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逃走ーーー②

「今ね、出動できる全ヒロインに協力を要請しているの。アデル………と、そうね。ひぃふぅみぃ……」


 花火はアデルに目を向けたが、何を思ったのか、この場にいる人を数え始める。


「……うん、ちょうど六人ね。あなた達、即席のギルドを作ってあの逃げたアビスを討伐してくれない?」


 と、一瞬何を言われたのか分からなかった祐樹達だが、理解した瞬間ーーーー


「「「「はぁ!?」」」」


 アデル、菜々を覗いた四人が声を上げた。


「ちょ!?先輩!?俺たちこれから入学式なんですけど!?」


「ふーんだ。お姉様って呼んでくれない祐樹君の話には耳を傾けませーん」


 こんのどちくしょぉぉ!!と心で叫び、指をワナワナと震えさせ、ストレスがマッハに溜まっていく祐樹を見て、咄嗟に梨々花が話を引き継いだ。


「は、花火お姉様!私たちこれから入学式なんですけど!?」


「大丈夫だよ、梨々花ちゃん。校長先生には私から話通しておくから」


 にへらぁと笑い、お姉様と言われたのがそんなに嬉しいのか。頬をだらしなくさげた。


「それじゃあ、リーダーはとりあえずアデルがやってね。最年長だから」


「ん、了解した」


 それじゃあね~と言って、まるで嵐のように六人の元を去っていく花火。今度あったら一発殴ると決意した祐樹の肩を、何かを察知したカタリナとアンナが全力で止めていた。


「……あ、あの!!」


 そんな状態の中、濡羽色の少女。菜々が自身に注目を浴びさせるように大声を上げた。


「……えっと、ごめん。君は?」


 当然、名前を知らない祐樹は菜々に対して名前を名乗るように促す。何を緊張しているのか祐樹には分からないが、何故かピシッ!と気をつけの格好になった。


「わ、私!今回からこの瑠璃学園に外部入学してきた朝凪菜々っていいます!先程は助けていただきありがとうございました!」


 と、元気な声が響く。先程まではたくさんのヒロインが遠巻きに見ていたが、アビスが撤退した後、花火とは別に来ていた上級生が、一人のの新入生を除いて体育館へと誘導させていた。


 祐樹達は、一瞬にしてアイコンタクトを交わすと、祐樹が1歩前に踏み出した。


「よろしく、朝凪さん。俺は小鳥遊祐樹。見た通り男だ」


 と、簡潔に祐樹は済ませ。


「二宮梨々花!よろしくね!菜々ちゃん!」


 梨々花は元気にいっぱいに挨拶して。


「カタリナ・ナパーム・ゲッテムハルトですわ。よろしくお願いします、菜々さん」


 と、上品にカタリナは挨拶して。


「………アデル・フランシスカ。よろしく」


 と、アデルは無表情に挨拶して。


「……私はやりましたから必要ないですわよね?」


 アンナは既に済ませていた。


「そ、その。わ、私……この学園に来たばっかで、ジャガーノートを支給されているのはいいんですけど、扱った事がなくて………」


「……なるほどです。新人ヒロインという訳ですか」


「は、恥ずかしながら………」


 と、何故か徐々に縮こまっていく菜々に対し、女性陣が何か小動物を愛でるような何かに目覚めかけたが、危うく留まった。


「……となると、簡単になるけどジャガーノートとの契約を済ませたほうがいいな」


「新人ヒロインを抱えて、となるとギルド特有の連携が取りにくくなりますわ」


「そうだね、あと一人入ればいいんだけど……」


「ふふふ……その言葉を待ってました!」


 まるでその言葉が出てくるためだけに待機していたかのように、近くの柱からひょこっと顔を出した亜麻色の少女。


 それは、校門に祐樹が着いた時に目が合って手を振っていた少女である。


「念の為に待機していて正解でした。きっと、祐樹くんが困った時に私を呼んでくれると信じて!」


「………いや、別に俺呼んでねぇし、なんなら今すぐお前を体育館に放り投げてやろうか?」


「いやですねぇ。私、これでも相当強い方なんですけどね」


 と、わざとらしくため息を着いた少女。急展開についていけない菜々の視線は、祐樹と亜麻色の髪の少女の顔を行ったり来たりしていた。


「あら、ごめんなさい。私、安達椎菜(あだちしいな)っていいます。よろしくお願いしますね、菜々さん」


「え! あ! 朝凪菜々です!」


 安達椎菜。亜麻色の髪と、ブラウンがかった瞳。例にも寄れず、祐樹とは中等部からの付き合いであり、自身の顔は整っていると知っていながら、それも計算した可愛い仕草というものを祐樹に披露しているめちゃくちゃあざとい少女。


 しかし、侮るなかれ。彼女のジャガーノートは盾型という、ヒロインには珍しいタイプなのだが、盾を守るなんてそんな勿体ないことはしない。直接ぶん殴り、銃をゼロ距離でぶっぱなすというのが彼女の戦闘スタイルである。


「……確かに、椎菜さんの戦闘力は頼りになりますわね……アデル様?」


「ん、問題なし」


 アデルの時だけ、様付けになるカタリナの声を聞き、全員が気合を入れた。


 男でありながらヒロインの小鳥遊祐樹。


 おバカだがキレキレの二宮梨々花。


 実力性格申し分無しのカタリナ・ナパーム・ゲッテムハルト。


 ドジと天才は紙一重なアンナ・フィーネ。


 孤高の最強ヒロインのアデル・フランシスカ。


 新人ヒロインの朝凪菜々。


 そして、あざと可愛い安達椎菜。


 この七人が、アビス撃破に向けて、移動を開始した。

欲がやべーです。更新したい欲がやべーのです。


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それと、日間ランキングありがとうございます。

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