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ゲームとうしろ、↗のプレイング  作者: にゃん太郎
4/6

4話 協会内で起きた喜び

②協会に行こう

協会に行って職業に就こう


ユキはチュートリアルの続きを行う為に移動を始めた。

が、数歩歩いて足が止まった。

「協会ってどこだろう…。」


キョロキョロしながらウロウロ歩いていると、

他のプレイヤーが何となく同じ方に進んでいることが分かった。

ユキはおそらくその方向に協会があるのだろうと当たりをつけ進んだ。


しばらくすると8階建ての大きな建物が見えてきた。

中に入ってみると、人でごった返していた。

「人が多いわね、皆チュートリアルを行っているのね。」

そう呟きながら受付を見てみると、行列が出来ている場所が2つ

ガラ空きが1つあった。

よく見てみると行列に並んでいる人は男女で綺麗に分かれていた。

何故か疑問に思い、列の先を見てみると受付をしている人に理由があった。

男性が行列を作っている場所は、美人の受付嬢がニコニコ笑いながら応対していた。

逆に女性の列は、イケメンの細マッチョにいさんがさわやか笑顔で対応していた。


ユキは並ぶのが面倒だと思い3つ目の人がいない受付に行った。

「すみません対応お願いします。」

そう言って話しかけた相手は、ゴリマッチョのガタイが良い、顔に大きな古傷のあるスキンヘッドのおっさんだった。

服が異世界風ではなくスーツだったとしたら、ヤの者と見まごう怖さだった。

これが理由で人が並ばないのだろう。

「珍しいな、この受付に並ぶとは。」

「行列に並びたくないですから。」

「たしかに、俺も待つのは嫌いだな。」

その男は顔に似合わずニコリと笑い返事を返すと、受付の下から水晶の板を出した。

「この板に手を押し付けてくれ。そうすると職業が現れるから、その中から就きたいモノを選んでくれ。」

ユキが水晶に手を置くと、説明通りに職業がたくさん出てきた。


・戦士見習い 【武器】剣、槍、槌、棍、杖

・猟師見習い 【武器】弓矢、スリングショット、罠、鞭

・格闘家白帯 【武器】手甲、脚甲、暗器

・占い師   【武器】水晶、本、杖、指輪

・僧侶見習い 【武器】信仰心

・生産者見習い【武器】自身の腕、自身の頭脳

・商人見習い 【武器】自身の頭脳、自身の体


字面から、その職業でどのようなことが出来るのかが予想できる。

職業はメインとサブが決められるようなので、

ユキはメインを【占い師】サブを【生産者見習い】にした。


「職業は決めたな?メインは占い師、サブは生産者見習いか。占い師の詳しい話は5階、生産者見習いの話は7階に行け。」

「ありがとうございました。えっと…」

「ん?ああ、俺の名前はウルゴアス・ディラルゴだ。ここの協会会長している。よろしくな。」

「はい。私はユキっていいます。よろしくお願いします。」



ユキは5階に来ていた。ここは占い師を選んだ人が来る場所らしく、同じような考えや夢を持つ人たちが集い、楽しそうに話し合っていた。

「こんにちは、対応お願いします。」

「はい。こんにちは、こちらリリー・ルシアが対応します。」

「下で詳しい話はここで聞けって言われて来たんですが。」

「ええ、ここで間違いないですよ。では、お名前をお聞きしてもよろしいですか?」

「ユキといいます。よろしくお願いします。」

「ではユキ様、あなたはどの様な成長がしたいですか?」


リリーの話をまとめると以下のようになる。

占い師はその名の通り、占いをして仕事をクリアするためのヒントを調べる、依頼の後に得られるものをみる等を行える。

また、レベルが上がると数分後の予知が出来るようになったり、簡単な魔法が使えるようになったりする。

これらの話を聞き、ユキは予想通りという感想を持った。


「私はこの本に書いてある物を動かす魔法で、人形を動かしたりしてみたいの!」

その話を聞いてリリーは少しの思案の後、口を開いた。


「であれば、職業レベルを5まで上げるのが優先ですね。魔法が使えるようになるのがレベル3です。しかし、その魔法は魔法と呼べるかも怪しい【着火】や【微風】などです。

 レベル4でやっと物を浮かし動かす【レビテーション】を覚えられます。これを鍛え応用することでこの本のように自由自在とはいかなくとも、動かすことは出来るようになるでしょう。

 また、予知の応用で人の動きを真似する【トレース】の魔法も使えるようになります。これを同時発動することが出来るようになれば戦うことは出来ませんが、生活のお手伝いは出来るでしょう。

 これができるようになればあと少しです。職業レベルが10になると、転職が可能です。この時に使役系職業に就けば複数の魔法を同時発動する必要もなく、操ることが可出来るでしょう。やり方によっては操るのではなく自我を持たせることも可能なのではないでしょうか。」

「え!ほんと!?」

「ええ、話は以上ですが他に聞きたいことはありますか?」


夢が実現しそうということにユキは狂喜乱舞した。

ただし心の中で。

「ありがとうございました!リリーさん!じゃあ、今度はお人形作りのために7階に行ってきます」

「はい、行ってらっしゃいませ。」

「はい!」

リリーはニコニコしながらユキを見送ってくれた。



7階、ここには先ほどの場所ほど人がいなかった。

しかし、やはりガヤガヤと大騒ぎだ。


「こんにちは!」

「はい、こんにちは、こちら木工科になります。間違いありませんか?」

「あ、ここは木工担当の受付だったんですね?」

「ええ、間違いでしたか?」

「いいえ、私はお人形が作りたいんです。なので木工は必要不可欠な要素です。」

「そうですか、よかったです。ではアリスティーナ・フェルビィが対応します。」


こう会話を交わすと早速説明を受けた。


「私、魔法でお人形を動かしたいんです。」

「なるほど、ゴーレムですか」

「いいえ、違います!ゴーレムも興味はありますけど、私はお人形を動かしたいんです。」

「なるほど、つまり人形の作り方などを聞きたいわけですね。」

「はい!」


ユキはテンションが上がりすぎて

ガヤガヤしていた周囲はいつの間にか白い目で見ていた。


「ではこちらを」

といってアリスティーナがユキに渡したのは巻物だった。

「これは生産を行う際に、どの様に行えば目的のものが作れるかが書いてある、いわゆるレシピです。」

「へー、こんなものがあるんですね。」


二人はキャイキャイと話し込んでいるが、周りの人々は目を丸くしていた。

このゲームの生産は不遇と言われていた。

なぜならレシピが存在しないからだ。

β版の時は自分たちで物を作るにしても、どの様にすれば何が出来るのか。

全く分からなかったのだ。

段々と減っていく生産勢の中で、成功したもの者と、楽しくやれる者だけが生き残った。

いつしかゲーム内では生産は不遇でありながら貴重な存在という認識になったのだ。


しかし、その認識はユキによって覆された。

何がきっかけか受付嬢から木工のレシピを貰い喜ぶ少女。

この事実はすなわち、他の生産にもレシピが存在しているということ。

その為、周囲は白い目から驚愕の目に変わったのだ。


「ではユキさん。生産は自分でオリジナルを作ることが醍醐味。

このレシピを差し上げますので、自分だけの人形を作り上げ、夢を叶えてください。」

「ありがとうございます!」


その夜、ユキがログアウトし床についたころ

ネット掲示板、特に生産掲示板はいい意味で大荒れだった。





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