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裏・月夜の光

時間があるときに作成してます。

更新が遅くなりますのでご了承くださいませ。

誤字脱字あればご教示ください。

「ん、ん~~・・ふぁぁ~」 


 差し込む朝日に起こされる。どれくらい寝たのだろう。窓を開けると心地よい風と行き交う人々の声。今までは窓を開けても豊かな自然しか見えなかったのだからなんとも新鮮な景色だ。

 

 時折心地よい風が食べ物の匂いを運んでくる。


「腹減ったー」と一人事を呟きながら、後向きのままベッドに倒れる。昨夜そのままベッドにダイブからの朝を迎えてるから汚いかなぁ。清潔感を保たないと女の子にモテないからねww



 ”フルクリーン”



 この魔法も当たり前に今まで使ってたけど、きっと他から見たら普通じゃないんだろうな~。

 だってちゃんとこの世界にもお風呂の文化はあるからね。俺も無性にお風呂入りたくなるけど、”フルクリーン”は洗濯もいらないし、歯も磨かなくていいし、お風呂に入らなくても衛生面に困ることはないんだ。不思議とスッキリ感も感じるし。ベッドまで新品みたいになっちゃったw


 あ~でも温泉があるなら入りたい!きっと俺が知らないだけでこの世界にも温泉があるはず!見つける楽しみもあるよね。まぁ冒険者として旅をしていればきっと色々な発見があるだろう。




 

「よし朝メシ食べに行こ。たぶん隣接してる食堂で食べれるよな」




 朝食を食べにフロントまで来ると昨日の美人受付嬢シェリルさんの姿はなかった。今日は休みかな? 代わりに頭ツルツル筋肉マンとメガネ女子が受付にいますね。

 すると筋肉マンの方が俺に気づく。


「おう!あまり見ない顔だなー? おめーか?シェリルが言ってた期待の新人くんは!? なーんだ、まだガキんチョじゃねーか、なぁミスト!」


「・・・いちいち声がデカいんだよ。あと、話しかけないでくれる?」

「あぁぁ?ミスト!! お前誰にそんな口聞いてくれてんだ!?」

(えーー、急に巻き込まれたーー。なんだこれ。 確かに声デカくて暑苦しそうだけど、こんな筋肉マンにメガネっ子もめっちゃ強気っ!)



「目の前にいる脳筋以外に誰がいるの。…近寄らないでくれる?」

「ああん? お前ぇ~~今日こそぶっ飛ばす!!!」



「はぁ…弱いクセに粋がらないで。 きっとあの子の方が強い…」

「んなっ!? カッチーーーン……てめえーーーーー!!!!!!!」



 |・・・・・・《"気配遮断"》

(いやいや、お前ら絶対接客業に向いてねーよ。。。永遠に続きそうだし~、、撤退!!)




 なんてコッソリ食堂に向かおうとすると、、





 ガチャッ!!! 



「うっさいわーーー!!! ボルグッーーー!!」

「うわっっあ!マスター!! 違うんですぅ!!ミストの奴が!」

「う・る・さいっっ!!!!!!」



 え?マスターって言った? あの恰幅の良い女性が『月夜の光』のマスターだったんだ。へぇ~あれだけ息巻いてた筋肉マンがメガトンパンチを喰らって瀕死だww あれは何かのスキルだな。

メガネ女子も何事もなかったかのようにシレっと仕事してるしw あの子もレベルは低そうだけど気配遮断使ってるよ。


 俺はマスターの登場に面白がって状況を見守っていた。すると突然マスターと呼ばれていた女性と目線が合う。



(ん?あれ? 気付かれてる?? 確かに気配を薄くしてるだけだから姿はもちろん見えるけど、、あんまり気にされた事ないんだが)




「君、何で気配消してるんだい」



(あれ?やっぱりバレてら。だったらこのままだと失礼か)



 スッ


「すいません。失礼しました」



 受付の筋肉マンはなぜかギョッしている。

 いや、忘れてたんかい””

 そんな筋肉マンの横でマスターは表情も変えずにつぶやく。



「その歳で”気配遮断”を使うのかい…」



(完全気配遮断も使えるけどw 何だったら姿も見えなくしますけどw 

 いや、それよりもこの人(マスター)は俺の気配遮断が分かるレベルだって事だ。って事はメガネ女子の気配もマスターにはバレバレだなw) 



「んで、何で気配を消してたんだい?」



「すいません。朝食を取りに行く途中で話かけられたんですが、めんどくさい方向に話が進みそうだったので隠れて食事に行こうとしました」


 


「ボルグー、証人がいたじゃないのさ!! あんたはトイレ掃除でもしてきな!!!」


「ひぃぃぃぃぃイ~””」



 俺の証言でボルグさんという筋肉マンはマスターから逃げるように消えていったw 俺もまた彼に会うときは気をつけよw




「君、ウチの従業員が悪かったね!! 朝食なら私が振舞うよ!」


「いえ、逆に気を使わせてしまったみたいですみません。マスターの手を煩わせるほどの迷惑は受けてませんよ?」


「いいのさっ!私は料理が得意でね。振舞える時には自分で作るのさ。だから気にしないで食べていきな!

