表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小さな鍵の物語~リトリア王女の魔女修行~  作者: 前歯隼三
魔女の庭の冒険編
14/32

朝のひと時

 魔女の裏庭、世界の壁の向こう側にて一行は穏やかに朝を迎えた。

 昨日は暗くて解らなかったが、こちらの世界は延々と続く森であった、アカネはその中でも切り開かれた農地、魔女の裏庭の管理人として…丸太で作った雑な家に住んでいる。

 外に風呂とトイレと調理場、家は居間と寝室と押し入れの…山奥という立地もそうだが、女性が暮らす環境には思えない質素さだ。


「うわぁあああああん!カボちゃぁあああん!」


「いやー、魔女の料理はやっぱうめぇな!そこだけは私も尊敬するぜ!」


 さてさて、そんな環境で迎えた朝は…悲しみと喜びに満ちていた。

 本日の朝食メニューはカボチャのチーズ焼きと冷製カボチャぷりんだった。


「ごめんなさいね…二人には隠していたけれど…昨夜カボちゃんは…うぅ…旨い!美味しい!おかわりもあるからね?」


「まぁ…、じゃぁお替り貰うかな」


「ソード人でなし!あんたはカボちゃんに友情を感じていなかったの!?」


「うーん…感謝はしているけどなぁ…旨いぞ?」


 すきっ腹を抱えて明日をも知れぬ生活をしていたソードにとって、喰える食えないは大きく重要な問題であった、いささかドライな自覚もあるが。


「あのねリトリア…植物はその土地に根を張るでしょ?その根を切って…土地を離れたらどのみち長くは生きれない。カボチャの馬車って元々そういう物なのよ。」


「うぅ…」


「植物はわざわざ食べられるように実を付ける、動物に食べて貰う代わりに種を遠くへ運んでもらったり…大切に守って貰うのが彼らの選んだ生き方なのよ。カボちゃんを大切に思うならしっかり食べて、そこのトイレで種まいて来なさい」


「食事中に凄い事言い出したよこの人!」

 

 なんだかんだとリトリアも朝食を頂いた、泣きながらお替りを二回した。




…………



 「さて本日の予定ですが、畑の収穫と害獣退治…そして夜はみんなで授業をします!」


 朝食の片づけを終えて、紅茶を飲みながら魔女は言った。


「えぇ…授業はお休みしないんですか?」

「畑の収穫は解るけど…害獣退治?」


 リトリアの不満は置いといて、そもそもここに来た理由は、不足した野菜を貰う為だ。収穫は解る…けどもなんだか物騒だ、この森は元居た世界の森と違う、ドラゴンが飛び…月を喰らう蛇とやらがいる森だ。

 ソードはアカネをちらりとみやる。彼女は片時も武器を手放してはいないのだ、常に腰には剣と銃をぶら下げている。

 ソードの視線に気づいたのか、アカネはタバコを吸いながら話をついだ。


「魔獣キャベタスってのが出るんだよ、小山みたいな緑の怪物でな…熊や竜ぐらいなら私がぶち殺してやるんだが…あいつは私じゃ相性が悪い。…んで、ちょうどいい時に魔女が来たから頼んだのさ。」


 アカネはジト目で魔女を見る。


「アンタなら一瞬で消しちまえるだろ?お母さま。」


「うん…ね、私も心が痛いのよ?」


 何やら意味深なやり取りだ。


「先生戦うの!ファイヤーボールね!もしくは闇の剣だったり!?」


「フフフ、そんな素敵な物じゃないわよ魔法って。」


「そうだぜリトリア、そんなんなら私だって魔法ちゃんと習ってるからな。」


 予定は決まった、こうして忙しい2日目が始まったのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