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護衛集合ーーー①

「それではこれより、学園会議を始める」


 この中で1番歳上である正吾郎が開始の宣言をした。


 あれから、無事に祐樹達は学園会議が行われる部屋まで辿り着きそこに丁度タイミングよく美冴が現れ、合流が出来た。


 しかし、護衛のために連れてきたヒロインは別室にて待機しないといけないため、祐樹と美冴はお別れ。アメリアとフェリシアに引っ張られるような形で、祐樹は連れ去られて行った。


 美冴が最後だったため、部屋に入り席へ座ると、直ぐに学園会議が始まった。


 日本にあるヒロイン育成学校は全部で十校。


 序列一位『瑠璃学園』


 序列二位『椿原学園』


 序列三位『青野学園』


 序列四位『聖百合花女学院』


 序列五位『雪ノ下学校』


 序列六位『雛罌粟(ひなげし)学院』


 序列七位『苧環(おだまき)学園』


 序列八位『蓮華(れんげ)高校』


 序列九位『竜胆(りんどう)女学院』


 序列十位『撫子(なでしこ)女学校』


 序列に深い意味は無いが、序列が高いほど最前線という意味であり、一番アビスを年間で倒している学校だ。


 圧倒的に多いのが瑠璃学園で、次の二位~五位まではそこまで遜色がなくて、六位~九位が二週間に一回程度の間隔でアビスが現れるが、十位は、何らかの原因で戦えなくなったヒロイン達の避難地である。


「さて、今回の議題も二週間後に控えている『ヒロイン大運動会』についてなんだが………」


 そして、これから会議という名の、うちの生徒たちってこんなに凄いんだぞーという自慢が始まるのであった………。


 一方その頃、護衛控え室に連れていかれた祐樹はーーーー


「………樹莉、なんで俺ここまで来て人生ゲームしてんの?」


「しょうがないじゃろ祐樹殿。やること無くて暇すぎるのじゃ……ほれ、三万よこせ」


 人生ゲームに勤しんでいた。


 時は少し遡り、アメリアとフェリシア、沙織に連れられてやってきたのは護衛控え室。フェリシアと沙織は護衛では無いため、ここでお別れである。二人と「またゆっくりお話しましょう」という約束をしてわかれ、アメリアに手を引かれながら部屋へ入った。


「ぬお?おぉ!祐樹殿!息災だったかのう!」


 部屋に入ってきた祐樹にいち早く気づいた聖百合花女学院学院長護衛の国崎樹莉がとことこと祐樹の元に近づいた。


「久しぶり樹莉。まぁ、元気だったよ」


「そうかそうか。たまに電話をしておるものの、こうしてきちんと健康な姿を見れて嬉しく思うのじゃ」


 と、にっこりと笑う樹莉。それにつられて祐樹も微笑を浮かべた。


「お久しぶりです、祐樹さん……お怪我なくて、何よりです」


「高槻先輩、お久しぶりです。それと、心配をお掛けしました」


 次に声をかけたのは、青野学園の高槻美波だ。最初は祐樹のことを敵視していたが、彼女は自身の目で見たものしか信じないタイプの人間だ。しっかりと祐樹の覚悟と信念を認め、今ではこうして柔らかい笑みで迎えてくれる。


「本当です……あなたが、あのアビス相手に向かっていった時は、あの広夢でさえ心配してましたから」


 もし、この場に『ライオンゴロシ』のリーダーである広夢がいたら、祐樹に対して最大限の罵倒と最後に思いっきり否定をするだろうが。


「そうだぞミスター。あれは流石の私でも背筋が凍った」


「うむ。エレナも物凄い心配しておったのじゃ。今度あったら謝っておくのじゃ」


「お、おう……そうだな」


 と、アビス大侵攻組が話している中、その四人に近づく人影が。


「へぇ……君が噂のユウキクンねぇ」


 樹莉の頭の上に顎を乗っけるようにして祐樹に話しかける女子。急に話しかけられ、祐樹はポカーンとしたが、下になっている樹莉はジト目で上を見上げた。


「……何しとるんじゃ姉様。儂の頭は置き場所ではないぞ」


「そんな硬いこと言わないの。あと、丁度いい場所にあるのが悪い」


「なんじゃとー!?」


 突然親しげに話している二人を困惑気に眺める祐樹。


 ーーーなんか、どことなく雰囲気が……。


 樹莉の頭に顎を載せている女性の髪は黒色で、瞳の色も黒色。そして、なんとなく似ている顔立ち。


「……ん?あ、ごめんねー!自己紹介がまだだったね!」


 と、言って樹莉に寄りかかるのをやめた女性。


「私の名前は国崎若菜(くにざきわかな)。樹莉ちゃんのお姉さんです!」


「誠に遺憾なのじゃが、儂の姉様なのじゃ……」


「………………え!?」


 祐樹は慌てて顔を上下に移動させ、若菜を見て一言。


「……語尾が古臭くない!?」


「誰が古臭いかー!?」


 その言葉に樹莉が噛み付いた。


「あはは。よく言われるけど、私と樹莉ちゃんはれっきとした姉妹よ。ほら、似てるでしょ」


 というと、若菜は少し頭の後ろでまとめていたツインテールの髪ゴムを取ると、樹莉と同じストレートな髪型になり、横に並んだ。


「「「あ、似てる」」」


「でしょー?でも、語尾は似てないのよね……なんでこうなっちゃったのかしら?」


「だから生まれつき言うとるじゃろが!」

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