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6.クレーナの魔法の師匠

PV8000越え!!気が付けばPVはうなぎ登り、これも皆様が読んでくれるお陰ですありがとうございます!!

総合評価も100を越えました!!投稿を始めた当初はこんなに評価して頂けるとは夢にも思っていませんでした。

これからも頑張りたい!!





 案外話してみると、面白い人も居るものである。現に今話しているクレーナの師匠のドンペンは話す内容が面白いものばかりだ。やれ、巨大蛇に襲われただの、八メートルを超える大きさのミミズに変な体液かけられただの、大洋で巨大ウツボと、死闘を繰り広げただの……いや、紐みたいなのばかりじゃないの!!


「おじさん、その話本当なのかしら?」


「あ?本当に決まってんだろ。嘘つくメリットあるか?」


「捏造した武勇伝を聞かせて尊敬の眼差しを向けて貰いたいとかの、下心とかですかね考えられることと言えば?」


 気が付けば私は、ドンペンさんと意気投合していた。公爵令嬢なので、そういう冒険とは無縁だった為に、そういうハラハラドキドキするような冒険話は聞いていた面白い。私はそう心から思う。


「師匠、余りお嬢様に乱雑な口調で話すのは止めてください、移ります」


「お前ら揃いも揃って酷ぇ奴等だな」


 若干こちらを引き気味に見ているのが伺える。


「そんなこと言って、本当は弟子のクレーナと話せたりして結構楽しいんでしょ?」


「けっ、これだからお花畑の令嬢は」


「れ、令嬢とお花畑は関係ないでしょ!!」


 かなり強気に出てしまった。そういえば私は元々内気だった筈なんだけど、こんなにガンガンと口からきつめの言葉がポンポン出てくるとは、まるで前世の私そっくり。一応前世では、彼氏こそ出来なかったが、運動神経抜群の我がつよい女として知られていたっけ。





「お嬢様、なんだかあの日の一件以降、性格変わりました?」


「へっ!?か、変わってないわよ。今日は偶々よ」


 クレーナが私のここでの口調に違和感を抱き、尋ねてきたが、それとなく誤魔化してみた。誤魔化しきれたかは別として……。とは言え、アリスの内気な性格があの一件のなんらかの影響により消えてしまい、変わりに私の前世の性格が全面に出てきたということなのだろうか?


「そうだクレーナ、久々に稽古でもつけてやろうか?お前ここから居なくなってからあんまり魔法とか使って無ぇだろ?」


「そんなことはありませんが……まあ、使う機会は減りましたね」


「だろ!!だから久々に稽古つけてやる」


 私が色々考えているうちにこっちはこっちでなんだかおかしな方向に話が流れている。あーあ、これ、どうしよ……。


「お、お嬢様、どうすれば……」


「えっと、なら私は一人で色々と見てくるから、クレーナはここで思う存分ドンペンさんと魔法でもなんでもしていれば良いと思うけど……」


「いけません!!貴女は公爵令嬢ですよ?もし何かあれば只じゃ済まないんですよ?」





 子供にお説教をするお義母さんみたいな口振りでお説教をしてくるが、内気で無くなってしまった私には、申し訳ないと思う心はあれども、決して怒られるのが怖いみたいな感情は無かった。クレーナの目付きが真剣だから、あの日より前の私だったら、泣いてごめんなさい、もうそんなこと言いません。なんてことになっていたと思う。


「ごめんなさい、でも、クレーナだってドンペンさんともっと話とかしたいでしょ?」


「それは、そうですが……」


「私は大丈夫だから……それに一度、一人でどこかにお出かけとかしてみたいなって思っていたのよ。良い機会だと思わない?」


 少しの間、考え込むクレーナ。


「おうおう、お前ぇも中々大変だな、嬢ちゃん」


「そんなことは無いけど……」


「分かりました!!」


 こそこそとクレーナに聞こえないように小さい声で話し合う私とドンペンは、クレーナの少し大きめの声にビクリと肩を震わせて、そちらに向き直る。


「お嬢様、一人で行ってきても構いません。但し、これを持っていって下さい」


 クレーナの手には、白く透き通った宝石のような石が摘ままれていた。ネックレスみたいになるように、紐もついている。


「クレーナ、そいつぁ人探しのだろ。ペアでふたつある石の場所が分かるっていうあれだろ」


「そうなの?」


 ドンペンの驚いたような口調に、思わず口からに確認をとる。




「そうです。こっちが片割れの私の分です」


 クレーナは服のポケットからもう一つの同じような石を取り出した。確かに二つの石は合わせると重なりそうな形をしている。


「これがあれば、私はお嬢様の場所を正確に把握することができます。もしお嬢様から負の感情が放出されれば、私に伝わり、逆にお嬢様にも伝わります。これは、そういうかなり高価な代物です」


 驚いたことに、魔法が埋め込まれているものらしく、二つの効果を提示したあとに、石の一つを私に握らせた。


「これで、大丈夫……では無いですが、もしものことがあればすぐに駆け付けます」


「ありがとう、ちゃんと持っているわ」


「人探しのやつを渡すなんてなぁ、お前ぇあの嬢ちゃんにベタ惚れじゃねぇか、はっ!!」


 ドンペンさん、余計なこと言わないで下さい。クレーナが顔を真っ赤にしてます。怒っちゃったよぉ……怒っちゃったよぉ。


「そ、そんなことは……いえ兎に角、お嬢様は心配ですが、これでお嬢様の場所が分かるので……って師匠は笑わないで下さい!!」


 豪快に笑い出すドンペンのおじさんを、尻目に、面倒そうなので足早にその場を離れたのであった。










明日も19時に投稿をしますのでよろしくお願いします。

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