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どうして次から次へと異世界に~異世界へ強制転移される太郎~   作者: アドリブコージ
新たなる旅立ち
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謎の流行り病。




ギルマスがなぜか食堂の厨房に入っていき、なにやらガチャガチャと音がする。


「ほれ、これでいいか?」


ギルマスがお盆に4つのコップにオレンジジュースのような飲み物を持ってきた。


「ギルマス、これ何?」


「はぁ?オレンのジュースだよ。これしかすぐに用意ができなかったんだよ。」


「そうなんだ。店員さんありがとう。」


「だから、俺は店員さんじゃねぇよ!冒険者ギルドのギルマスだ!」


「そんな事は知ってるよ。ただの冗談だよ。そんなにムキになるなよ。」


「ぐぬぬぬぬ。」


漫才みたいなやり取りをポカーンと見ている魔族の二人。


「で、話ってなんだ。」


いきなり太郎が話を切り替えた。


「え?」


「いや、だから話があるから今こうしているんだよな?」


「あ、す、すいません。」


「実は、今魔族の国内に原因不明の流行り病が起きてまして、魔族の国では治療ができないため、病気にかかっていない者が人間の国、エルフの国、ドワーフの国、ドラゴンの国等にこの原因不明の流行り病の治療法を密かに探していました。」


「原因不明の流行り病?どんな病気なんだ?」


「はい、この流行り病はまず女性から発症します。そしてその女性の家族にと移っていきます。」


「で、病気の症状はどんな感じなんだ?」


「女性が最初に発症した時には既に手遅れの者が多く、うつされた家族が辛うじて病気の進行を止めている状態です。ただ、この病気の進行を止める薬と魔法では完治ができず、感染者が増えるととても手に負えなくなり、結局は亡くなる者が増えていき、今では魔族の国の半数の人口が減りました。」


「な、それだと俺達人間やエルフなんかにも感染する可能性が出てくるじゃねぇか!」


「ギルマス、ちょっと待ってくれ。まだ病気の症状を聞いていない。」


「そうですね。まず、最初は身体中がダルくなり、力が入らなくなり、最後はベッドで寝たきりになります。外観的にはこれといった変化はありませんが、段々と食欲が無くなり、最後の方は息をするのも辛いみたいです。」


「……………………その病気はまだ魔族の国だけの話か?」


「はい、そうです。」


「……………………地球で言うところの筋肉腫が全身に?いや、あれはうつる病気じゃないし。しかも女性から発症するとなると…………。」


「あ、あの何か心当たりがあるのでしょうか?」


「……………………お前達が信じるかどうかは別として…………その前に聞きたい事がある。」


「はい、自分が答える事ができる事であれば。」


「確か魔王は優しくて綺麗だと言っていたよな。その流行り病が流行する前に、魔族で何か国単位で大きな出来事はなかったか?」


「……………………そう言えば、流行り病が起こる1年前ぐらいに王都近郊にかなり大きな隕石が落ちてきた事があります。当時は落下した隕石の衝撃で王都の半分が多大な被害を被った事があります。その後、隕石の調査をしましたが、落下した隕石自体は問題が無いと結論がでました。」


「その隕石が原因で間違いないな。」


「そんな、まさか………」


「客観的見ても間違いないだろう。その隕石から出た何らかの病原菌が間違いないはずだ。だからこれ以上被害を増やさない為にも、まず隕石を処分するか、封印するかしないとダメだな。」


「その説は誰も考えませんでしたので、早速国に帰り報告をしないと!」


「今この宿屋は、外で騎士団や衛兵達に囲まれて、お前達はどうやって魔族の国まで行くつもりだ?」


太郎がちょっと意地悪をする。

太郎なら、転移魔法で簡単には魔族の国に行けるはず。


「太郎さん、自分達に力を貸してはくれませんか?早くこの情報を魔王様に知らせなくては…………」


「なぁ、そう言えば魔王って女性なんだよな?魔王は大丈夫なのか?」



「「……………………。」」


黙り混む二人の魔族。


「そうか、だから四天王の1人がムチャをしたのか。で、魔王の症状はどうなんだ?」


「……………………今は薬や治療魔法で凌いでいますが、いつまで薬が…………治療魔法を持った魔族が持つか分からない状態です。」


「魔族って治療魔法があんまり使えないんだ?」


「太郎は知らないかもしれんが、治療魔法は基本人間しか使えない。魔族で使えるのは多分数人じゃねぇか?」


「そうなのか?」


「はい、治療魔法が使えるのは、5人だけです。」


「なぁ、ギルマス。ここで魔王が死んで、魔族が減り、流行り病を嫌って人間の国に雪崩れ込んだらどうなると思う?」


「そうなったら、人間と魔族の戦争になる可能性が高いな。」


「じゃあ、俺が魔王や魔族の皆を助けたら、俺はどうなる?」


確かに、人間やエルフやドワーフ等は、魔族を敵認定している。


そんな魔族の魔王や国民を多数助けた場合、太郎が魔族の仲間と思われ人間の国で暮らすことが……………


「それは難しいな。俺は今聞いた話がすべて事実で、魔王や魔族を助けないと人間の国も大変な事になる。と言うのわかるが、上の…………国王や皇帝、教会の教皇などにどうやって説明して皆を納得させらるかだな。かなり時間がかかるし、中には利益目的で魔族との戦争万歳!なんて奴等もいるからな。」


「仕方がない。まず俺は一回魔族の国に行って隕石をなんとかしてみる。そのあと魔王に会って治療してくる。その間にギルマスが人間界の各国の首脳に会えるように準備をしてくれ。」


「は?いや、太郎。俺は一介のギルマスだぞ?そんな事出来るわけ………………そうか、お前の洗脳魔法か。」


「なんだ、分かってるじゃないか。まず、魔族の国行く前に、この国の国王に会って説明して、他の国と交渉してもらう。ギルマスが俺の代理人を努めてもらうから、しっかり頼むぞ。」


「うへぇ、マジかよ。」


魔族の二人は希望に満ちた顔になり、ギルマスは絶望的な顔になっていた。



最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。


前話、完璧だと思ってましたが、やはり誤字がありました。



はぁ~。


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