謁見の場。
さて、あちらこちらになぜか異世界に呼ばれる(?)太郎。
その度に性格が変わっていく。
正確には今の太郎が本性なのだが……………
漫才師などでは決してなかったばす。
「いいえ!貴女以外誰を女神様だと言うのですか?」
「だから私は女神様とは違います。」
さっきから延々とこれの繰り返しなのだ。
いい加減に飽きてきました。はい。
「太郎、お前いい加減しろ!それから早く手を離せ!」
太郎に無理やり土下座させられているギルマスからクレームの嵐。
「そ、そうです。早くその方の手を離してあげて下さい。頭からかなりの血が………早く治療しないと…………」
おっ?
ここで女神様からのお願いが。
やっと違う展開に行けると思うとホッとします。…………いや、マジあのやり取りをもう30分近く見てると帰りたくなりますから。
いくらマンネリが王道でも………。
「あ、わかりました。」
ホッと胸を撫で下ろす女神様。(いや違うから。)
慌てギルマスの近くに寄る女神様は虫の息のギルマスに治療魔法をかけた。
そこでようやく正気に戻る太郎。
えっ?太郎は正気じゃなかったの?
「あっ、俺が治療します。エクストラヒール。」
ギルマスの全身が光輝く。
それを見た女神様は(いや、だから違うから。)酷く驚いていた。
「その魔法は………」
暫くすると、光も収まりギルマスも目を覚ます。
あれ?あれだけ叫んでいたギルマスがいつの間にか虫の息で、すぐに回復とか…………超ご都合展開。
「ギルマス大丈夫か?」
いや、貴女が殺しかけたんですが。
「ったく、本当に死ぬかと思ったぜ。あ、そこの近衛のお姉さん、助けてくれてありがとうな。」
「いいえ。何もなくて良かった。」
優しく微笑む女神様。
その微笑みはまさしく女神様。
そして、一瞬にして恋に落ちるギルマス。
「あ~あ、女神様!」
あ、そんなマンガありましたね。
「その話はもういいんたよ!」
苛立ち紛れに、ギルマスに蹴りを入れる太郎。
「がはっ!」
うずくまるギルマス。
「それより早く国王の所に案内を頼む。」
理不尽だ。
「わかりました。こちらです。」
「おいっ!ちょっと………ぐっ、せっかく魔法で治ったのに……おいっ!ちょっと待ってくれ!」
なんだかんだで元気なギルマス。
女神様の後に続き、国王の謁見の場に案内される。
重厚な両扉が開き、赤い絨毯の上を歩いて国王の前にまでくると、女神様とギルマスが片膝をつき頭を下げた。
しかし、太郎は何もせずただ国王の顔をジッと見つめていた。
すると、周りには大勢の貴族や大臣と思われる人物が。そして国王の玉座の横には20代のおそらく王子が。
太郎の態度を見てその王子が叫ぶ。
「国王の前である。頭を下げよ!不敬である!」
周りの貴族や大臣達からも。
「不敬だ!引っ捕らえろ!」
「冒険者風情が生意気だ!」
太郎は周りからかなりの不興を買う。
慌てた女神様やギルマスが………
「太郎さん、早く膝をついて頭を下げて下さい。」
「おいっ!太郎不味いぞ!早く頭を下げろ!」
しかし、太郎は国王、または王子や周りの貴族達を慎重に見て回る。
そう、太郎はこの場にいるすべての人間を鑑定していたのだった。
そんな不敬な態度をとっている太郎を見ていた国王が一言。
「静かにせい!」
周りのからの罵声を国王の一言で静かになる。
その大きな声で夢中になって鑑定していた太郎が国王の方に向く。
「そなたが鷲に話があると言う冒険者だな。」
やっと話が少し進んだ。
最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
短文です。すみません。




