太郎、なぜかトリップが続く
「エリシアさん、コイツらがBランク冒険者ですか?」
「えーと、はい、そうです。」
これがBランク冒険者か。よわ。
「エリシアさん、もういいですよね。俺早く依頼を受けて仕事したいんで。」
「はい。大丈夫です。太郎さん、仕事頑張って下さい。」
「ありがとう。」
俺は訓練所を後にして、依頼表が貼ってあるボードを見てた。
当然、F、Eランクが受けられるボードをだ。
「さて、何があるかな。やはり新人冒険者は最初薬草採取が定番だよな。」
俺はジーッとボードを眺めていた。すると。
「へぇ、やはり薬草採取からだな。」
ドンッ!
いきなり後ろから背中を押されたか、足で蹴られた感触を感じた。
「てめぇ、さっきは仲間が色々世話になったな。」
なぜか言い方が変だ?
お礼がしたいのか、ケンカを売ってるのか、どっちかハッキリして欲しい。
しかし、振り向いて後ろを見たら、いかにも魔法使いのような格好をした小さい女の子だった。
でも、顔はかわいいのに、かなり怒ってらっしゃるみたい。
「えーと、あなたは?」
俺はさっきの仲間だと知りつつも、一応聞いてみた。
「お前、さっき魔法使って仲間をボコってくれたな。」
いや、だってさっきのやつら、みんな金属製の鎧を着ていたから、雷ならさぞかし効果的に倒せると思ったからで、別にそんな体操な魔法は使ってないはず。
「それがなにか?」
「なにかじゃねぇ、あんなに魔法連発するなんて、しかもほとんど詠唱してなかったじゃねうぇか。お前何者んだ?」
いや、何者もなにも、さっき冒険者登録したばかりの新人冒険者ですが。
あと、せっかくかわいい顔でその口調はやめた方がいいよ。
「俺は、さっき冒険者登録をしたばかりの新人ですが、なにか問題でも?それに、せっかくかわいい顔をしているのに、そのしゃべり方はやめた方がいいかと。」
「うるせぇー!そんなのは私の勝手だ!」
まぁ、そうなんだけど。でも、改めて見ると背は低いけど、スタイルはいいし、(胸がデカイ)髪も綺麗な銀髪でストレートヘアでさらさら。あ~、トランジスターグラマーって言葉が浮かぶ。
しかし、ここでそんな事を本人に言ったら、もっと険悪になりそうなので、封印。
「あのう、何が気にくわないのですかね?」
一応下手に出てみた。
「お前がボコった連中は私の仲間なんだ!それをお前がボコったせいで、私達が受けた依頼が完遂できなくなったじゃねかぇか!どうしてくれんだよ!」
えっ?そんな事しるかよ!って感じだ。
だって、向こうから先にケンカを売ってきたんだから。しかも、ちゃんとギルド職員の立ち会いの元での話だ。それを俺のせいにしてもらっては困る。
「そんな事知りませんよ。向こうからケンカを売ってきたんですよ。自分が勝てると思って、おもしろ半分で新人の俺にケンカを売ってきたんだ。しかも、後で聞けばBランクの冒険者って話だから、どう考えても奴らが悪い。俺のせいにするな!」
後半、段々とイライラしてきて、俺も口調が酷くなってた。
「大体、なんでBランクの冒険者が新人を相手にするんだ!そんな高ランクの冒険者なら逆に、新人に手本となるような事をするのが普通じゃねぇの?……………あ、お前らは普通の冒険者じゃないのか。」
「き、きさまぁ~!」
「ちょ、ちょっとギルド内でのケンカは止めてください。」
そこには、かわいい受付嬢、エリシアさんがいた。
「エリシア、コイツはだれなんだ!」
「あ、マリーさんだったんですね。ギルド内でケンカは止めてください。それから、こちらは先ほど冒険者登録をしたばかりの太郎さんです。」
ま、マリーだって。超かわいいですけど。
名前と容姿がピッタリな娘。
ただし、性格としゃべり方はダメダメ。あ~、勿体ない。
「お前、本当に新人なんだな。」
「さっきから言ってるだろう。」
「チッ。」
あ、今この子舌打ちしたよ。
「マリーさん、昨日受けた依頼は終わりましたか?」
「今日これから行く予定だったんだ。それをこの新人のお陰で、仲間が使えなくなっちまった。……………依頼を取り消すとマイナス評価になっちまうから、仕方がない、私1人で行ってくる。」
「え?、あの依頼をマリー1人で?それは命を捨てに行くようなものです。ギルドとしては、それは認めれません。他の誰かを臨時にパーティーを組んでから依頼を実行して下さい。」
「そんなヤツも時間もない。」
「あ、それなら、ここにいる太郎さんと臨時にパーティーを組んで見てはどうですか?新人とは思えないほど頼れると思いますよ。」
ちょーーーーっと、待て!なんで俺が?
俺は新人冒険者らしくまず始めに薬草採取をしたいんです。
そう、ド○クエを勝って初めてフィールドに出て最初にエンカウントするモンスターは絶対にスライムじゃないとダメなのと一緒ですから。
だから、そんな訳のわからない高ランクの依頼のパーティーなんて……………パーティーかぁ、ちょっと憧れるな。
「お前…………太郎、お前の強さはさっきの戦いでわかったから、不本意ながら私の依頼を一緒に受けてくれないか?」
お?さっきまでとは大分印象がかわった。
それより、さっきの戦いって……………あれって戦いなのか?
「太郎さん、私からもお願いします。」
「えーっ、それって新人の冒険者が一緒依頼を受けても大丈夫なんですか?」
「はい、それは問題ありません。なぜなら、太郎さんBランク冒険者より強いですから。」
「でもなぁ、俺最初は薬草の採取がしたかったんですよね。」
「そこをどうかお願いします。」
「エリシアさん、なんでそんなマリーの事を?」
「実は、マリーとは姉妹なんつです。」
驚愕の事実が今ここに!
なんですと?エリシアさんとマリーが姉妹?
「太郎さん、依頼が成功者したら、お礼もしますから。」
「エリシアさん、俺にまかせて下さい。」
即答だった。
下心満載の俺。
「こいつ、ぜってぇーいやらしいこと考えてる。」
はい、マリーさんの正解です。
男ですから、いやらしいことはいつも考えています。
いつも最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
誤字がなかなか減らす事ができなくてすみません。
前話も、なんども修正しました。




