第 536話 太郎、思い出し泣き。
さて、太郎の頭の中はすっかりとお花畑化しているため、もうペリーヌの事しか考えていなかった。
しかし····
「太郎様、それなら私達も一緒に連れて行って下さい。」
王女マリーダは最後の手段に出た。それすなわち他の二人も····
当然の私達も一緒ですから。
やはりこの3人娘は太郎から離れたくはなかった、と言うより、太郎がペリーヌにナニをするかわかったものじゃないので、監視と言う名の、ペリーヌに出し抜かれないようにする為なのだか、太郎は····
「え?何で3人も連れて行かなくちゃダメなの?ってか、俺はイヤだし。」
「「「ガーーーン!!」」」
太郎によるハッキリした拒絶によりショックで3人娘は一瞬頭の中の回路がショートした。
「じゃあ、ペリーヌ、おじいさん行きましょう。」
太郎は膨大な魔力を使い、予めペリーヌから訊いていた大体の方向に次元の扉を開いた。
「うぉぉ〜。」
「太郎様、凄いです。」
「さぁ、この扉を開けば、すぐにマロクール村のお屋敷の前にすぐですよ。」
ペリーヌとおじいさんは恐る恐る扉を中に入っていった。
最後に、太郎が扉の中に入ろうとしたら、太郎がペリーヌの事で頭が一杯の為、危機察知が緩んでいた為、(頭がふやけていたとも言う。)太郎の後ろから3人娘が太郎に抱きつきながら、扉の中には一緒に入っていった。
扉の向こう側について、扉が閉まると、3人娘は顔を見合わせてニヤリとした。
太郎に飛びかかり、3人娘が太郎に抱きついたままだった為太郎は、変な声を出した。
「ゲッ····コ、ゴッホぐぇ!」
扉の向こうは、完全に知らない世界に3人娘は狂喜乱舞した。
そこまで喜ぶ事では無いと思うかもしれないが、一度でもアニメ「ペリー○物語」を見ていれば、ましては二次元の世界に、さらには創作の世界に来る事、その証明に目の前には、おじいさんとペリーヌが住む、それはまるでお城のような、宮殿のような、見たことのある大きな屋敷がそこには建っていた。
「す、凄い。本物ですわ。」
「本当にこんな世界に来れるとは。」
「太郎って一体何者だよ。」
3人娘の感想をよそに、
「太郎様、一緒に来て致しますので、ありがとう。これでこの村も工場も安心です。」
「あ、はははは。でもなんか余計なのが付いて来たけどね。」
「大丈夫です。お屋敷には部屋は一杯空いていますから、一緒に歓迎します。」
「はぁ、ペリーヌって本当優しいんだね。」
「そ、そんな事はないですよ。あ、さぁ、この季節は寒いですから、早速お屋敷の中には入りましょう。おじいさまは体調は大丈夫ですか?」
「あぁ、ちょっと喉の調子と、足がな少し····」
「まぁ、大変ですわ。早くお部屋にはいりましょう。」
ペリーヌの案内で屋敷のもんをくぐり、正面の入口まで歩く。
(マジ、アニメで、見たまんまだよ。)
太郎は浮かれていた。
入口につくとそこにはあの有名な執事が待ち構えていた。
「旦那様、お嬢様、おかえりなさいませ。」
「うむ、今日は大切な客を連れてきいるから、よろしく頼む。」
「わかりました。皆様、外は寒うございましたでしょう。こちらの部屋に暖炉の火を強くして温めていますから、こちらにどうぞ。後でお茶もお持ちします。」
太郎を含め、4人は部屋に案内された。
おじいさんと、ペリーヌは一旦自室に戻り着替えをしてから来るようだ。
扉を開けたその広い部屋の中央には、ピアノがあり、そして、暖炉前には豪華な椅子やソファーがあり、そこに4人は座った。
太郎はなぜか涙を流していた。
なぜ、太郎がいきなり涙を流したのかがよくわからなかった。
「グスッ、うっ、うぅぅ。」
おじいさんとペリーヌが来るまで、太郎はシクシクと泣いていた。
いつも最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
随分と間があいて申し訳ありません。
それから、誤字脱字も減らなくてすみません。
なるべく早く、前みたいに更新頻度をあげたいのですが•••
何とか徐々に•••がんばります。
m(_ _)m




