悩む領主様。
領主に、娘が俺達に何の目的であんな事をしたのかを聞きたい為報告したが、予想外に領主(父親)が落ち込んでいた。
しばらく沈黙が続いた。
すると、ノックをする音がしてメイドさんが入ってきた。
「失礼します。御主人様、お嬢様が……………」
嫌な予感がする。
「どうした、マリーは呼んできたんだろう?」
「それが…………お嬢様のお部屋にはいませんでした。今メイド達で手分けをして探しています。」
「なっだって?…………マリーは一体何を考えているんだ。」
仕方がない。次の話にさっさとうつるか。
「領主、落ち込んでいるとろこ悪いが、次の話にいきたいんだが。」
「わかった。申し訳ない。娘の話は一旦保留にしよう。」
「領主は報告を受けてわかっていると思うが、この領都に魔族や魔人が人間になりすましているねが、かなりの数がいるぞ。」
「な……………んだと?」
「太郎、それは確かな事か?」
「確かだ。それで領主に確認したい。」
「何を確認したいんだ?」
「もし領主の身内やメイド達、衛兵や兵士、あと騎士団やこの街の住人が魔族や魔人だった場合はどうす?」
「まさか、私の家族にも魔人や魔族になりすましていると言うのか?」
「正解には、元人間に憑依しているだな。」
「それは、どういう事だ?」
「例えば、領主の娘が魔族や魔人に憑依されていたら、憑依をされている時間が長ければ長いほど、同化されてしまって2度と元領主の娘には戻れなくなり、魔族や魔人になってしまう。」
「なっだってこんな事に…………それで、その憑依されてからどれぐらい立つと魔族や魔人になってしまうんだ?それから、その憑依をなんとかする事もできる方法があるのか?」
「人間に憑依した魔族や魔人を何とかする方法はある。それから、大体1ヶ月もぐらいで完全に同化されてしまう。」
「では、それを太郎は見破る事ができ、憑依した魔族や魔人を討伐できる。そう言う事だな。」
「そうだ。ただ完全に同化してしまった場合、姿形は人間で中身は魔族か魔人だ。そこで話を戻すと、もし娘や家族のだれかが完全に同化してしまっていた場合、討伐………つまり殺しても構わないか?これがオレの聞きたかった事だ。」
「…………………………まさか、娘はもう…………。」
たぶん、自分の家族が本当に討伐対象になった場合、領主はどう答えるか聞きたかった。
街の住人や使用人、兵士達だったら、迷わず討伐の許可がすぐに出るだろう。しかし、自分の家族の誰かだったら………………
やはり、答えがなかなか帰ってこなかった。
まず、討伐対象の正体は魔族や魔人で間違いないが、実は奴らは死霊だ。
簡単に魔法で浄化すれば、問題がないが、同化してしまうと浄化の魔法は効果が無い。
まだ領主は悩んでいる。
まぁ、当たり前の事だ。
さて、どう答えるか。
「…………………………その時は迷わず討伐して欲しい。ただ、条件と言うかお願いがある。これはもし家族の誰かが同化されてしまって時と同じで、苦しまずに討伐して欲しい。」
優しい領主だ。
同化前なら、魔法で一撃だが、同化後も実は何とかなる事は今は言わないでいた。
領主の人柄や本音を聞きたかったからだ。
公爵となると、しかも王の右腕となると、色々と厄介出しな。
しばらくすると。ドアをノックする音がする。
「失礼します。」
どうやら娘が見つかったようだ。
最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
やはり自分の語彙集の無さに泣けてきます。




