支部長
今回小話ありません。
次回は書くから許してください…
「よし、到着!」
通りを男から一定の距離を保ちながら走っていたモミジが冒険者ギルドに到着する。
「はあ、はあ、てめえ待ちやがれ!」
そのすぐあとに男もギルドに駆け込んできた。
「あれ?モミジちゃんどうしたの?」
「ああ、この人が私がゴミ拾いの依頼を受けている時に指輪を拾ったんですけど、その指輪を私が盗んだって言ってきたんです。そして、ゴミ拾いの依頼なんか受ける奴いないとも言ってたので、フィーナさんに私がゴミ拾いの依頼を受けたことを証明してもらおうかと」
「そうだ!こいつがエステラ様の指輪を奪った犯人なんだ!」
男の発言を聞いたフィーナさんが階段へと走っていった。
え?フィーナさーん。
せめて依頼を受けてたことぐらい言ってくださいよ…
もしかしてあの指輪貴族の人の物だったりしたの?
そしてその貴族がこのギルドに資金提供をしてたり…
面白いことになってきたね!
とりあえず反論しときましょうか。
ここで黙ると私が犯人みたいだからね。
「あの指輪は私が大通りで拾った物です。そのエステラ様?から盗んだわけではありません」
「嘘ついてんじゃねえよ!お前がそれを盗んだことはもうわかってんだ!」
どうやったら私が指輪を持ってるだけで盗んだことになるのかな?
それ、財布を拾って交番に届けようとしていた人に、通りすがりの人が難癖つけるようなものじゃない?
決定的な現場を見たわけではなく、ただそれを持っているのを見ただけ。
これであの指輪がそのエステラ様のものじゃなかったとしたら、ただの泥棒だよ?
まあ、エステラ様のだったとしても泥棒には変わりないか。
「あなたはすごいスキルを持っているみたいですね。指輪を持っていただけで泥棒だって分かるなんて」
「お前が指輪を持ってたんだ。それで十分だろ!」
「じゃあ、あなたがそれを拾っていたところを他の人が見たら泥棒になるんですね?」
「は?俺は依頼を受けてんだぞ?その俺が指輪を持ってたら届けにいくところに決まってんだろ!」
うん、やっぱり話が通じない…
少し口調も威圧的にしてみたけど効果ないかー。
モミジがそんなことを考えていると、階段から1人の男性がフィーナと一緒に歩いてきた。
「お前ら一旦黙れ!」
男の声がギルドにいた人の心に恐怖を刻み付け、ギルドが静寂に包まれる。
その静寂をフィーナが絶妙なタイミングで破り、ガルムに話しかける
「ガルムさん、威圧を使うときは範囲を設定してください。関係ない人まで巻き込まれてます」
「ああ、すまんすまん。じゃあ、そこの2人。お前らちょっと上に来い」
そういっててガルムはモミジと隣にいた難癖男を指差した。
「ほら見ろ!これでお前は牢屋行きだ!」
「うるせえ!黙ってついてこい!」
「は、はい」
どうやら難癖男もガルムは怖いようで、おとなしく指示に従った。
うん、特に私は何かしたわけではないし、なんとかなりそう。
さすがにギルドで騒いだ程度で呼ばれるとは思えないし…
それで、エステラ様については教えてもらえるのかな?
モミジ達はガルムのあとについていき、左の手前のドアに入っていった。
「よし、お前らそこに座れ」
そう言われてモミジと難癖男は部屋の中にあるソファーに座る。
「俺はガルム、このギルドの支部長だ。今回あったこと全て話して貰おうか。ちなみにこの部屋には嘘を感知する魔道具が仕掛けてあるから嘘をついてもすぐ分かるからな。じゃあお前からだ」
ガルムは難癖男を指差す。
「俺は今日ここでエステラ様の指輪を探す依頼を受けたんだ。そして、指輪を探しながら道を歩いてたらこいつが指輪を持ってたんだ。絶対こいつがエステラ様から指輪を盗んだ犯人だ!さっさと…」
「話すのは事実だけでいい。君の適当な考えを聞いている時間は無い!」
「は、はいっ。そしたらこいつが逃げ出したから俺がここまで追いかけて来たんだ!」
「で、指輪は?」
「俺が持ってます」
そう言って難癖男はストレージから指輪を取り出す。
「今までの君の話しだと指輪はまだ彼女が持っているようだが?」
これは話してもいいよね?
