ギルマス
誤字脱字があったらご指摘お願い致します。
空間魔法を使ったことで受付のメルさんや周囲の冒険者に驚かれ、ギルド内が大荒れになってしまった。
というのも、この世界で『空間魔法』はロストマジックなのだと興奮するメルさんが教えてくれた。
他に聞いた情報としては、似たようなもので ”魔法袋” という物も存在するらしい。
この魔法袋は魔結晶を付与すれば作成は可能な代物。
とは簡単に言ったものの、その魔結晶はダンジョン下層にいるボスを倒して出るボスドロップでしか入手出来ないんだと。だからそもそも魔結晶が非常に値が張るという事だ。必然的に魔法袋はさらにお高い。
例え魔法袋を作成出来たとしても荷物の入る量には限度があり、S級の魔物が入るなんて有り得ないんだって。
そんな魔法を使った訳でギルド内にいる冒険者だけでなく、隣接している『マールの瞳』で食事やミーティングをしていた冒険者パーティなんかも挙って集まり、勧誘を受けたのだ。
(空間魔法が使える人材がいれば、ダンジョンへ持込む荷物や討伐後の魔物回収など手間が省けるもんな)
そーんな荒れに荒れた現場を鎮圧したのが、ギルドマスターで元Sランク冒険者の"ガイザー・ベイグリッド"さんだ。
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「なんじゃゴラァぁぁぁぁあ!!」
うん。一喝…
そりゃあ泣く子も黙りますわ""汗
サーッと冒険者達が捌けていくんだww
殺虫剤を撒いた後の黒光か!ってぐらいw
ガイザーさんは確かにイカつい。でも若い女の子は大好きみたいでメルさんには優しいんだ、これが。
「メル、何があったんだ」
「すみません、ガイザーさん。 実は……」
・・・・
「なるほどな。そういう事かい」
……………………………
「君か。。
俺はギルドマスターのガイザーだ。宜しくな。
メルの話ではアレンさんの孫らしいな」
「はい。はじめまして。ソウマと申します」
「うむ。礼儀もしっかりしてるな。
ただな、冒険者が敬語だと舐められるからな。気をつけろよ」
(あ〜、確かによく読んだことあるな)
「ご忠告ありがとうございます!」
「ハハッ、よせよ。お前のじぃさんには世話になりっぱなしだ。
あーそれはそうと。 ソウマちょっと俺の部屋にこい」
「はい。わかりました」
(恐らくギルマスの部屋で事実確認ってところか。。
しかし、やっぱりギルドマスターは髭ツラなのなww)
……………………………………
ガチャッ!
「適当に腰掛けてくれ」 とソファーを指さされたので、大人しく着席する。
ガイザーさんは俺と対面になる形でギルマス専用デスクに腰掛ける。
そして静かに視線を俺に向ける。
。。””。。。。”。。
(おぉ、試されてるw 殺気を向けられてるよw 元でも流石Sランクのオーラはすごいなぁ)
”。。。”。。。”。。”。。
「ふ~俺の殺気を感じていながら怯まんか。さすがあのじぃさんの孫というべきか」
ガイザーさんは、フッと微笑を浮かべると
シュッッ!!!
ピッッ”!
(うわっ!油断させといてナイフ投げてきたこの人。)
「ぬはははは! やはり俺のナイフも止めるか。しかも指で挟むとはな」
(ちーん…。 オジサンちょっとショック……避けないで捕っちゃうんだ)
「あ、危ないですよ!!」
「そんなに慌ててもいないだろう」
「そんな事ないですよ!ナイフを投げられたら誰だってビックリしますよ!!」
「まぁ悪く思うな。お前の力を見計らう為に俺だってこの短時間で考えたんだ。ただ少しめんどくさくなっただけだ。ぬははははは」
(普通めんどくさくなってナイフ投げないだろ。。。)
「試して悪かったな。ぬはは。
ソウマ悪いがもう少し付き合え。問題のロストマジックを見せてほしい」
「あ~はい、わかりました」
(お返しをしてあげないとね♪)
空間魔法は必要なものを心で念じるだけで何もなかった場所に空間が広がる。
イメージ的には、空気中に手を差し伸べればそこに必要なものが出てくるのだ。
ヴん””
「うおぉぉっ!! ちょっっソウマっ!! ここで!!ギガボアああああっ!!!」
ヴん””
「あは、すんません。。ww」
「ハァ…ハァ、、お前、わざとやったな…」
「ナイフ投げられたもので♪」
「……くそ、、やっぱり孫か…
だが、わかった。やはり本物か」
どこか腑に落ちたようなガイザーさんは続けて俺に質問をしてきた。
「ソウマお前、他にもとんでもねースキルを持ってねーか?」
「すいません。私には何のスキルが問題かが把握出来てません」
「なるほど。ちょっと待っとけ」 と言って部屋を出て行った。
(あ~何か長引きそーだなぁ)
そんな思いに浸っていると ガチャッ!!
ガイザーさんはメルさんを連れてすぐに戻ってきた。
「失礼します」ペコ
「おぅソウマ。メルはな、鑑定のスキルを持っているんだが~
これからお前を鑑定させちゃくれんか?」
(な、なるほど~……確かに鑑定で見ればスキルの確認が出来るけど。。。
え!? いいのか? いやいやいや嫌な予感しかないよ!!
だけど断れる雰囲気でもない... この際、隠蔽でごまかすしかない””)
「わ、わかりました~。。。」と同時に自分自身に隠蔽を施しておく。
「ではソウマ様、失礼します」 と言ってメルさんは俺を見つめ始める。
(鑑定とはわかってるんだけど、メルさんも超絶カワイイから、見つめられると照れるんだが””
…いやいや” そんな事より急いで隠蔽したから、どこまで隠せてるかわからないぞ…)
・・・・・・・・・
「何だかいつもと見え方が違います、ガイザーさん」
「む、どう違うんだ?」
「文字化けのように見えない所もあって。。。
あとステータの成長度合いは人それぞれ異なることご存じですよね? ですがソウマ様は現在のレベルに対してのHPが異常です”」
!!!ギクッッ!!!
(隠蔽しててもダメなのかーーーー)
「まず【レベル18】でHPは【99000】です」
「なっっっっっ!!!」
「はい。そして耐性はほぼ全ての耐性があります。
スキルは、、見えるだけでも【切断・影薄・隠蔽】がありますね」
「あのジジイ~~どエライもんを。。。
ふ~。ソウマ、お前には開いた口が塞がらんわ。
これは他の奴らに知られる訳にはいかない。
ソウマ、お前絶対に安易に話すんじゃねーぞ!!」