スキル操作!
(さて、どうしたものか。)
三人の魔王の側近、すなわち四天王だと思われる厳つい三人が太郎に近づいてきた。
(なんなんだ?こんなところで殺り合うのか?)
しかし以外にも三人は太郎の前で膝まついた。
「太郎殿、この度は魔王様の治療の為にわざわざお越しくださりありがとうございます。」
「へ?」
驚いた為には変な声を出してしまった。
「そして、我々四天王の1人が太郎殿に対し大変失礼をしました。彼奴は我ら四天王の恥であります。どうかお許し下さい。」
「あ、別に気にしてないから。」
「太郎殿の配慮に感謝します。本当にありがとうございます。」
今度は魔王が………
「本当に申し訳ございませんでした。」
「あ、いや本当にもう気にしてないから。それより三人とも、もう立ってくれないかな?」
「はっ!では失礼します。」
(うわっ~、背も高いし筋肉で破裂しそうな腕や胸が三人共凄い………………あれ?三人とも髪の色や形が違うけど似てないか?)
「太郎様、この三人は魔族でも珍しい三つ子なのです。」
(なるほど……………いや、人間でも三つ子は珍しいよ?)
「そうなのですか。人間でも珍しいものなのですね。」
(あ、魔王に心を読まれている!)
「太郎様、大変に申し訳ございません。私のスキルなのです。」
(マジか!………………なら、こっちは心の中や頭で考えていることを魔法で…………………隠匿結界。)
「太郎様…………あなた様はやはり凄いお方です。まさかそのような魔法をお使いになるとは。」
「いや、あまり気分のいいもんじゃないからな。」
「そうですね。私もこのスキルのせいで、何度も命を救われましたが、やはり知らなくていい事まで知ってしまうと心が疲れます。」
「じゃあ、そのスキルを常時発動しない魔法をかけようか?」
「そのような事ができるのでしょうか?もし、そのような事が可能ならどんなに…………あれ?」
「今、常時発動するスキルを少しだけ条件をかえてみた。」
「そ、そんなバカな!スキルを変えるだと?」
「信じられん!」
「………………本当にそのような事が。」
三人の四天王と魔王が驚いている。
スキルは確かに誰にも弄れないし変える事も消すことも出来ない。だけど、神になった太郎ならそれも可能だった。
しかし、太郎は神ではなく、人間のつもりで本気でいる。
「………………太郎様、ありがとうございます。」
「自分が使いたいと思えば使えるし、使いたくないと思えば使えなくなるから、これなら心も神経も削られる事は無くなるはずだ。」
三人と魔王が唖然としている。
ラルは相変わらずビクビクしている。
「さ、それより先に魔王の…………セーラ魔王の治療を先にしようか。」
「太郎様は私の名前をご存知なのですか?」
「うん、えーと、確かセーラ・ダイクーンだっけ?」
「はい、その通りです。」
「ま、名前なんかいいじゃないか。先に体の状態を見せてもらいたのだが…………セーラ、俺の前で裸になれるか?」
「「「なっ!」」」
「え?」
「ふっえ?」
それぞれに驚くが最初に反応したのがやはり四天王だった。
「太郎殿、さすがにそれは……………」
沈黙が流れる。
「わかりました。私なら大丈夫です。ただ、他の皆は部屋から出て下さい。太郎様と二人っきりなら私はかまいません。むしろ二人っきりの方が…………」
意味深な発言をし、なぜか赤い顔をする魔王セーラ。
「しかし、魔王様。さすがに男と二人っきりは…………」
「そ、そうです。太郎殿なら多分大丈夫でしょうが…………」
「ま、万が一にも…………いや、太郎殿なら大丈夫だとおもいますが。」
(面倒くせぇ~。大丈夫ならいいじゃん。セーラもいいって言ってるんだから。)
「私は大丈夫ですから。それに万が一があっても私はかまいませんので…………」
「「「「な、なんだってぇ~!」」」」
はい、みなさん息がピッタリです。
「お前らうるさいぞ!早く治療した方がいいじゃないのか?イヤなら俺帰るけど?」
すると慌てたセーラが。
「お待ち下さい。太郎様!間違いがあっても私は構いません!いえむしろ間違って下さい。」
「「「「!!!!!」」」」
魔王セーラの言葉に何も言えない4人乗りだった。
しかし太郎は…………
(治療しにきただけなのに、なぜそこまで言うかな。)
「今はそんな話はいいから、さっさと治療を始めた方がいいと思うだが?」
鈍感系主人公じゃなかった太郎だった?
最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
もうすぐ500話です。
本人もビックリ?




