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国家機密

誤字脱字があったらご指摘くださいませ。


 

//商業ギルド 応接間//





「・・・・という事なのです」


「・・・・・・・」

(なんだ、この沈黙は、、、汗)



 今は商会ギルドの応接間に通され、ご令嬢の行方不明について『商業国家シルクイユ』から大臣宛ての通達があった旨を説明したところだ。それと実際にハワード商会が2週間前に王都を出発しているか確認も取れた。

 隣国に位置する『シルクイユ』は王都よりも商業が盛んだと言っても過言ではない。それもこれもシルクイユから数日行ったところにある鉱山から魔晶石が発見された為だ。魔結晶ほどではないが、魔晶石もそこそこ魔力を発している高価な物。何でもここ数年で錬金術師が生活用魔道具を作り出し、めざましい発展を遂げているんだとか。


 隣国についての説明はこれぐらいにしといて、、、

 そんなことよりも、俺はこの状況をいち早く脱したいのだ。



(おいおい”そんなスゲー眼光向けないでくれよぉ。元冒険者上がりだから威圧がハンパないって””さっきまでの温厚そうなおっちゃんは何処に行ったのさ”)


 

「あのぉー、マスター・・殿??」 

 

「はぁあああああ、腹立たしい!!!」


(!!!!!!!!!)



「冒険者ギルドなんぞに依頼を出せねばならぬのかぁぁ~」



(んなななななな何!?? あ、俺に向けてじゃないのね?””)



「冒険者ギルドマスターのガイザーとは冒険者時代にはライバルだったのだ。お互い良く知る仲だ」


「な、なるほど。。。あ、しかし何故ながら冒険者ギルドへ依頼を出されるのですか?」



「・・・・ん?」



「・・・・へ?」




「いや、まぁそんなことより。お前さぁ、、」

「はっ!!」



「とりあえず座ったらどうなんだ?」



「・・・いえ、私は騎士ですので立ったままで失礼致します」



「なんだお前らのその騎士道精神は。昔からよくわからんのだ。いいから!ただの騎士見習いのひよっこが見栄をはるな」



「は、はぁ。。。では失礼します」


「うわッ。騎士道精神弱ッ」


「えぇぇ~~、、」


「まぁ良い。まぁ良い。 んで何だっけ?」



(商会ギルド、大丈夫か??)


「・・・冒険者ギルドに依頼をお出しするとかしないとか。」



「あぁ、あれな。

 ん~聞かなかったことにしてくれ」


「はい?」


「お前は何も聞かなかった!な!! 

 これにて報告終了!!ご苦労であった!」



「マスター殿、聞かなかったことになど出来ません」

(そんなこと言われたら余計気になっちゃうじゃないか)



「えぇーーそんな事言わずにさー、マスター権力発動しちゃうよぉ?」


 

「な、何ですかそのマスター権力とは。。」



「ただ言ってみたかっただけなんだけどなww」


 イラッ



「何をそんな悠長なこと言っているんですか?ご令嬢が行方不明なんですよ!?」



「はぁ?そんな事はお前が説明してくれたから知ってるよーw」

 

 イラッイラッ



(何なんだこの人。スゲー威圧感出したと思ったら、途中からふざけだして!)


 

「で・す・か・ら!! 冒険者ギルドに依頼を出すとはどうような事なのですかっっ!!!」


「そんなに怒ることではなかろう。急いでもミスが増え、状況が変わる事もない。良い事ばかりではないんと思うぞ?」


「先程から私の質問をうまく躱しているようですが?」

 

「あ、バレた?w」



 イラッイラッイラッ#


「いい加減にしてくださいますかっ!!!!###

「わかったわかった、わかったから落ち着けよー。

 ん~どこから話したもんかなー?」



「何故わざわざ商会ギルドから冒険者ギルドに依頼を出す必要があるのか、ご説明頂ければいいのです」


「まぁそうなんだがな。騎士の()()()()話していいモノか?という事だな」



「ど、どういう事でしょう?」

 


「いわゆる国家機密ということだww」


「え、国家機密!!???」



「ここまで話しちゃったら後戻りできないし、もういいかww 」


「私の事からかっておいでですか?それとも本当に国家機密事項なのですか?」



「ひどいなぁキミ。俺は至っていつも真面目だよ!」


「・・・・・」



「そこは突っ込んでくれないのだな?w」


「まぁいい。えーっとキミの名前はなんだっけ?」



「はっ!ニクスです! ニクス・グレイグル! 陸地部隊 第2班所属、、

「あ、あ、あ、聞いてない。聞いてない」


「すみません。。」



「あー、ニクス」


「はっ!」


「君には騎士団をやめてもらう」


「はっ!

