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最奥

誤字脱字があったらご指摘お願い致します。



//洞窟内 最奥//



 洞窟内は静けさを保っていた




 自分自身もその静けさを荒らそうとは思わない




 部屋に入ると自分以外にはオークが5匹。そのうちの片腕のない1匹がひと際デカかった




 又、オーク達も静かに部屋に入場してきた人間族(少年)を静かに見守っていた



 否



 ただ動けなかっただけだ



 その人間族(少年)が出す禍々しいオーラによって、、、







 暫し静寂が続いた。




 よく見ればオークたちの額から汗が一つ、また一つと地面に落ちていく。




 そういえば自分も小さい時にそんな経験をしてことがある。




 絶対的強者からの殺気



 恐怖から体は硬直し 全身の寒気 口から水分がなくなり 死を悟る




(あぁ、こいつらも俺のことをそんな風に見てくれているのかw)

(さっきまで周りも見えぬほど怒りが沸いていたのにな。さっきの女性に感謝だな。おれもまだまだってことかw)




 そしてその静寂を解いたのは少年の一言。



「そんなに絶望な顔をするなよ。すぐに終わるから・・・」クスッ





 少年の静か口調と柔らかな笑みがより一層の恐怖を募り、オーク達を吠えさせた。



 そして恐怖と怒りが入り混じったような叫び声をあげ、1匹のオークが少年へ一歩踏み出した。



 刹那、、他のオークが目を向けた時には胴体だけの仲間の上に少年が立っている姿だった。



 仲間の頭部を持って血飛沫を浴びながら・・・





-----『瞬切』




 一言、技名を呟いた少年の姿をその後見たオークは居なかった。




***************************************







-----『収納』



 部屋に転がっている5体のオークをポイポイっと空間収納に向かって雑に投げ入れる。



「自覚はあるんだけど、人格変わるよなぁ~俺W」



 怒りの限度を超えると逆に優しくなったり、敬語になっちゃう人いるよね。


 俺、それだわWW



「あ、そんな事よりさっきの女性達のところに戻らないと!カモフラージュしてはあるけど心配だ!」



 最奥の部屋を見渡し、いくつかの木箱を中身を確認するのは後にして『空間収納』に投げ込む。

 収納を終え向かおうと思ったが



「いやいや、黒ローブで汚れが目立たないとはいえ、こんな血だらけのままじゃビビらせちゃうよな」



 と冷静に自分自身の姿を見て立ち止まる。

 


-----『フルクリーン』



 

「よし。完璧」



 キレイになった服を確認してお嬢さんたちの元へ向かう。




 ・・・・・・・





『カモフラージュ解除』



 自分のかけた魔法を解除すると入り口が現れる。


 どうやらまだ3人の女性はまだ眠っているようだ。



(まだ眠り続けているし、そのまま寝かせといてあげよう)


 とは言ったもののこのままにも出来ないし、どうしようか悩む。



「そーだ!!腹減ったし、大量にあるオーク肉だ!」



 となれば早速メシの準備。

 ご飯の時間が一番楽しみだ””



 オーク肉を捌きながら、『早くその道のプロに処理をお願いしたい』と節に願うWW


 大雑把だが皮を剥ぎ、内臓やらを取り終えたところで一旦収納。あとは部屋内にあった物を使って焚火を作ることで準備完了。


 火力を小さく、、


-----『ファイア』



 剣に刺したオーク肉を取り出し、火で炙っていく。

 

 そして肉汁が火の上に垂れるたびに火力が上がる。


 いい匂いが充満してきた。


 いい匂いすぎて他の魔物たちが寄ってこないか心配ではあるが、索敵範囲だけ広げておけば何も恐れるものはない。いやどちらかと言えば恐ろしいのは俺の食欲かもしれない。

 一人でオーク三匹はイケる気がするからWW




 肉が焼ける匂いを堪能していると、、



「ど、どなた様ですか?」

「うわぁぁぁぁぁぁぁ””””」

「きゃああああああああーーーー」


 と女性たちに背中を向けていた俺には、魔物よりもその突然な問いかけの方がビビった!!!


 又、その問いかけにビビった俺の声に女性も叫んでいた。



「うわぁぁぁぁぁぁぁ、、あ、あ、はぁ~めっちゃビックリしたよー」

「きゃぁぁぁぁ、、は、は、、、すすすす、すみません」



「良かった、起きたんですね^^」

「はい?」



「え?」

「え?」



「はい?」

「は?」



「いやいやいや」

「え?え?」



「ちょっ、ストップ!!!」

「・・・・・・」




「ちょっと、だ、大丈夫ですか?

 あなた方ずっと眠ってたんですよ?

 覚えてますか?」


「・・・・・・」




「あなた方は恐らくオーク達に攫われたんですよ?あ、でも今はもうオーク達は倒したので安心してね!」


「あ・・・・。ハッ!! リィーン様!!!!」



 何かを思い出し周囲を見渡した女性は、一度俺と言葉を交わした女性の元へ駆け寄った。



(あ~なるほど。恐らくまだ寝ている子に仕えている侍女のような人かな?確かに来ているものが違うな。とするとあの子はどこかのお偉いさん)



「リィーン様!!! リィーン様!!」


「あ、あまり揺らさない方が…。大丈夫ですよ、寝ているだけですから」



 俺の言葉を聞いて少し冷静になった女性は、寝息を立てる女性をみて少し安心したようだ。


 侍女っぽい女性が冷静になれるよう続けて言葉をかけることはせず、肉を焼くことに専念した。



 

 少し時間が経ったところで侍女が(もう侍女って事にしとこう)俺のそばに寄ってきた。



「っほい!これ飲んだらいいよ」


 手作りの木で出来た器にただの水を入れただけなのだが、しばらく飲み食いもしていないのではないかと思い用意しておいた。


「ごめんね。ただの水なんだけど何も飲んでないでしょ?もうすぐ美味しいお肉も焼けると思うから」



「ありがとうございます。命まで助けて頂いた冒険者の()()に飲食まで気を遣って頂いて。。。」



()()?)



