護衛2
勤務体制が変わり時間が作れませんでした。
暇なときにゆったりと書いてます。ご理解くださいませ。
「「「なんだって!?」」」
先頭馬車にいるシュウさん達に魔物発生の報告に来たんだが。。。
やはり色々と説明が必要となってしまった。
「さ、3kmなんて聞いたことないです。。」
「シャリーン、うちも同じ反応したよw」
シュウさんとマーカスさんは、、フリーズしている。
「ま、まぁ確かに規格外な範囲だが、早めに魔物を把握出来るのは安全に進めるな」
「シュウ、目が笑ってないよww」
「そ、そんな事より!ソウマあとどのくらいで魔物たちに気づかれる?」
「そうですね、この道を進んでいれば10分ぐらいで当たると思います。ウルフ系だと思います」
「なるほど。では俺の索敵に入ったら馬車を降りて進もう。ソウマは引き続き他の魔物も居ないか注意してくれ。ライルは前の馬車に移って、ソウマはまた一番後ろの馬車で頼む」
「わかりました」「オッケー!」
御者に動きを説明して再び走り始める。
俺は引き続き索敵を展開。
また少し走った後、馬車が止まった。その時魔物たちに動きがあった事で急いで前方に移動する。
しまった!匂いをかぎ取られたか!?
幸い馬車は5台しかないので一番前まではそこまで離れていない。
俺は走りながら、
「シュウさん!魔物が匂いに気づいて向かってきます!!ウルフ系5匹です!」
「ああ、準備は出来ている」
(さすがだ。すでにシャリーンさんにバフをかけてもらっているみたい)
『鑑定』
(防御upと体力upのバフがかけられてる。じゃあ俺もみんなにスピードupでもかけておこう!)
『SPup&ATup』
「「「「!!!!!」」」」
「え?何かすごい軽い」
「これは、、ソウマが!?」
「ははっ!やっば!こんなスピードなら待ってないでこちらから攻めるっしょ!!」
みんな驚いた表情をしている。
そして強気な言葉を吐いてライルさんが突っ込んで行ってしまった。
「ほんと戦闘狂ですねw」
すると少しして魔物と対峙したであろう方向からもの凄い爆発音が響いた。
砂埃りも舞っている。
「お、おい!馬車も進まんし、何事だ!!?」
ケイスル氏も馬車から出てきたようだ。
「魔物の襲撃です。問題はありません。が、ケイスル様に馬車から出てこられては困ります」
「わわわ、分かった!早く片付けろ!!」
魔物と聞いて急いで自分の馬車に戻っていく。
「そんなにビビってるなら、初めから出てこなきゃいいのに」
「まぁ何事にも首を突っ込まんと気が済まんのだろう。気にするなシャリーン。それよりも我々もライルの所に向かうぞ。さっきの爆発音も気になる」
・・・・・
少し先にまで進むと道の真ん中にドでかい穴が空いている。その中心にライルさんを見つける。
どうやら攻撃力がありすぎて足がハマってしまったようだ。
身動きが出来ないライルさんを見てマーカスさんがすぐさま穴に滑って行く。そしてブラッドウルフと魔物とライルの間に立つ。
「おい!ライル大丈夫か!!?」
「ご、ごめんシュウぅぅぅ。潰しすぎた~」
見るとブラッドウルフの肉片などが飛び散っている。
一撃で2匹を葬り去ったようだ。
1匹は完全に潰され原型がなく、もう1匹は衝撃波で飛んだ岩などに潰されたらしい。
(うわー、少しグロイ””潰された方の素材は取れないな)
ライルさんの一撃を躱したウルフ3匹は穴の周辺で警戒している。
「ブラッドウルフか。マーカスはそこに居ろ」
静かに頷いている。
ライルさんにそう言い放ち、シュウさんは残り3匹を奇麗に討伐していく。
戻ってくるなり、
「すごいなソウマ。いつもより倍以上のスピードで動けている。ブラッドウルフはCランクだがまるで相手にならん」
「いえいえ、シュウさんの基本スピードがそもそも速いんですよ””」
「いや、自分で鑑定してみても間違いなく倍以上のスピードと攻撃力になっている。これならライルの攻撃力も頷ける」
マーカスさんに足を外して貰ったようで、ライルさんも穴から上がってきた。
「そーなんだよ!すごいバフだよ!!そうとも知らずに打ち付けたら素材が木っ端微塵だよ!」
何か興奮している。
「こんなバフがあったら一つ上のランクも倒せるんじゃないか!?」
「仮にそうだとしてもそんな事はしない。みんなを危険に晒す訳にはいかない」
「じょ、冗談だよシュウ…そんな怖い顔しないでよ。。」
ライルさんに向けられた顔でも怖い。
そんな冗談は通じる人ではないんだから。
「とりあえずウルフの素材を回収して出発するぞ」
「「「「はい!」」」」
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旅路は順調だ。
あれからもう一度ウルフの魔物と対峙したが、難なく処理した。
そして、、、
「ソウマ、これが”ネイスリー渓谷”だ」
「うわぁぁー深いですねー」
「ああ。この渓谷の上にワイバーンの棲み処があると言われている。まあ誰もわざわざ群れの中に調査も行かないから恐らくと言われているが。この渓谷を通ると必ずと言っていいほどワイバーンと対峙する」
「早くワイバーン見てみたいな~」
ん?そういえば、、、
「シュウさん、今更なんですが。」
「どうした?」
「なぜ侯爵様はわざわざ命の危険を冒してまで、自らブレスバルドまで商団を率いていくのでしょう?」
「俺もあまり関心はないが、十中八九、ブラッドリー公爵への貢ぎ物か何かだろう。いわゆる”ゴマすり”だ」
「うへぇ~、そんな事の為に命を懸けるとかバカげてますね」w
「ああ。俺にも理解は出来ん。だが我々冒険者は報酬が良ければ貰える仕事はなんでもやるからな」
「なるほど。あ、でもライルさんは今回の護衛任務は割に合わないと言ってませんでした?」
「報酬はそこそこなんだが、今後の任務の為にシャリーンのレベルも上げておきたくてな」
「なるほど。聖力ですね。依頼の難易度が上がれば回復役は重要ですもんね」
「さすがだな。その通りだ。シャリーンは我々のパーティにはなくてはならない存在だからな」
「そういうことですね!それならば張り切ってワイバーン討伐に行きましょう!!」
(不思議な子だ。我々で対峙するときはいつも緊張感が漂うんだが、みんなリラックスしているように思える。・・・・・今度時間のある時に手合わせを願おうか)
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