「私が拾ったその指輪を見ていたところをこの人に取られました」
「では君はこの指輪を拾って見ていたところを彼に指輪を取られたと?」
「そうです」
「嘘はついていないな。だそうだが何か弁解はあるか?」
「そうです、こいつが指輪を持ってたから、俺はこいつが泥棒だってわかって指輪を取ったんです!」
うーん、やっぱり何回聞いても理解できないなー。
「では君は彼女から指輪を取ったと」
「それはこいつが泥棒だから…」
「さっきも言ったが私は君の考えを聞く時間があるほど暇ではないんだ。指輪を取ったんだね?」
「そうです…」
うん、ガルムさんは信用できそう。
まあ、ギルドの支部長が信用できないなんてことになってたらだめだよね…
「では次は君だ。この指輪はどうやって手にいれたんだ?」
「大通りでゴミ拾いをしている時に見つけました」
「ゴミ拾いをする前にその指輪の存在を知っていたか?」
「知りませんでした」
「ゴミ拾いの依頼を受けようと思った理由は?」
「ファイネさんに剣術のレベルが3になったと伝えにきたのですが、いなかったのでしばらくゴミ拾いをして時間をつぶそうかと。ゴミ拾いなら街の中でできるし面白いアイテムが手にはいるかもしれないし…」
「なるほどファイネが言っていたのは君だったのか。彼女もこの指輪を貴族街で探していたんだよ。これで君はファイネの稽古を受けられるな。だが、彼女の訓練は厳しいぞ、大丈夫か?」
ガルムの雰囲気が少し緩み、モミジに話しかけてくる。
「大丈夫です!それと、ファイネさんのことは支部長も知ってるんですね。ファイネさんって有名なんですか?」
「聞いていないのか?彼女はSランクの冒険者で、気づかぬうちに敵を切ることからついたあだ名は瞬閃、この街で最も強い冒険者の1人だ」
え、ファイネさんってすごい人だったんだ…
そんな人に指導してもらえるなんて本当にフィーナさんに感謝!
泥棒だと思っていたモミジがガルムに親しげに話しかけられていることが許せなかったのか、難癖男が声をあげる。
「なんでですか!?こいつは指輪を盗んだ犯人なんですよ!」
「それが違うことがわかっている。お前は人が持っていた物を適切な理由なく取った。お前の冒険者ランクはEからFに降格。さらにランクアップのさいには問題行動をとっていないかのチェックが行われる。次、問題行動を起こしたら冒険者の資格を剥奪する。以上だ」
「ふざけんな!てめえぶち殺してやる!」
「言っていないが、私も元Sランク冒険者だ。全盛期には及ばないが、貴様程度触れるまでもなく倒してやろう」
ガルムが発した殺気で難癖男は動けなくなってしまう。
さっきの威圧忘れてたの?
本当にバカだね…
「では、貴様の冒険者資格は剥奪、罪を償うまで犯罪者の紋を刻む」
ガルムさんはそう言うと、呪文を唱えて闇の鎖を難癖男に巻き付けた。
難癖男の体の至るところには鎖の模様が刻みつけられている。
うーん、これが他のゲームのPKみたいな感じかな?
これは目立つね…
これだけ模様がついてたら犯罪者だって丸わかりだね。
「ああ、君ははもう戻っていいぞ」
とりあえずなんとかなってよかったー。
それと、犯罪ダメ絶対。
「では、他の者にファイネを呼びにいかせよう。それと、今は戻っていいが、後で呼び出すことがあるかもしれないから覚えておいてくれ」
最後にそんな事言わないでよ…
じゃあ、ファイネさんが戻ってくるまで資料室の資料でも見てようかな。
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