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門兵

誤字脱字あったらすみません。

ご指摘ください。


//王都オックスリバー//


 外壁門 - 中央門【南門】 - 


 王都オックス騎士団  門兵 



 申の刻



”ガチャ”


門兵A「交代の時間だ」

門兵C「ん、もうそんな時間経ったか」

門兵B「特に問題もないか?」


門兵C「あぁそうだな。日中は何匹かの魔物の襲撃はあったが、上からの弓部隊の攻撃で対処済みだ。それと、いくつかのパーティは野営の準備もしていたし今日はもう戻っては来ないだろう」

門兵D「今日は静かなものだったな。たかが数匹の魔物だけだから俺たちの出番もなしよ」


門兵B「今日もどこかに寄って行くのか?w」

門兵D「バカ言え。娼婦街でハジケすぎて金欠なんだよ。」

門兵C「おお、そういえば久々にマルケス商会の親父が自分の息子パーティを護衛につけて帰ってきてたぞ。貢ぎ物の酒置いていったんだw」

門兵D「気が利くなw それ貰っていいか?」

門兵C「1本だけなw」

門兵B「あそこは確かまだCランクの商会だっけか?俺らに貢いでもランクは上がらんだろうになw」

門兵D「この酒を鍛冶屋のドワーフに売れば金になる!」

門兵B、C「か、賢い!!」


門兵A「なぁおい。名簿にはパーティ以外にもまだ帰ってきていない冒険者がいるようだが、、」


門兵D「んんん?おー、そいつはよ最近冒険者になったばかりだって言ってたな。上から下まで()()()な格好で、手ぶらで出て行こうとしたから俺は止めたんだがよ」

門兵C「まぁ冒険者なんて自己責任だからな」

門兵B「それを言っちまうとなw]


門兵A「商会ギルドの名簿も見当たらないぞ。お前ら暇だからと言ってもしっかり管理してくれよ」

門兵C「悪い悪い。それならこっちだ」 


門兵A「ああ、確認しとくぞ」



門兵D「しかしその昼頃に出て行った()()は本当にどこに行ったんかね?冒険者になったばかりなら無理な依頼も受けないだろうに?」

門兵C「うーむ、班長だったら『まだ早い』とか言って止めてたかも知れねーな」

門兵B「あ?お前ら班長は居なかったとか楽勝じゃねーか、羨ましい」

門兵D「なーに言ってんだよ。班長らは師団長らに招集されてるじゃねーか。知ってんだろ?」

門兵B「ああ、そうだっけか?こういう管理者とかいない時に問題発生しそうだよなww」

門兵D「お前そういう物騒な事は口に出すもんじゃねーよ」



門兵A「うわぁッ!!!・・・」

門兵B「うおおおおおぉッ!!びっくりするじゃねーか急に!」



門兵A「・・・・・・・・・・・」



門兵C「やめろよ。その沈黙…」

門兵B「そういうノリは心臓に悪いぞ””」




門兵A「シルクイユから手紙が届いている……しかも大臣宛ての…」

門兵B,C,D「・・・ンなにーーー!!???」



門兵A「しかも、、2日前に届いてる…」

門兵B,C,D「2日前からぁーーー!!???」

門兵D「何で俺らの詰め所なんかに王城行きの手紙があんだよ!!!」



門兵A「そーだろ?そーだよなぁ。。俺もそんなモノ(手紙)があると思わないから、封を開けちまった…」

門兵B,C,D「・・・ンなにーーー!!???」



門兵A「・・・・・_| ̄|〇 ・・・・」

門兵B「な、なぁ、なんて書いてあったんだよ。。。」

門兵C「そうそう。内容が問題なけりゃ、、、なあ?」



門兵A「に、二週間前に王都を出発した、ハワード商会がまだ着いていない。らしい...」

門兵B,C,D「・・・ンなにーーー!!???」




門兵C「じょ、冗談キツイよお前。ははは」

門兵A「んなウソつくかっ!!!」



門兵B「お、おい、、しかもその商会の名前って言ったらアレだろ?...S級の...」

門兵A,C,D「・・・公爵家のご令嬢・・・・」 サァ----




門兵A「い、急げ!! 他の班の奴らもたたき起こしてこい!!!すぐに誰か商会ギルドへ走らせろ!!!! それと師団長クラスにも連絡を急げ!!」

門兵D「あ、あぁ。わかった””」


門兵B「そんな!こんな話が貴族の耳に入ったら、上層部は絶対俺たちにケツ拭かせるじゃないか!!」

門兵A「ああ、何かしらの処分が下るな。。。だが、俺たちだけで手に負えるわけない!!!」


門兵B「う、うぅ~、、」



門兵A「あきらめろ。。。何とかご令嬢の無事を祈るしかない・・・」



----------------------------------------------------------------



//王都オックスリバー//


 王都 メインストリート 




「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ングッ、、、ハッ、ハッ、、、足っ!動けっ!!」



 俺は”ニクス”。

 失礼。急に出てきて何してるかというと、まぁ問題が発生したんだよ。

 貴族のご令嬢が行方不明なんだと。

 だからさ、猛ダッシュで応援を呼びに行くところ。

 いや、猛ダッシュしなければいけない状況。


 