おっと自己紹介が遅れたね!私の名前はゼイネ・フィード。知っての通り『月夜の光』のマスターをやってるよ。こっちのメガネっ子はミスト・フォルターナ。んでさっきのアホが居ただろ?あいつがボルグストー・ケイン。 君は、、冒険者みたいね。懐かしいね~私たちも元々は冒険者だったからねー」



「ソウマ・ツブラヤです。マスターの言う通りEランク、ソロの冒険者です。

 やっぱり冒険者だったんですね。僕の見立てでは上級冒険者じゃないかと感じてたんですが。。」


「止しなよ。ゼイネでいいってw 何だいやっぱりって事は薄々感じてたのかい?」



「いや~まぁ何処か荒々しさがありましたケド、先ほどスキル使われてましたから。。」苦笑

 


「スキルに気づいたかい?いい目してるじゃないか。現役時はAランクだったのさ」


「まだ現役ですよね」


「ははッ、とっくに私は冒険者を引退してるさ!」



「あ、いえ、ミストさんは現役ですよね」



「え?ミストが? ミストも冒険者()引退してるよ。どうしてそう思うんだい?」




「いやー、血の匂いもしますし、オーラを纏ってますから」


「「・・・・・・・・」」



 急にそんな事言われたもんだから、2人ともめっちゃ驚いてる表情。

 え?違った?



「ソウマ、、あんたそんな事まで嗅ぎわけられるのかい?」



 あ、良かった。合ってたみたいww



「えぇ、みんな分かりますよね? やっぱり高ランクの人はオーラが違いますねー」



「「・・・・・・・」」





 ゼイネさんが周りを確認して静かに話し出す。



「あんた、あまり大きな声でそんな事いうもんじゃないよ。。。

 私たちは現役を引退したと周りは思ってるんだから。 ちょっと裏においで」



「はぁ、わかりました」



------------


 言われた通りに従業員専用のドアに入り、部屋へ通される。

 ミストさんも話に加わるようで、ボルグさんがまた受付に代わったみたい。




「さて、ソウマ。あんたは何者だい?」



「えぇーっと、、、」



 俺は昨日ギルドで起こった大騒動の経験から、余計な事は言うものではないと思い、ただ自分の祖父は”アレン・シルバー”だと伝えるとそれだけでゼイネさん達は納得してくれた。

 



「あのジイさんの孫かーー。そりゃ素質は十分だろうね。。いやそんなもんじゃない、、底が見えない…」


 ゼイネさんとミストさんにジーっと見つめられる。

 うぅー、何か言ってくれよ。



 その後2人でコソコソ話をしている。これが噂の放置プレイってやつなのかw





 数分間放置されたが2人の中では話がついたようで、振り返ってゼイネさんが言葉を切り出す。



「ソウマ、あんた私たちの仕事を手伝わないかい?」



「えぇーっと宿屋の?」



「そんな訳ないじゃないか。

…裏の仕事さ」



 おいおいおいおい。そんな怖い顔するもんじゃないってゼイネさん。




「宿屋は表の顔。あたし達2人にはまた別の仕事が入ってくる時もあるのさ」



 なんとなく察したよ。




「元Aランク冒険者の肩書とミストの能力を見込まれてね。私を窓口として実行するのはミストって訳さ」



「なるほどですね。先ほどミストさんも”気配遮断”とか使われてましたもんね」



「やっぱりその辺のスキルも見破ってるか。他にミストが何のスキル持ってるかもわかるかい?」




 ゼイネさんに質問を投げられたので失礼ながらミストさんを”鑑定”する。

 見てはいけないところは見ないようにして、、、



 //ミスト・フォルターナ//

 【年齢:25歳】

 【レベル45】

 【HP:32500】

 【MP:36500】

 【スキル】気配遮断/暗歩/擬態/瞬足/影...

 【属性】闇




 なんだこれ。完全に暗殺者のスキルやん。

 うおー、強いな。。



 ・・・・・


「気配遮断/暗歩/擬態/瞬足/影、、ですね」



「ミストどーだい?」


「はい。当たってます」



「なるほど、、あんたは”鑑定”を持ってる。まーたレアなスキルを保有してるもんだね」


「はい。その通りです。ミストさんのスキルは完全に暗殺者に適した能力なんですね」


「そーさね。じゃなきゃ裏の仕事なんて出来ないよ。この事を知っているのはギルドマスターのガイザーだけだからね、他に言うんじゃないよ」


「こんなこと誰に話せっていうんですか””」



「はははッ!そりゃあ違いないね!まぁウチは主に宿屋だからね、ソウマは今の部屋をずっと使ってればいいさ。依頼を受けてくれるなら宿代はいらないよ」



「ありがとうございます!!やります!」


「交渉成立だね。こちらこそありがとうソウマ。うちのミストも宜しくね!なんだったら妾にしてやってくれよ。笑」



「ぶッッッっ!!!な、何を言ってるんですかゼイネさんッ”””」

「マスターーー!!!!!」


「はははは!!これでお互い意識しあうんじゃないかい?ww」




 あーーー顔が熱い。ミストさんの顔も大分顔が赤くなってる。




「まぁそれは置いといて。ウチは冒険者もよく使うから難癖つけてくる輩がいるからね~ww 舐められないようにね! まぁあんたの礼儀正しい所、私は気に行ったよ!ただ舐められたら冒険者は終わりだよ」


「実力で証明しますww」


「言うねー!!あんた気に入ったよ!そういえばまだ食事とってないんだったね!お代はいらないからいっぱい食べていきな。成長期だろうからね!」


「やった!! はい!ありがとうございます! ぜひお願いします!」




 そんな豪快な宿屋のマスター・ゼイネさんに気に入られた事に後ろ盾が出来たみたいで嬉しかった。何たって元Aランクの冒険者だし、やり手宿屋のマスターだからな!



 さっそく今日から冒険者の仕事も出来るし、ゼイネさん達からの仕事もありそうだし、伝手が出来てよかった。


 いっぱい稼ぐぞー””




ありがとうございます。

ご評価いただければ幸甚です。

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