美少女のメイドさん
さて、いよいよ領主様とのご対面だ。
「なぁ、ギルマスのギース。この街の領主様に会った事あるのか?」
「太郎、頼むからどちらかで呼んでくれ。ギルマスかギースか。まあいいや、この街の領主様には何度も会った事があるぞ。」
そんな話をしていたら、執事のセバスチャンが屋敷の中へと案内をしてくれた。
「ふぉー、屋敷だな。」
「なんだその感想は。」
「いや、領主様の屋敷だからさぞかし豪華なのかと思ってたら、普通だった。」
太郎は内心日本にある実家の家の方が豪華なんだな。と思っていた。
「お前がそんな事を言うと、なんだか領主様がかわいそうに思えてきたよ。」
「え?俺なんか悪口を言ったか?」
「いや、別になんにも。」
ギルマスはやれやれ。といった感じでいた。
「ギース様、太郎様こちらに応接室があります。領主様がこられるまでこちらでしばらくお待ち下さい。」
執事のセバスチャンが応接室に案内をしてくれた。
扉が開かれ、中に入る。
「ここもやっぱり普通だよな?」
「太郎、もうしゃべるな。」
ギルマスに怒られた。
「では、こちらにお座りになってお待ち下さい。ただいまお茶をお持ちします。」
執事のセバスチャンは一礼をして応接室から出ていった。
「なぁ、この街の領主様ってどんな人なんだ?」
「もうすぐ会えるからすぐにわかる。それから相手は貴族なんだから言葉には気をつけてくれよ。」
「あ、やっぱり不敬罪とかあるんだ。」
「当たり前だ。だから頼むぞ。」
「わかった。なるべく気をつけるよ。」
しばらくすると、ドアをノックする音がなり女の子の声がした。
「失礼します。お茶をお持ちしました。」
扉が開かれ、カートを押しながら1人の美少女が入ってきた。
「な!」
ギルマスが何か言いたそうな顔をしていたが、メイド服を着た美少女になぜか口に人差し指を立ててた。
「失礼します。」
美少女のメイドさんがお茶を俺とギルマスの前に差し出した。
ギルマスがおかしい。
いや、おかしいのは前からだが、妙に緊張していると言うか、背筋をピーーーーンと伸ばし、顔も若干赤い。
お茶を出してくれたメイドさんは、そのまま部屋の隅に移動してそのまま立っている。
俺は出されたお茶を飲む為に、カップに手をかけたが………………
「おい、ギルマス。これはどう言う事だ?」
俺は少し語気をつよめてギルマスを見る。
ギルマスはなんの事かわからないようで、
「な、なんだいきたり。どうした?」
「どうしたもこうしたもあるか!俺とお前に出されたお茶にかなり強力な睡眠剤が入れられてるぞ!」
「な、ま、まさか?」
どうやらギルマスにはわからなかったようだ。
俺は部屋の隅で立っているメイドに眼を向けた。
「おい、そこのメイドさん。これは一体どう言うつもりだ?」
美少女のメイドさんはクスッと笑い、俺達の所に近づいてきた。
「よくかわりましたね。さすがドラゴンを従える英雄ですね。」
美少女のメイドさん、説明になってませんよ?
はぁ、なんでこんな事をするのやら。
なかなか領主に会えないなぁ、と思う太郎だった。
最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
今日も短めですみません。
前話、誤字の修正とセリフの一部追加をしました。




