太郎とマリーさん、出発
で、エリシアさんのお願いで、マリーさんと依頼を受ける事になってしまった。
俺的には、薬草採取が良かったのだが…………エリシアさんのお願いとあっては、仕方がない。(お礼を期待している訳ではない)
それで、今から何の依頼を受けるのかを、マリーさんから説明会がある。
「それで、私達が受ける依頼なんだけど、ゴブリンがある村に頻繁にわらわれ、農作物や村人に被害が出始めたので、ゴブリンの討伐が今回の依頼なの。」
「ゴブリンですか。ちなみにゴブリンの数は?」
「村人の目撃情報によると、20匹ぐらいで、これはあくまでも最低20匹と思って欲しいの。」
「それ以上いる可能性があると?」
「ゴブリンは、基本どこかに巣を作って生活しているはずだこら、もしかしたら村の近くにゴブリンの巣がある可能性が……………」
「なるほど。最悪そのゴブリンの巣も見つけないとダメなんですね。」
「そうなの。そうなると、討伐する数が増える訳なの。その時太郎に巣ごと魔法で潰して欲しいのだけど、大丈夫かしら。」
「問題でもないです。要はゴブリンを殲滅すればいいんですね。」
「本当に大丈夫?」
「え?なにがですか。」
「ゴブリンの数がもしかしたら20匹以上いるのよ。それからもしその後に巣もつぶすのに、太郎の魔力量が心配なのだけど。」
「それは大丈夫です。魔力量だけは、人より多いのが自慢ですから。」
「そう、なら大丈夫ね。」
「しかし、ゴブリンの討伐ごときになぜBランクのマリーさん達が受けるのですか?」
「太郎、ゴブリンと言っても数が最低でも20匹以上になると、Bランクの冒険者じゃないと厳しいのだけど、あなた本当に大丈夫?」
「え?ゴブリンですよね?大丈夫じゃないですか。」
「本当に大丈夫なのかしら。ちょっと心配になってきたわ。」
マリーさんが、たかがゴブリンの討伐に不安を抱いている。
たかがゴブリンだよね?
そんなに大変なのかな?
マリーさんからの依頼内容の説明が終わり、エリシアさんに正式に依頼の手続きをする。
「では、お姉さんと太郎さんによるゴブリンの討伐の手続きさますので、ギルドカードを出して下さい。」
あ、マリーさんがお姉さんなんだ。
てっきりエリシアさんがお姉さんだと思ってた。
え?なんでかって?
だって、エリシアの方がスタイルが……特に胸が…………むふふふ。
お礼が楽しみだ。
「はい、ではこれで手続きは終わりました。二人とも気を付けて下さいね。危ないと思ったら、必ず逃げてギルドに増援を
お願いして下さい。」
「わかっているわ。」
「エリシアさん、いってきますね。」
「はい、太郎さんも気を付けて。この依頼が成功しましたら、必ずお礼はしますから。」
むふふふ。楽しみだ。
「うん、頑張ってくるね。」
爽やかに答える俺。
「下心がみえみえ。」
見透かす、マリーさん。
これから村に向かうのだが、そう言えば、場所を聞いていなかったな。
すると、ギルドの前に一台の馬車が止まっていた。
「これに乗っていくから。」
マリーさんが馬車に乗り込む。
幌も無い、普通の荷を運ぶ少しボロい馬車だ。
俺も荷台に乗り込む。
御者には、おじいさんが1人。
「それではお願いしましす。」
「はいよ。」
おじいさんがそう答えると馬車が走り出した。
「マリーさん、村の場所は何処なんですか?」
「あ、さっき説明しなかったね。村はここから北に向かって馬車で半日ぐらいの距離にあるの。」
「この馬車はマリーさんのですか?」
「え?違うけど。……………太郎何も知らないのね。」
「だって、さっき冒険者になったばかりですから。」
「あははは。そうだったわ。すっかり忘れていたわ。この馬車はギルドの場所で、距離によるけど、お金を出せばこうして乗せてってもらえるの。」
「なるほど。それは楽ですね。」
「それだけじゃないの。討伐した獲物は持ち帰えるのにも楽だからね。」
「あ、なるほど。確かに馬車があれば運んでもらえますね。」
「そういうこと。行きも帰りも、馬車があれば体力も温存できて、討伐した獲物も持ち帰る事もできるって事。」
なるほど。
でも、アイテムボックスがある俺には関係ないが、行きが馬車なのはありがたい。
ま、帰りは転移魔法ですぐに帰る事ができるんだけどね。
マリーさんは体力温存の為、横になって寝てしまった。
しかし、よくこの乗り心地の悪い馬車で寝る事ができるな。
これはあれか?Bランク冒険者だからなのか?
それならさすがにBランク冒険者だ。
俺はあまりにも悪い乗り心地の為、風魔法を使いお尻の下に空気の塊のクッションの上に座っている。
こんな馬車に乗っていたら、逆に体力と魔力を削られる。
この馬車は、ある意味身体能力を鍛えるものだ。
じゃないと、マリーさんみたいに横になって爆睡なんてできない。
「むにゃむにゃ、太郎、お姉ちゃんに変な事するな……………」
あんなベタな寝言を言うなんて。
しかし、村に着くまで暇だなぁ~。
空を見上げると、雲一つない青空が広がっていた。
広がっていた。
あれ?なんだろう?
雲一つ無い空になにか黒い点が一つ移動していた。
いつも最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
誤字減りません。すみません。