 俺はこの王都の平民街で生まれ育った”ニクス・グレイグル” 19歳。

 俺は7年前に当時の最年少記録でこの王都オックス騎士団に入り、大いに期待され入隊したものの未だに門兵から抜け出せない騎士団員だ。12歳の頃に属性診断を受けて”雷”という判定が出てから、すぐにスカウトが来たってわけ。(一般的に多く出る適性は”火”か”水”が多いそうだ)

 もちろん無属性で戦いに向かない人々もいる。

 当時俺は王都内の学院に通っていたんだけど、レアな”雷”属性という事もあって調子に乗っていた。そんな俺にはスカウトからの誘いを断る理由はなく、二つ返事だった。

 そんなことで順風満帆な未来が俺を待っていると思ったのに、学院で基礎もすっ飛ばした俺は未だに雷の能力も使えないし、何をやってもミスばかり。2年で見切りをつけられ、一から門兵としてやり直しさせられることに。。。

 基礎を学び、学院を卒業して入隊してきた後輩たちにも追い抜かされ、周りからは冷たい視線しか貰えない。

 本来ならば門兵を経て、小隊長クラスには昇進している計算だったんだが、、、

 それどころか能力が覚醒してたら、最年少で師団長クラスも夢ではなかったかもしれない。

 そんな寝言を言いながら、これからもうだつの上がらない人生を歩むのだろう。



 だって、、、


 問題が発生した時の勤務は、俺だったからぁぁぁあああーーーー



 だから猛ダッシュしなければならない状況なのだ!!

 商会ギルドに向けて猛烈ダッシュ!!

 雷の能力が使えれば、こんな必死に走らなくてすんだのにぃぃぃぃ!!!


 

「もっと、、ハッ、ハッ、ハッ、もっと早く動けッ!ハッ、ハッ、俺の足ぃぃぃぃぃ!!!」



「広すぎるよ、、、王都、、ハッ、ハッ」


 王都の街並みは中心地に行けば行くほど身分の高い人たちが住まいとしている所だ。

 外側は外壁から始まり、川を挟んで内壁。そこから平民街や商業街になっていく。門兵や見回り騎士の屯所や住まいは平民街の中にある。騎士団寮の自室でスヤスヤ寝ている所を叩き起こされたのだ。




「クビかなぁぁ。俺、クビになっちまうかなぁ~。ハッ、ハッ」



「こんな事なら、ハッ、ちゃんと基礎を身につけておくんだった。。。ハッ、ハッ、ハッ」



 やっとだ。やっと5番街が見えてきた。商会ギルドはすぐそこだ!!!




----------------------------------------




 バンッ!!! 



「訪問失礼!!!ハッ、ハッ、ハッ、ハア、ハア」



 ギルド内にいる全員が、勢いよく空いた入り口にビックリした表情を浮かべる。




「王都オックス騎士団 陸地部隊 騎士見習い 二クス・グレイグル

 急な訪問失礼!!

 至急ギルドマスターにお繋ぎ願う!!!」


 

 騎士団()からの急な言葉に商会ギルドの空気が変わったのを感じた。

 騎士団を好まない奴らも少なくないが、舐められるのはご法度なんでね。

 冒険者ギルドだと喧嘩を売ってくる奴らもいるが、幸いここは商会ギルドだからな。



「急げ!!一刻を争う!!!」

 


「すすす、すぐに呼んで参ります!!!””」


 

 メガネッ娘受付嬢が急いで関係者部屋に入っていく。

 俺の態度にいい表情を浮かべない奴らも少なからず見て取れる。

 やはり騎士団は嫌われていそうだな。騎士団を全部同じ括りにしないで欲しいものだ。

 確かに最近は騎士団の悪い噂が絶えないんだよなぁ。

 まぁでも今はそんな事どうでもいい。早く来いよギルマスーーー。




「どぉも、お待たせいたしました。商会ギルドマスターの”トード・ピッケル”です」

 


空いた時間で書いてます。更新が遅くてすみません。

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