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秘密結社青春  作者: 白色真
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6話 箱の中身

誤字や変な部分、矛盾点などあったら教えて欲しいです。

翌日13時南門に4人が揃い歩きながら雑談をしている。

そして、『何でも貸しますや』通称ナンカシに着いた。


「初めてきたけど中々小さいな」


着いて第一声は桃花のそんな声だった。ナンカシは小さい一軒家の一階の部分がお店であり、2階が恐らく店の人が住んでいるのだろう。陸が先陣を切ってドアを引き中に入る。

中からは「いらっしゃーい」と中年のおじさんの声がした。


「あのー大きいクラッカーって置いてますかー」


陸が大きい声で用件を言うと図太い声が中から帰ってきた。

店主やお店の物が相まって変な感じだ。レンタルには灯油の蓋があったり、赤コーン、ストレッチグッズ、パペットなんかもあったりする。そして店主は図太い声.....ちょっと笑える。


「あーあるよー何個いる?」

「4つ欲しいんですけど試し打ち先にしたいので弾は5つ欲しいです」

「あーわかったー」


数分後180センチのスキンヘッドのおじさんが出てきて驚いた。陸と真由美は一歩後ろに下がってしまった。


「はい、これ。持ち手の部分は返してください。弾は返さなくて良いです。持ち手と弾一つ当たり千円で1週間です。五千円以上レンタルですので、千円で引かせてもらいます。合計で八千円です。こちらのレンタル証明書。使用同意書にサインをしてください」


『『『『めっちゃ丁寧だー!!』』』』


4人とも顔を見合わせて同じことを思ったのだろう、その場で笑みが溢れてしまった。


「わかりました。」


陸が率先しサインを始める。使用同意書には使用上の注意が書かれていた。人に向けない、火元での使用は禁止、など簡単なものばかりだった。サインをしお金を払った。


「最後に一つだけ説明書にも書いてありますが、他のものを入れるとき、重いものはご遠慮ください。不適切な使用により弾が壊れた場合は交換等できませんのでご注意を」


4人で店主な話を聞きナンカシを後にした。


「取り敢えず、試し撃ちの前に紙吹雪の方作らないとね」


荷物は陸がもち真由美がお釣りを封筒に入れ次の工程に進む。その時桃花が手を挙げ笑顔で告げた。


「ここ来る前にあった文房具屋に一色だけの折り紙、何枚入りかは忘れたけどあった気がする!!」

「じゃあ、そこに行ってから公園で一度放ちますか」


そして、公園で試し打ちを行った。バンっと音が鳴り中の物が勢いよく飛び出した。公園での試し撃ちはゴミが出ると大変なので元々中にある繋がった物を使った。


「これならいけそうだね!」


体育館を良く知る陸がいけると判断した。


「じゃあ!戻って紙吹雪桜作りますかー」 

「はーい」


真由美はテキパキと進めていき桃花も少しだるそうであるが着いていく。真由美も意外と楽しんでいるのかもしれない。


校庭には運動部の声が鳴り響き、学生だなぁーっとしみじみ感じる。

地下室につながる階段を降りている途中先頭を歩いていた陸にぶつかった。


「うぅ、なんで止まったの?危ないよ?」


陸に注意するが陸は固まって動かなかった。


「おい、ダンボールがあるんだけど知ってるか?」


後ろの2人は階段の端に行き顔を出した。


「「知らない」」


2人は息ぴったりに言葉を返す。

俺もあのダンボールを知らない。誰かが置いたのか....恐らく青春だろう。

陸が動き始めダンボールの上の封筒を払い恐る恐る開けると中に小さな箱が入っていた。

更にその箱を開けると、4つの肌色の小さなイヤフォン状の物が見つかった。


「取り敢えず中に入るか....」


陸は恐る恐る部屋に入り誰もいないことを確認して中に入っていった。その後に続くように3人が入り、各自席に着く。

陸はダンボールを4人の机の中心に置き手紙を読み始める。


「お久しぶり。段ボールの中身はもう見た?これはね、イヤフォンなんだけど、携帯とは通信できません。それは、その物同士しか通信が出来ないのです。桜を満開にする時にご使用ください。充電器と説明書は箱の中にあります。

青春」


真由美は箱の中の充電器4つと説明書を出した。


「使用方法は耳にはめ中央を2回タップ。そうすると勝手に繋がるみたい。あと、充電はMAX12時間。距離は50メートル。意外と届くみたいだね」


そして真由美は充電器をイヤフォン刺してコンセントに繋いだ。イヤフォンの下の小さな電球に緑色が点灯した。


「充電はされてるみたい」


桃花は耳にはめ痛くならない位置を探していた。位置が決まったのか髪を耳かけこちらに見せてきた。


「どう?似合う?」


イヤフォンの色が肌色の事もあり一瞬ではイヤフォンがついてるから分からない。更に女子2人に関しては耳まで隠れているので分からないだろう。


一度俺も付け2回イヤフォンをタップした。ポンっと音が鳴り3人の会話がイヤフォンから聞こえて来る。恐らく桃花起動しているのだろう。桃花の声はより鮮明に耳に届く。


「すげーな。これだと一々電話かけてやらなくて済むな。」

「そうね、簡単に起動と接続ができると楽だね」


皆んなは一度イヤフォンをケースにしまい次の話し合いに移る。


「それで、大きいクラッカーで紙吹雪を放つ事は決まったけど、決行当日、中から体育館2階には恐らく入れない。体育館隅の梯子を使って体育館2階の外通路に行く事は決まったけど、窓には鍵がかかって開けれない。カーテンも閉まったまま。これをどうするか」


真由美が的確に状況を把握し3人に伝えた。その話を聞き陸が嬉しそうに周りを見始める。


「俺に良い案があるぜ。部活の三年生の先輩が言ってたんだけど、入学式準備は入学式前日に新三年生が準備を行うのがこの学校の取り決めなんだとさ。めんどくさーって言ってた。そこで、俺らがその日に制服で体育館に入りカーテンを閉めて窓の鍵を外しておく。そして当日は外から2階外通路に行き窓を開け放つ。どう?」 


陸の作戦は中々良い作戦だった。当日制服で紛れ作業しててもなんも怪しまれないだろう。少しぐらい大胆な行動を取ったとしても皆んな制服を着ている。そう簡単には分からない。


「一様マスクを着けて行こう。この時期花粉症で付けてるやつなんて沢山いる。顔を少しでも隠しておいた方がいい。」

「だな」

「じゃあ、今から花びら作りやろっか」


真由美の発言に桃花が心底嫌そうな顔をした。


「私用事が.....」

「無いでしょ?」


笑顔を貼り付け桃花に言葉を放った。桃花は身震いしたのが腕で体を抱いている。


「......ないです」


涙目に鳴りながら桃花はハサミで花びらを作り始めた。

読んでくださりありがとうございます。

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