第68話 影と愉快な仲間たち。
もう、あきらめました。誤字脱字0
エール共和国を出発してから、そろそろ1週間。ドリーン帝国に入るころだ。と、同時に、転移門のある国だ。
エール共和国の王様より、詳しい話は聞いている。話を聞く限り、とてもまともな国とは思えない。いわゆる独裁国家だ。
できれば、関わりたくないし、近づきたくも無い国だ。しかし、そうも言ってられない。
「ユーナ、ここから転移門までどのくらいの距離があるの?」
「えーと、ここからだとあと、1ヶ月くらいかな。」
「そ、」
「そんなにです。」
「な、
「なんともなりません。」
「し、」
「しかしも、かかしもありません。」
「で、」
「太郎はしつこいの。ムリはムリ。」
「チッ。」
「あっ、今女神様に、舌打ちしたよね。ね、ね。」
「………………………………。」
「あっ~、今度はムシですか?」
「先生~、太郎が酷いんだよ~!」
「はいはい。椿君は酷いでちゅねぇ~。」
「太郎がね、太郎がね。」
後ろで昼寝をしていた4人はきがつかなかったが、太郎、先生、女神様が警戒心を露にする。
馬車のスピードが上がる。
「なんだ、コイツら。」
太郎の言葉通りです、まったくわからない。
たしかに太郎の言う「なんた?」の言葉通り、まったくわからない。
見た限り、ただの影?ても、生きているみたいに、太郎達の馬車にどんどん近づいてくる。
その生きているような影は、信じられない程のスピードで横から迫ってくる。
あと、少しで影が馬車に触れそうな所で、「ガッ!」馬車を飲み込もうとしていた影が、馬車の下を通り抜けていく。……?
なんとも言えない、浮遊感が馬車を襲い、思わず目をつむってしまった、太郎と先生はゆっくりと目を開けて驚いた。
そこは、おそらくそこは雲の上。地上がまったく見えず、馬車全体がひかっていて、それは結界でも張ってあるように見えた。
「バタンッ!」何かが倒れるような音がした。あわてて隣を見ると、ユーナが息も荒く、倒れていた。
「まさか、これユーナが?」
「まぁ、あれはさすがに不味いからな。」
「ユーナ、大丈夫かっ!」
「大丈夫だよ。ほれ、人間(形態のような)になってるから、あまり女神としての力を使う事が出来ない。でも、今回のあれはダメだ。」
「ユーナは、あの影が何だか知っているのっ!」
「……………………。」
「ユーナっ!」
「世の中、知らない事もあると言う事じゃ。」
「ユーナ、その話は後でゆっくりしよう。それより、今ユーナは大丈夫なのかい?」
ユーナは、ゆっくりと意識を失って、太郎にたおれかかった。
あれから2日がたっていた。
「馬車の中でユーナがいきなり飛び起きる。」
「ユーナさんが目を覚ましました。」
「女神様、大丈夫ですか?」
「うん、心配。」
「うわっーーーっん、女神様ーーーーっ」
「はい、これ水だけど飲む?」
「ユーナ。もう、大丈夫かい?」
「太郎、あれからどれぐらい時間がたった?」
「ユーナ、少しで落ち着け。なんでそんな事が……」
「あれから、どれぐらい時間がたったかを聞いておるのじゃ!」
太郎は不承不承と言ったところか。
「ユーナが倒れて今日で2日目だよ。」
「そんな…………に?太郎っ!早くここから馬車を出すのじゃ!」
「何だよ、説明してくれないと分からないよ。」
「説明はあとじゃ、早くしないと、この間のヤツがまた襲ってくるぞ!」
太郎と、先生はゾクッとし、すぐに出発の準備にかかる。ここは、偶然にもエルフの里の
入り口。普通は入る無い場所なのだが、偶然に、本当に偶然に結界を避ける道を通ってここまでやってきた、太郎と愉快な仲間たち。
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