勇者・魔王連合対10万の敵
魔王長女に治療された太郎は、約2時間後に目を覚ました。
「はぁ、変な天井が見える。」
太郎はベタなテンプレなセリフを無理に言おとしていた。
しかし、この治療室は床に壁、そして天井と空中にまで物凄い数の魔方陣があったからだ。
太郎が目覚めたと同時に香織が気付き、太郎のベッドに走りよった。
「太郎ーーっ!気分はどう?」
「香織?ここは?」
「魔王城にある治療室だよ。それより体はどこもおかしくない?大丈夫そう?」
太郎は身体中に魔力を循環させ、その後に自分で身体中触って確認していた。
「…………………ん、大丈夫。香織、心配かけてごめんな。」
「本当だよ。まさか太郎があんなに苦しむなんて思わなかったからビックリと言うよりなんで?どうして?って思ちゃった。」
「いや、俺も初めての体験をいきなり2回したからビックリしたよ。」
太郎は異世界に来てから初めて死ぬかと思う程の痛みを味わい、さらに香織にお姫様抱っこされると言う初体験にちょっと戸惑った。
「太郎勇者様、解呪がうまくいってほっとしました。」
「そうか、魔王長女が助けてくれたんだ。本当にありがとう。もう似たよう呪いや精神攻撃を受けても大丈夫です。」
「太郎は同じ攻撃をされると体がその攻撃に対応して、その後同じ攻撃が通用しなくなるんです。羨ましいチート能力ですよね。」
いや、香織さんも太郎に負けない程のチート持ちですよ。
「そのような能力が…………………さすが勇者様です。」
「え、でもこないだの勇者はどうだったんですか?」
「前回の勇者様ですか。ハッキリ言ってレベルとが違うとか、次元が違うとか………………」
「へぇ~、そんな強い勇者パーティー立ったんだ。一度見てみたいなぁ~。」
暢気に話す香織。
「それほど強い勇者パーティーが苦戦するなんて、やっぱりこの世界の敵のレベルは相当高いんだ。」
太郎はベッドから起き上がり、香織同様悠長に話し出した。
しかし、魔王長女があわてて何を訂正してきた。
「違います、違います。前回の勇者パーティーは強いですけど、太郎勇者様と香織勇者様の方がはるかに強いです。……………私………いや、この世界の生き物には到底追い付く事ができない強さを、お二人にはあります。」
「え?そうなの?」
「はい、間違いなく神クラスの強さです。」
あ、さすが魔王。俺達の強さをすぐに理解していた。
それより、俺のレーダーにとんでもない数の敵が、この魔王城に向かっていた。
えーっと、数は……………はぁ!マジか。10万ってなんだよ。
さて、魔王長女はどう対応する?
「なぁ、香織。もうわかってると思うけど……………どうする?」
「魔王しだいかな?」
「だよな。わかった。付き合うよ。」
「太郎、ありがとう。やっぱりさっきまでの太郎は別人だったんだね。」
「俺も思考の中から見ていたけど、あれは酷いね。俺を少しでも知っているヤツだったら分かると思うよ。それに制服も着てたし。」
しばらくすると、魔王長女の配下から何かを知らせる為に治療室に駆け込んできた。
「ハァ、ハァ、ハァ、ま、魔王様、緊急の要件の為失礼します!じ、実は大変な事になってます。」
「緊急の要件?」
「はい、報告書します。東方面から敵の大軍が我が国向かっています。」
「それは本当ですか?……………なら、すぐに全軍を出撃準備を!」
「はっ、了解しました。」
「太郎勇者様、少し歩く事できますか。」
「うん、ありがとう。もう大丈夫そうだよ。」
「では、香織勇者様も一緒に。」
魔王長女は治療室を出て廊下の奥に向かって歩るきだした…………
「何処に行くんだろう?」
「まぁ、ついていけば分かるわよ。太郎、早く行きましょう。」
太郎と香織は魔王長女の後を追った。
10万の敵…………………このままでは絶対に助からない。
太郎は様や香織勇者様が加わっても……………しかも、無限湧きみたいに魔方陣から次々と敵が召還されていたら、かなり恐いね。
10万かぁ。なにか対策をしないとダメかな。
最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
今回は短い話ですみません。話がちょうど区切りいい所だたので。
やっと次回は戦闘シーン満載?の予定です。