「はいッ!? え?え?えぇーー???

「な、何故ですか!? マスター殿にそんな権限はないはず。なぜ私が辞めなければならないのです!!?」




「うん、うん、うん。正確に言うとだな、退団してきて頂きたい」



「私自らの意思で退団をしてこいと?」



「そうだよ。理解が早くて助かるよーw さぁ言ってらっっしゃい」


「いやいやいや全然説明になっておりませんし、理解もしていません。寧ろ話が追い付いてませんから」



「えぇ~理解してないのぉ~?? 面倒くさいなぁ」



 イラッ


「あ、あ、あのですね!## 国家機密の話を聞くというだけで、何故私が職を手放さなければならないのですか? 全くもって理解できないんですよ!!」



「はぁ~~。そもそもそんなに騎士団に執着してないだろうが。辞めようか悩んでいたクセに」


「ぐっ!!」



「では説明しようニクス君。

 この国家機密を聞くという事は、今後キミには()で働いて貰わなければならない。君はもうそこに足を踏み入れてしまったのだ。拒否権はない。キミの新しい仕事は影の組織に属してもらうという事だ」



「冗談を言っているようにしか聞こえないのですが。。。」



「失礼な。これはまじめな話だ。王都の冒険者ギルドには王都民には知られていない組織があるという事だ。これは国家機密であり、誰にも話をしてはいけない。誰かに話せば即刻処罰が下るだろう、、、話した者にも聞いた者にも。。。事の重大さが分かってきたかい?」



「は、はい。。。」



「よろしい。そして申し訳ないがキミの事を”鑑定”で見させてもらった」



「か、”鑑定”!!?」



「聞いたことがあるかい?ごく稀に鑑定スキルを持つ者が現れるがこのスキルは重宝され、あらゆる機関で取り合いになる。どお?私のスゴさ分かってくれたかい??ww」


「続きをどうぞ。。。」



「なんだよ連れないな~。

 えぇーっとそれから、王都でも”鑑定”を持っている者は、私以外にSランクの”アレン”や他の国にいるSランクの奴らは結構持っている者が多いな。それと~、、、いや、この辺にしておこう。

他にも稀有な固有スキルを持つ者はいるが、、、、ニクス君のスキルも非常に強力なスキルを持っているようだな」



「いえ、、、私は何もスキルを使うことが出来ません。。雷属性だと分かり騎士団からスカウトまでされましたが、スキルも使えず揶揄されるだけで未だに門兵です」



「それは良かった!!」



「は!?##」イラッ



「その稀有なスキルを知られる事がなかったのだからなwそのスキルを見たから私も()に引っ張ろうと思ったのだ」



「自分自身が分からないスキル(モノ)をどうやって扱うというのですか?」



「ははは、そうだな。まぁそんな心配するな。最近になって影に入った者がもう一人居る。噂ではかなりの者らしい。俺も会ったことがないのだ。その者は能力の放出やら扱いやらに長けているようだから色々聞いてみるといい」



「はぁ。。。」



「あっ!!そんな事よりお前早く騎士団辞めてこい!!ww」



「はぁ。。。話を聞いても全然実感が湧かないのですが、、、」



「いいから!!それと先程も言ったが、他言無用だぞ!!この組織を知っている者は国王陛下と女王陛下、それと国務大臣、ギルドマスター、組織の一員のみだ」




「そ、それだけ?しかしマスター殿も私に話されましたが、、、」



「こ、これは組織へのスカウトだから良いんだ。。。。たぶん」




「えぇーーたぶんって、ダメだったら私も被害に遭うじゃないですか!!」




「う、うるさい!早く行け!!!大丈夫だ!マスター権限だ!!」



「苦しい言い訳に聞こえますが。。。わかりましたよ!」



「おー、終わったら冒険者ギルドにこいよ」



「わかりましたよ。終わったらすぐ冒険者ギルドへ向かいます!」


 そう言葉を残し、応接間を後にしたニクス。

 商業ギルドマスターのピッケルから俄かに信じられない事を打ち明けられたが、信じてみようという気持ちに掻き立てられたのだ。ご令嬢には悪いが自分もスキルを使えるようになるかもしれないと希望を感じたニクスは緊急事態にもかかわらず笑みがこぼれていた。

 騎士団としての緊急連絡も終わった事だし最後の報告と共に騎士団を後にしようと心に決め、騎士団支部へ急ぐニクスに疲れはなかった。



空いた時間で書いてます。更新が遅いとこご了承ください。

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