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聖百合花女学院ーーー①

 椿原との話が終わると、次は百合の花が校章の聖百合花女学院だ。


「初めまして裕樹さん。聖百合花女学院学園長の千切花音です」


「小鳥遊祐樹です」


 学園長という割には、見た目はそんなに歳はとっていないように見え、多く見積もっても30代にしか見えない。本当にウチの学園長と先輩後輩だったのだろうかと、裕樹は横を見ようと思ったが、何かとてつもない寒気を感じたので、視線を固定した。


「そして、私の隣にいるのがーーー」


「『セクメト』リーダーの国崎樹莉(くにざきじゅり)じゃ。よろしく頼むぞ」


「『プリティヴマータ』リーダーの、エレナ・ヴァン・レッドグレイヴです。よろしくお願いしますね」


 聖百合花女学院ギルド格付けランクSSS『セクメト』リーダー、国崎樹莉。中々個性的な口調をしており、見た目も黒髪黒目と少し和風な感じの少女だ。無意識のうちに、着物が似合うんだろうなと思った。


 同じく聖百合花女学院ギルド格付けランクSSS『プリティヴマータ』リーダーであるエレナ・ヴァン・レッドグレイヴ。イギリスにあるジャガーノート製造会社であるレッドグレイヴ社のご令嬢。薄い青色の髪と、同じ色をした瞳の、またまた容姿の整っているヒロインだ。


「本当は私も喋りたいけど、今日はこの子達に貸すって決めてるからね。またね、祐樹くん、いつか二人っきりでお話しましょう?」


 と言うと、花音の姿は消え、そこにいるのは樹莉とエレナだけになった。


「全く、学院長にも困ったものじゃの……そう言われても、初対面の儂らと祐樹殿に盛り上がる話題もないというのに……」


 と、些か老じーーーではなく、古風な喋り方をする樹莉に意識がものすごく持っていかれる。


「……もう、樹莉さん。この時くらい口調は何とかなりませんか?」


「ならんのう。そもそも、儂は産まれてからこの喋り方なのじゃ!」


 やっぱり老人臭い口調で、呑気に話を続ける。二人。あ、これこっちが慣れないといけないやつだと思った。


「………こそん、小鳥遊祐樹だ。二人の名前は流石の俺でも知っている」


「お?そうなのか?それは嬉しいのう」


 カカカッ!と笑う樹莉。


「実力者揃いの瑠璃学園にいわれると、なかなか嬉しいものですね」


「またまた、ご謙遜を」


 樹莉とエレナは、実力的に言えば瑠璃学園最強ヒロインのアデルと同等と言われている。


 しかも、二人とも祐樹と同い年というのだから、その天でも有名である。


「儂らも、祐樹殿の噂を知っておるし、聖百合花にも、祐樹殿を嫌っている人はいないのじゃ」


「はい、『セクメト』及び『プリティヴマータ』も、祐樹様の傘下に喜んで入らせて頂こうと思います」


「あぁ、ありがとう」


 と、普通ならここで話は終わるのだが、「なんじゃ?」と言って樹莉が画面外に出ていった。それでも通話は続いているので、なんだ?と思っていたが、直ぐに樹莉が戻ってきた。


「すまんすまん、祐樹殿。明日、儂らはいち早く瑠璃学園の方にお邪魔することになっておる。出迎えをよろしくとのことじゃ」


「…………ん?」


「……あ、そう言えば伝え忘れていました。明日のお昼すぎに、そちらにお伺いしたいと思います」


「…………………」


 聞いてないんだけど、という視線を美冴へ投げる祐樹。しかし、美冴な全くもって目を合わせようともしない。


「………分かった。昼過ぎな。約束通り迎えに行こう」


「うむ!直接会えることを楽しみにしておるのじゃ!」


「それでは祐樹様、また明日」



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