急いで準備をする太郎。
魔族の国までの行き方…………いや、場所すら知らなかった太郎に、みんなから痛い視線が太郎刺さる。
「それで?魔族の国ってどこにあるの?」
魔族の国の場所を知らない太郎から、上から目線の言葉。
そして、1人の魔族が恐る恐る答えた。(太郎の強さを目の当たりにしていた為、ちゃんと答えないと怖いから。)
「えーとですね、ここからだと早馬で3週間。馬車で1ヶ月。歩きだと3ヶ月くらいです。」
すると太郎は…………
「はぁー?馬車で1ヶ月だって?」
太郎は怒ったつもりで答えた訳ではないが、周りの人達はかなり怯えた。
「ご、ごめんなさい。」
つい謝ってしまう魔族。
「えっ?なんで謝るの?」
「いや、魔族の国に行くのに時間がかかりすぎるから気を悪くしたと思いまして………」
「まぁ、確かに遠いか。」
すると騎士団の1人が………
「では、今から馬車と食料と水の準備をしますので、一旦城に帰ります。」
「その準備はどれぐらいかかりますか?」
1人の魔族が質問をした。
「大至急でやらせてもいますが、やはり1日はかかるかと。」
すると太郎が………
「は?用意にさらに1日だって?」
さらに周りの人達が萎縮する。
「すみません。大至急やらせます。それでも半日ください。」
「えっ?またなんで謝ってるの?」
太郎は気づいてはいなかった。
早く魔王に会い、病気を治療しなくてはいかないのに、騎士団や衛兵に取り囲まれたり、国王に呼び出されたりして時間を無駄にしていた為、イラついて殺気が言葉と一緒にもれていたから、周りの人達はビクビクしていた。
「あ~ぁ、いいや。馬車はいらない。俺の方で準備するから。で、魔族の国の行き方まではわかるだよな?」
「は、はい。わかります。」
「じゃあ、俺は準備をするから、騎士団員や衛兵のみんなにはこの国で隠れて暮らしている魔族を探しだして保護してくれ。国王からもそう指示がくるはずだから。」
「わ、わかりました。では、我々はこれから捜索を開始します。」
「あ、ちょっと待って。1人魔族を連れて一緒に探しだした方が早いと思うぞ。あと、場所とかもわかっていると思うから。もう1人は俺と一緒に魔族の国まで道案内がてら一緒に来てもらうから。」
「「「「わかりました。」」」」
しかし、みんなは太郎がどのように移動手段を手に入れるのかが不思議だった。
国王に頼めば、乗り心地のいい豪華な場所とちゃんとした食料なども用意するはず。なのに、自分で用意すると言うからには、何か別の移動手段があるのか?とみんなは考えを巡らせていたいた時に太郎がこう言った。
「馬車で1ヶ月もかけて行ってたら、間に合わないから、1日か2日で行ける手段を取ろう。」
「「「「えっ?」」」」
「じゃあ、ちょっと行ってくるから。……………あ、そうだ!騎士団と衛兵のみんなには言っておかないとな。」
「「「「…………?」」」」
何を言っているのか、全然わからなかった。
すると太郎から
「ゴニョゴニョ。」
「「「「……………!!」」」」
予想外の答に、固まってしまった。
「じゃあ、ちょっと行ってくる。すぐに戻るから準備をしておいてくれ。」
「「「「……………。」」」」
何も答えられず、太郎を見送るみんな。
太郎は瞬間移動で「スゥ。」と姿を消した。
騎士団の1人が慌てみんなに指示を出し動きだした。
魔族二人は相変わらず呆けていた。
最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
せっかく書いたのに、なぜか消えてました。
書き直しです。(泣)




