色んなメイドさん。
さて、どうしたものか。
太郎はどうしたものかと悩んでいた。
太郎の鑑定で、このメイドさんはどうやらここの領主の娘だった。
メイドさんは、うっすらと笑みを浮かべている。
「マリー・フォン・オースチン様、これは一体どう言うつもりでしょうか?」
ギルマスは、ギョ!っとした顔をして俺を見る。
「た、太郎、どう言う事だ?」
「ん?いや、だからこのメイドさんは、ここの領主様の娘で、マリー様だよ。」
「あぁ、お前鑑定が使えるんだよな。忘れていた。」
忘れるな。俺が鑑定を使えるから人間になりすました魔人や魔族を探す指名依頼を出したんだろうが。
「ふふふふ、よくわかりましたね。」
「それよりマリー様は一体何がなさりたいので?」
一応領主の娘だから、使え馴れない敬語を使っているが、大丈夫だろうか?
「私は一度失礼します。」
シュン。
「「な!」」
驚いた!転移魔法かテレポートが使える程能力がある娘なのか?
さすがに俺もギルマスも驚いた。
「なぁ、ギルマス。領主には何度も会った事があるんだよな?」
「あぁ、そうだ。」
「領主には家族が当然いるはずだが、ギルマスは領主以外の家族と会った事はあるのか?」
「いや、ない。さっきのメイドの娘が本当に領主様の娘なら、さっきが初めてになる。」
「ん~。」
「しかし、あんなかわいい令嬢がいるとは……………」
あ、ギルマスの奴、一目惚れしやがったな。
しかし、あのマリーの行動にはなぞが多すぎる。
何のためにメイドになって睡眠剤入りのお茶を持ってきたのか?
それから、あの転移魔法かテレポートか。
それだけの能力があるのを惜しげもなくない俺達に見せたこと。
ん~、わからん。
「太郎、このあと領主様に会った時にさっきの事話した方がいいのか………どう思う?」
なんで俺に噺をふるかな?
まぁ、いいか。
「え、別に話してもいいんじゃね?」
「どうしてそう思う?」
「だって、鑑定持ちの俺に対して、クスリ入りのお茶を持ってきたり、わざわざメイドになりすまして様子を伺ってたり、バレたら、転移魔法で逃げたり………何を考えているんだか知らないが、正体がバレたんだから、逆に言いつけるぐらいで丁度いいと思うぜ。」
「そんなもんか?」
「そんなもんだよ。」
はぁ、喉乾いた。お茶飲みたかったな。
そんな事を考えていたら、ドアをノックする音が聞こえてきた。
「失礼します。お茶をお持ちしました。中に入ってよろしいでしょうか?」
あれ?今度は本物のメイドさん?
「あぁ、入ってかまわないよ。」
ギルマスが間髪入れず返事をした。
こいつには警戒心って物がないのか?
本当にAランクだってのか怪しくなってきた。
「それでは、失礼します。」
今度は、普通にここの屋敷で働いているメイドさんだった。
ちゃんと鑑定済み。
しかし不覚にもこのメイドさんに二度見………いや、三度見してしまった。
ギルマスを見たら目が飛び出ていた。
いや、実際には飛び出てはいないがそれぐらいの勢いでメイドさんをガン見している。
それもそのはず、このメイドさん年は18歳、身長はおそらく150センチ未満、顔はおっとり系のかわいい娘。それだけなら問題がないのだが、胸が…………デカい。
巨乳、違うな爆乳だ。こんな胸はアニメか漫画の世界にしか存在しない。
俺達はしばらくその胸に釘付けだった。
いや、俺は思春期真っ只中な男の子だ。仕方がないだろう。
そのメイドさんはお茶を入れ、俺達の前に出したらすぐに退室していった。
「では、失礼します。」
あれ?部屋の隅で待機するんじゃ?
おれとギルマスは心の中で泣いていた。
ちなみに、今度のお茶には何も入っていない、普通の構築だった。
しばらくの間、俺とギルマスはドアを眺めていた。
すると、またドアをノックする音が。
俺とギルマスは心の中で歓喜した。
しかし、すぐに心を折られた。
「失礼する。」
オッサンの声がした。
最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
今まで爆乳と呼ばれる胸を見たのはアニメやマンガと一部のグラドルとAV女優ぐらいです。
実際には本当に爆乳はいいもの?なんでしょうか。




