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カヤ

誤字脱字があったらご指摘お願い致します。


「………カヤ」


「カヤ…いい名前だね!! 俺は冒険者してるんだ、少し話しようぜ?」



「私に構わないで…」


「何でよー。歳はいくつ? たぶん俺たち歳も近いよな」



「邪魔……そこ、、どいてほしい」


「あ、ちょっと待ってって! 少し君と、、カヤと話したかったんだ」



「…馴れ馴れしい」


「いやごめんて。。。ほら!これ!食べない? 串屋のおやっさん温めてもらったんだ」




「・・・・・・ゴクッ」


(ほらお腹減ってるんだよね。串を凝視してるからw)




「ね?少し話しようよ」


「い、いらない。。私帰らないと」


「家はどこ?送っていくよ」



「わ、私に関わらないで!! さっきのおじさんも、、関わらない方がいいって言ってたじゃない!!」


「そ、そんな大声で叫ぶなよ…大丈夫だって。俺がカヤを守ってあげるから!」



「私に関わったらキミは殺される。。。だ、だから付いてこないで!!」



 そう言葉を放って走り去っていった。

 本来なら追っかける所なんだろうが……余りしつこくして嫌われたくないし…。


 そんな思いから追うことは諦め、走り去って行く後ろ姿を眺めていた。

 

 まぁまた明日もここでミサンガ売っていたらその時にでも話しよう!と思い、『月夜の光』に入っていった。

 

---------------------------------




『月夜の光』 


 フロアを見渡すと、受付カウンターがあり客間とは反対側には食事処が隣接している。食事処には複数の冒険者がいるが、それほど多くはなさそうだ。この時間だとバー的な使い方に代わるのだろうか。

 大抵の大きい店や宿屋には、受付フロアに隣接して食事処スペースがあるように見受けられる。

 おっちゃんがおススメしてくれた通り、入ってきた雰囲気からしても確かに人気の宿屋に感じられる。前世の記憶にあるリゾートホテルには程遠いが、衛生面は大丈夫そうで安心した。


(うーむ、ここって普通の宿屋より絶対値段高いんじゃ…)



 悩んでいたってしょうがないので受付カウンターに足を運ぶ。



「こんばんは(ニコ)。お泊りですか?」


「あのー予約とかしてないんですけど、部屋は空いてますか?」


「え?」「え?」

「ん?」「ん?」

「あのー」「はいー」


 受付の子とよくわからないやり取りが始まり、そして何故か驚きと疑問の表情を浮かべている。


(なんだこの空気は。。)


「あのヨヤク?とは何ですか? お部屋は空いてますよ?」


(おお!しまった! 受付の女性からしたら俺がよくわからないことを言い始めたのか!ネット環境なんてあるわけないじゃないw)



「お一人ですよね?」


「あ、一人です一人です」汗)



「はい、わかりました。お名前をお伺いしてもいいですか?」


「ソウマです。ソウマ・ツブラヤ」



「ソウマさんのご職業は冒険者ですか?」


「あ、はい。そうです」


「じゃあギルドのランク証を見せてもらってもいいですか?」




(あーそういえばギルマスの部屋で話終わりに渡されてたっけ…)



 カウンターの下で見えないように空間収納からギルド証を取り出す。また大っぴらにロストマジックなんて使ったら何て言われるか堪ったもんじゃない。



「これですよね、お願いします」


「確認しますね!」



・・・・・・・・・



「あのソウマさん? ソウマさんはギルドマスター承認印が押されてるけど、見たところEランク表記になってますよね。。。?」


(んん?今度は受付の姉ちゃんがわからん事を投げかけてきたぞ?)



「承認印というのはよくわかりませんが、Eランクのはずです」


「承認印がわからないんですか?」


「えっとー…はい、すいません」


「うーん、確かにギルド登録の時には説明を受けないけど、一般常識ですよ?」



「う、、はい。ごめんなさい」

(何故に俺が説教される。。。_| ̄|〇。。。)




「しょうがないですね。。お姉さんが特別にソウマくんに教えてあげます。特別ね!」ニコ)


(いや・・・距離の詰め方な。。ギューーーン””)



「いい? 承認印とはその名の通りギルドマスターが認めているという証明よ。これが印字されているという事は、決められた制限区域内にも入ることが出来るの」


「ほうほう」



「ギルドの依頼には冒険者でも商業者でもランク分けされているのは知ってる?」


「うん。それは知ってます」


「制限区域内に入れるという事は、ランクを超えた依頼も受ける事が可能ということ。だから指名依頼が入ることもあるの。冒険者なら迷宮の森とかガルド山とはポイズン・スワンプ。商業者なら貴族街やお城、あとは他国よね」