「え、えぇ、気にしないでください。もうここは安全ですので皆さんが回復してからゆっくり帰りましょう。大変でしたね」



「はい。ありがとうございます。あの、、もう安全という事はすべてのオークを討伐して頂けたのでしょうか?」


「ええ。もちろん一匹残らず倒しましたよ」



「す、すごい。あれだけの量のオークを。。。感謝してもしきれません」


 侍女は地面と平行に頭を下げた。



「我々は貿易のため隣国に向けて2週間前に王都を出発しました。山道に入ってしばらく経った頃、オークの群れに襲撃され護衛だった冒険者パーティは皆やられてしまいました。

 女たちだけはオークの集落に連れてこられたました。オークたちのおもちゃとなり、一生を終えるのだろうと命を諦めました。ただ少しでもお嬢様にオーク達の手が及ばぬよう、我々自ら名乗り出て行く事でお嬢様のお命を永らえてきました」



「・・・・・」



「我々の他に生存者はいらっしゃいますか?」




 俺はただ首を横に振る。




「そうですか。ですがその者達もハワード家に遣える者として、お嬢様が無事と分かれば本望でしょう」



「お悔み申し上げます」



「ありがとうございます。

 あの、あなた()はギルドから特別に派遣されたパーティだったりするのですか?

 やはり公爵家のご令嬢が行方不明では王都でも噂になっているのでしょう?」



「いえ、違いますよ。特にそんな噂も聞きませんでした。ただ()()他の依頼をこなしていたら夢中になりすぎてしまって。。。苦笑

 オーク達の集落に入ってしまっただけなんです。そんな中この洞窟内であなた方を見つけました。やっぱりご貴族のご令嬢様だったのですか」




「偶然オークの集落に立ち入っただけなのに、これだけの数を全てを討伐されたのですから相当有名なパーティなのですね。あなた()が来て下さったことが我々にとってはとても幸運でした」



「あのぉ~?」


「え?はい、なんでしょう?」



「先程から話されてる()()()()とはアレですよね?あの色々な役割の人達が集まって作るチームのような」



「え、えぇ。そのパーティですけれど。そういえば他の方々のお姿がお見えになりませんね?まだ洞窟内でも探索されておいでですか?」



「一人なんですが…」



「え????」



「僕、一人なんです。パーティはまだ誰とも組んでいません」



「フフッ。ありがとうございます。和まそうとしてくれたのですね^^」



「本当に一人なんですが。。。」



「え?そうなんですか?」



「ほんと!」



「・・・・・」



 俺の声のトーンと表情を見て、冗談を言っている訳ではない事がわかったようで侍女はフリーズしている。


 そーだよな。普通に考えたら驚くのは当たり前だ。まだ成人にも満たない少年が一人でオークの集落を壊滅させたとは思い難い。

 

 でもウソは言ってないし、本当に出来てしまうのだwww



「・・・えええええええええええええええええーーーー!!!」 

 

 

(そ、そんなに!!?)


 その驚きの声がデカいのなんのって!!




「う、うぅ~~ん。何事ですか?」

「ええええぇぇぇお嬢様~~~!!!目を覚まされたのですねー!!!」


(おぉぉーこの人テンションヤバいなww 驚いた勢いのまま女の子の方にほうに走って行ったよww)



「良かった!!良かった、お嬢ザマ~~(泣)。私は◆△☆※@%#☡$うわーん」

「ちょ!な、何事ですか!? ネイル!落ち着いてください!!」


(あ、もう一人の侍女かな。皆起きたんだね。騒がしい侍女はネイルさんという名前らしい)



「まったく。落ち着きなさいネイル」


「ふぁい。。。」(泣)



 今しがた起きたばかりの女性は侍女ネイルをなだめた後、俺の存在に気付く。



 そして近づいてくるなりスカートの脇を持って俺に一礼をして見せた。




「察するにあなた様が助けてくださったのでしょうか?」



 そう話しかけてきた彼女の姿は、さっき俺の腕の中で泣いていた人とは別人に思えるほど凛としていた。泣きじゃくる彼女は俺の歳と然程変わらないように思えたが、今は強く美しい女性として映る。更に起きるや否や、今は無事な状況だと冷静に判断する点においてもそうとう頭も切れるのだろう。

 


(恐らく一度起きたことや泣いていた事も覚えてはいないだろうし、言う必要はないな)




「そうですけど、、あなた方3人を除いては助けられませんでした…すいません。」と頭を下げる。



 剣に肉をぶっ刺したまま。。。




「とんでもありません。本当に本当に感謝しております。かえって恩人に頭を下げさせてしまうなんて申し訳ございません…」



「謝らないでください!あ、あの!俺あまりこういう礼儀がわからなくて、苦手で、、すいません!!

 ・・・あ、お肉食べます!?ww」



 彼女と彼女の斜め後ろにいる侍女2人もキョトンとしている。


(あれ~、またやっちゃったか?)



「「「・・・・プッ!!フフッ、アハハハ””」」」


(そ、そんな可笑しい事言ったかな??ハハハ…)



「アハハハハハハッ!! はい!^^ 是非、頂いてもいいですか!?」



(あ♡カワイイ””)


 

空いた時間で書いてます。

更新遅いことご了承ください。

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