使命
「クソが!なんでここに騎士が出ている!?」
「瑠璃学園へのヒロインの応援をだーーーーーグワッ!?」
一人の白衣を着た研究員の胸が、アビス特有の機械の腕に貫かれ、一瞬で絶命する。その隣にいた研究員は腰を抜かし、その研究員を貫いた腕でそのまま貫かれた。
アビス危険度特別ランクSSS騎士。人型のアビスでひっそりと現れては、何故かフェンリルの施設を襲っている謎多きアビスで、エル・ドラドが設定している危険度範囲から飛び出している最強最悪のアビス。
ーーーこれで全部か?
まぁ祐樹なんですけど。
アビスの殻を纏い、周りからは完全に人型の機械生命体にしか見えないようにしているので、万一にも祐樹と正体がバレることは無い。
栃木県のとある山奥に隠されているように建っていたフェンリル研究所。その場所で非人道的な実験を行っていると美冴から任務が与えられ、小鳥遊祐樹ではなく、騎士として心までアビスにして殲滅をしていたのだが………。
独房内に使い捨てられたように死んでいた多数の少女を見て、祐樹の怒りのボルテージが完全爆発。この施設が粉々に粉砕&職員皆殺しが確定した。
ちなみに、証拠としてこれを提出すればいいと思う人もいるだろうが、フェンリルはあの手この手で逃れようとするし、政府も公的にはフェンリルは『アビス研究機関』として認めているので、擁護しようとするーーー特に、反ヒロインの頭の固い上の奴らが際立って擁護するので、こうして美冴と祐樹が独断的に制裁を加えているのだ。
彼らは、分かっていないのだ。ヒロインが戦うのを辞めた瞬間、本土なんてあっという間に消滅してしまうことが。
彼らは、分かっていないのだ。何故ヒロインが命をかけて戦っている理由が。
そんな思いを踏みにじるような行為。許すわけにいかない。
ーーー粉々に吹っ飛ばす!
機械の腕が暴れ回り、施設をことごとく破壊していく。祐樹の後ろにある、ゆりかごを模した機械の腕の中から、ひょっこりとシアンの瞳が覗いていた。
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