スターシアの食費
翌日の朝……………
今日は、ギルマスと一緒に領主の所に報奨金をもらいに行く日だ。
少し眠いが…………
なぜ、太郎が寝不足なのは、領主に会いに行く=何があるかわからないので、徹夜で武器やエリクサー(この世界ではもはやお伽噺にしか出てこないアイテム)、上級ポーションなどを作成していた為だ。
「うるせぇなぁ、一応念のためだよ。相手は貴族だからな。」
太郎は王公貴族があまり好きではないのだ。
「ただ、オレ一人なら逃げるなり、王都ごとぶっ飛ばす事はできるが、今日はギルマスにスターシア、しかもエリシアさんまで一緒とか意味あんの?」
ぶつぶつ言いながら部屋を出て、朝食を取りに一階の食堂まできて、思わず驚いた!
「ムシャ、ムシャ、ゴックン。はぁ、美味しいねぇ~」
太郎はスターシアが座っているテーブル席を見て驚いた。
「おっ!太郎おはよう!」
「あぁ、スターシアおはよう………じゃねぇよ!」
「ん?」
スターシアはなぜ太郎が怒っているのかが理解できなかった。
「スターシア、そう言えば昨日渡した金貨10枚はどうした?」
「おぉぉ、太郎のおかげで昨日は腹いっぱい食べられたよ。ありがとう。」
ニコニした顔で答えるスターシア。
「スターシア、良く聞け。昨日渡した金貨10枚で普通の人間にはどれだけ価値があるかわかるか?」
「私は人間の貨幣の価値などしらん。」
「じゃあ、教えてやろう。昨日お前が使いきった金貨10枚で家族4人乗りが仕事もしないで、贅沢さえしなければ、数年は暮らせる価値なんだよ。それをたった一晩で自分の食べ物にだけ使うとはいい根性だな?」
「しょうがないでしょ?私は古竜。だから毎日これぐらい食べないとダメなの。」
ピキッ
「ほっほほう。なら俺は今からお前を討伐する。こんな無駄飯ぐらいを側に置くほど金持ちではないからな。」
「えっ?」
「さぁ、外に出ろ!痛いと感じないままにあの世に送ってやる、」
「え、えっ?え?えぇぇぇぇぇ?なんでぇぇぇぇぇぇ!」
「お前を飼う程俺は余裕がないからな。早く外に出ろ!」
「あぁわぁぁぁぁぁぁわっ!」
いきなり土下座を始めるスターシア。
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。調子に乗ってごめんなさい。もう、このような事はしません。だから許して下さい。太郎様と離れるのはイヤなんです。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」
あまりにもしつこいので理由を聞いてみる。
「で、なんであんな大喰らいなんかしてたんだ。」
スターシアの説明では。
1、ドラゴンは普段は生肉しか食べない
2、ドラゴンは基本、大気中の魔素を吸収して食事がわりをする。
3、基本的ドラゴンは食事に対してあまり関心が無い。
4、ところご俺と出会い、人間形態になり俺と同じ食事をしたところ、あまりの美味しさにビックリし、さらに間の悪い事に太郎からお金をもらった為、ここぞとばかりに、この街にあるすべての食べ物を食べ歩きしたそうだ。
「なぁ、スターシア。お前当分食事抜きな。」
「な、なんと!」
この世の終わりのような顔をして涙ぐむスターシア。
だってさ、昨日金額10枚と今朝の食堂の支払いいくらだとおもってるんだよ。
てか、こいつの胃袋は底無しか?
そのあと、俺も朝食を取り泣き崩れているスターシアを引きずりながらギルドに向かった。
朝から疲れた。
最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
一度上げた話が消えていて泣きそうになりました。
慌てて再度アップしました。




