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護衛集合ーーー②

 若菜が先駆けて祐樹に話しかけたことにより、残りの五人も祐樹の元へ行き、自己紹介をする。


 雪ノ下学校護衛の白木原(しらきはら)ミラ。


 蓮華学校護衛の長宗我部神奈(ちょうそかべかんな)


 竜胆女学院護衛のサブリナ・ハウエル。


 撫子女学校護衛のハリエット・ブリュースター・ハイグル。


 苧環学園護衛の羽茂優花(はもちゆうか)


 そして、雛罌粟学院の国崎若菜。


 ここにいる10人が、各学園長から護衛を任された各学園での最高戦闘力ーーーつまり、各学園のトップが集まっていると言っても過言ではない。


 ここにいる全員が、一騎当千の力を持っている。


「この学園会議ってどのくらいで終わるか知ってるか?」


「毎年毎年、時間が違うらしいが……私もここに来るのは二回目だからな。詳しくはわからないが……」


 祐樹がアメリアに聞いたが、アメリアは二回目ということなので分からない。だから三年生の美波が代わりに答えた。


「確かに、毎年毎年時間は違いますがーーー確実に言えるのは、3時間は余裕で超えます」


『…………………』


 全員が一斉に黙った。そう、3時間。この人数ならば、一時間は余裕で耐えれるだろう。しかし、殆どのメンバーは顔合わせを約1年くらいしていないので、話題に少し欠ける。


 ならば、どうやって三時間この部屋にいるか。トイレの際にこの部屋を離脱することは認められているが、それ以外の退出は認められていない。


「それなら、人生ゲームでもするかの。持ってきておいて良かったのじゃ」


「……なんで持ってきてんの?」


「待て、その前にどこから出した?」


 明らかにこの場に不相応なボードゲームが樹莉の体から飛び出た。


「細かいことは気にしないでいいのじゃ。やるかやらないか。その二択だけなのじゃ」


『…………………』


 結局全員やることになった。


 流石に10人で人生ゲームをやるのは無理なので、チーム分けをすることになった。一本から四本まで指を立てて、同じ指の数の人とタッグ、又はトリオを組んでからスタート。


 その結果ーーーーー


 Aグループ、祐樹&美波


 Bグループ、アメリア&ミラ&優花


 Cグループ、国崎姉妹&神奈


 Dグループ、ハリエット&サブリナ


 の組み合わせになった。


「頑張りましょう祐樹さん。あの大侵攻を乗り超えたチームワークで勝利を掴みます」


「いや、これチームワーク必要ないですけど?」


「ミラと優花か……頑張ろうな二人とも」


「はい。チームワークは全くもって関係ありませんが、力を合わせてやりましょう」


「人生ゲーム………私、やったことないけど……」


「行くよ!樹莉ちゃん!皆で祐樹くんと結婚してうはうはハーレムよ!」


「ほれきた!」


「ふぇぇ!?」


「………色々と大丈夫なのか?これ」


「問題ないんじゃないかしら……ゲームだしね」


 各チーム、意気込みも終わったところで、人生ゲームがスタートした。






 そして、人生ゲームというなのカオスゲームが始まって一時間。この人生ゲームが普通の人生ゲームと違うのは、プレイヤー同士で結婚ができるというシステムがある。


 一体なぜこのシステムをつけたのか製作者に問い詰めたい。切実に、祐樹はそう願っていた。


「………ふむ、『夫の浮気が発覚して離婚』……これ祐樹殿、どういう事じゃ?」


「いや、俺そもそもまず誰とも結婚してないし、その顔やめて。演技としてもやりすぎじゃない?」


「へぇ?祐樹くん、そんなこと言っていいと思うの?こーんな美人姉妹二人を娶っておいて」


「め、めんどくせぇこの姉妹…………」


 宣言通りしっかりと祐樹が所属するAグループとの結婚に成功したCグループ。樹莉がこれみよがしに甘え始めたので、それに姉である若菜も悪ノリした。


「ちょ、高槻先輩助けて………」


「………ごめんなさい。そうしたいのはやまやまなのだけれど……」


「……きゅう……」


 美波は、この二人のテンションについていけなかった神奈のお世話をしており、二人はこのゲームから一時離脱をしていた。


「ほれほれ、浮気相手を白状するのじゃ」


「はいはい……ルーレット」


 当然、浮気相手となれば、BかDしかいないので、ルーレットを回す。


 止まった数字は7。1~5に止まればB、6~10に止まればDということなので、浮気相手はハリエット&サブリナチームである。


「………なるほど、祐樹は私達と浮気したかったのか」


「不潔、です」


「ねぇ待って二人とも。特にサブリナはめっちゃ待って。このゲームで俺の事不要に貶しめないで?」


「…………………」


 ーーー不憫すぎるぞミスター………。


 こうして、祐樹がまたもや無駄に疲れたり貶しめられたりした人生ゲームは、祐樹の最下位という結果で終わった。


「………なんか納得できねぇ」


「……どんまい、です」


「仕方なかったです。敵として見ていた私でさえ可哀想に思えましたから……」


 落ち込んでいるところを、優花とミラに慰められた。

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