そうぞう
どうせまた同じ日々なのだ
またあさが来た。今日もまた始まってしまった。
夜更かしをしてしまったからかとても眠い。
朝は洋食か和食か、悩んでいつも決めきれず野菜ジュースだけを飲む。こんなものを大切にしたってしようがないのだから昼食は持っていかない。返ってこないと分かっていて、いってきますと呟いた。
「なすところもなくひはくれる」
はて、誰だったか。眠たい授業中、優等生の皮をかぶって真面目なフリをする。彼は、そう。中原中也は酒瓶で檸檬を殴り、太宰をノイローゼにさせる破天荒なお人。早くに夭折してしまったが。彼ならば、酸化した夢からどう醒めるのか。死にたい。
分かりもしない授業中、くだらない休み時間。無駄に過ごす時間しか保有していない。手首が視界に入る。
「またか」
縦向きに動脈でも斬ったように赤が溢れる。暖かいのに冷えていく。右手で押さえる、押し上げる圧力。指の隙間から零れて、粘度の高い液体ゆえにぼたりとぱたたたと追従して
世界は戻った。
止まっていた手を動かして思いのほか進んでしまっている黒板を紙に写す。
「わかる人挙手」
分かりもしないのに肘をついて掌を晒した。重なっていく嘘。鐘の音で時間が区切られざわめいた。