あくまで実力主義なんだ、この国は。

 8番街にいる子は大体が捨てられた子か、親が早死にして行く宛てのない子だ。運が良ければ教会に拾ってもらえるだろうが、そんな子供は数知れないんだ。

 例えお前が同情して品物を買ってやったとして、その後の安全はどうなる?」



(!!!!!!!!!!!!!!)



「その顔は理解したか。

 そうだ、お前がその品物を買うことでその子の命を危険に晒すのは、、ソウマお前なんだ」



 すぐ手の届く場所にいるその子は表情を変えず、一点を見つめ何を思うのだろう。確かに俺の考えは浅はかなで知りえない世界がそこにはあるような気がした。

 今この人(冒険者)の話は凄く理解できる。

 だが納得出来てしまう自分にイライラとモヤモヤが感情を埋め尽くしていく。



「どうしたらいいんですか... 何が正解なんですか」



「俺たちにもわからない。。。だが俺にも同じ経験がある。そして苦い経験でもある」


(!!!!!!!!!)




 動揺した。すっげー動揺したよ。この人達は自分たちの経験から俺に助言してくれていたのだ。だからと言って、そのままには出来ないのが性分なんだ!



「それなら…

 だったら俺がこの子を守ります!!」



「お、おいソウマ。意固地になるな。俺たちも同じようなことを考えたこともあるけど、無理だった。第一お前だってまだ子供だ。養えるわけないだろ」



「俺だって冒険者だ。。。依頼をこなしていけば何も問題ないだろっ!」



「その恰好で予想はしていたさ。…だが現実はそんなに甘くないんだソウマ」



(そっか。さっきの騒動の時にギルドには居なかったパーティか)


「平気だ。俺がこの子を育てて冒険者にするんだ」




「いやソウマ無理だ!」「大丈夫!!」「無理だって!!!」「問題ないって!!!!」「ダメだ!!!!!」「しつこいよっ!!!!」


 ・・・・・・・・・・。



 なんだよ。なんなんだよこの人。っていうかお前誰だよ。名乗れよ。熱いよ。めっちゃ干渉してくるじゃん。




「俺はこの現場を見た以上、子供にそんな過酷な暮らしをさせる訳には行かない。だが、そこまで言うのなら、、、俺と勝負だ!!勝ったら認めてやる!!!!」




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