「おぉー!なるほどーー!」



「なんか楽しそうね。。。世間一般ではSランク証には対外印字されているみたい。あとはAランクで認められた数人とか。今の冒険者ギルドにはSランクソロは1人でパーティが2チームしかいないらしいわね。Aランクソロは3人。パーティは1チームね」



「ふむふむ。詳しいんですね」

(なるほど。Sランクが一人って言ってたのは()()が一人ってことだったのか)



「あんまり分かっている反応じゃないわね。。。」


「え?ちゃんと聞いてましたよ?」




「つ・ま・り!! Eランクで承認印が押されているなんて、前代未聞よ!!!」




「・・・あぁぁぁぁぁぁーーーー!!」


(あの親父(ギルマス)何してくれとんじゃーーー!! そんな大事な事は言っておけよ!!!!)




「うぅ…マジか。。。」



「これは本当なの? それともあなた詐欺師?」


「そ、それは違う! 俺も今そんなのが押されている事知ったんだよ!! ホントですって!」



「うーん。確かに嘘は言っているようには見えないのよね~」


「いやホントですって! どうしたら信じられますか?本当ならギルマスに話させるのが一番ですけど、今からはそれは出来ないし。。。」



「そしたら! ソウマくんが承認印を押されているだけの実力を見せてくれたらお姉さん信じるわ」


「本当ですか?!!」



「ええ。だけど実力を見せようとして宿屋を壊さないでね。もし本当にそれだけの力があったとしたら壊されかねないし、私もマスターに怒られちゃうわw」



「そうですね、、わかりました。。。

 あのお姉さんに信じてもらいたいのでお見せしますが、見ても騒がないで頂けますか?ギルドでもそれで大騒ぎになってしまったので。。。」



「私の名前はシェリルよ。ええ、約束するわ。だけどそんな事言うってことは本当に驚くほどのモノが見れるって事ね。私って運がイイ⤴⤴」



(あなたも楽しいそうですね…

 さっきは見せなかったけど、空間魔法でいいか)



「じゃあ見せますね」と言いつつ、周りを一回確認して近くに冒険者や他の客がいないことを確認する。



ヴウォン””


「これが空間魔法。ロストマジックと言われているようですが…

 何か出し入れしないとわからないですよね”” さっきのランク証を貰っていいですか?」


 と言ってお姉さんからランク証を預かり、収納に収める。



「空間魔法の中は無限に収納が可能です。今は他に魔物とかが入ってます」


と話しながら、討伐した魔物の頭だけを覗かせてみる。



「えええええッ「ちょーー!!ストップストップ!!シェリルさんッ!!!!」



「えー……あー、、、もちろん大丈夫よー……」



(いや、思いっきり声出てたやん!!)



「さすがに私もロストマジック見せられると思ってないわよ。。。」



「ハハ、、ですよねーー…でもこれで信じてもらえますか?」



「私だってそんなバカじゃないわ!普通は信じるわよ、そんなとんでもないモノ見せられたら!」



「じゃあ、一部屋お願いします!!」



「もちろんよ! でもそんな冒険者ならスウィートにでも泊まれるんじゃない?」



「や、やめてくださいよ。まだ依頼も受けてないのに、スウィートに泊まるお金なんてないですよ!」汗)


「あら、そうなの。ソウマくんがスウィートに泊まるならシェリルお姉さんがお部屋に遊びに行こうと思ったのにww」


(なぬ!?? しかし、リアルにお金ないし~泣。)


「まぁそんな冗談はおいといて、


(冗談かーーい)



「じゃあ普通のシングルでいいかな?」


「あ、シェリルさん。部屋の価格帯を教えてもらっていいですか?」


「あーそうよね。ごめんごめん。私ったらつい興奮しちゃってww 

 えーっと、シングルは銀貨3枚ね。ダブルになると銀貨が5枚。トリプルは金貨1枚。パーティ用の3人部屋は銀貨7枚。4~5人部屋は金貨1枚ね。スウィートは金貨2枚よ。さらにその上もあるけどねw」


「やっぱり高い。。。シングルで」


(他の宿屋の相場も見てみないとな~)



「そうだよね。じゃあこれが鍵よ。宜しくねソウマくん♡」


(あ、ちょっとその笑顔はくすぐられる##)




「ありがとうございました。じゃ、じゃあ失礼します」



「あ、ソウマくん」


「は、はい。なんでしょう?」


「オヤスミ♡」


「おぉぉ、オヤスミんなさイイ」



 ニヤけた顔がバレないよう、鍵だけもらってそそくさとロビーを後にした。


 部屋に入るや否やベッドへダイブ。


 はぁ~なんだかんだで濃い一日だったー。と思いながら伸びをすると、そのまま眠りに落ちてしまっていた。



更新に時間がかかる旨、ご了承ください。

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